テクサポネットを利用したきっかけ
平成20年のリーマンショックで下請け注文数が激減してしまった。当時、認知度を上げて他社から注文を獲得するには、取り組み成果を数字で明確に示した根拠あるデータを準備する必要があった。
そこで、“学”の力を借りようと地元・常滑で依頼試験ができる所をテクサポネットを通じて調べた結果、公設試として地域の企業からの技術相談等を受け入れる、あいち産業科学技術総合センター産業技術センター常滑窯業試験場に辿り着き、依頼試験を行わせていただくことになった。
それをきっかけに、公設試担当者がコーティング材の優れた開発技術に注目し、INUIに共同研究を行わないかと声をかけられ、自社オリジナルの製品開発に取り組むこととなった。
共同研究の成果
共同研究では主に、耐火物向けのコーティング材を開発した。特にINUIが開発したコーティング材は、断熱性と柔軟性が高く、1000℃以上の工業炉で使用されるセラミックファイバーに塗布することで、セラミックファイバーの以下3つの弱点
・加熱による成形体の収縮率が大きい
・強度が低く、非常に脆い
・腐食性物質に対する耐食性が低い
を解決するものである。耐熱性向上効果においては、1500℃で24時間加熱した際の成形体の収縮率が2%以下になる結果を叩き出した。その上、コーティング材の塗布の有無で、製品の劣化寿命に約5倍もの差が生じ、熱が比較的多く当たる部分(炉壁など)の素材の耐久性を上げることに成功した。
特に鋳物の蓋は高温時に最大1400℃程度まで上昇するため断熱材が非常に重要になり、このコーティング材が発揮する威力は絶大なものになる。
また、本共同研究に際して、あいち産業科学技術総合センター産業技術センター常滑窯業試験場の担当者が改良アドバイスを加えてくれたことも、良い研究成果を生み出す土台となった。
公設試として行う単なる技術支援だけでなく、企業と共同で研究の検証条件を見極めてデータ取得の援助を行ったり、あらゆる事象に対するエビデンスも備えてくれたりと、公設試に相談を持ちかけることで新しい知見が広まったのも大きい。
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