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「リサイクル施設での設備更新で省エネルギーを実現」
株式会社尾張ホールディングス
業種:その他の卸売業(製紙原料卸売業)
株式会社尾張ホールディングス
業種:その他の卸売業(製紙原料卸売業)
愛知県清須市に本社を置き、愛知・岐阜・三重・滋賀に範囲を広げて古紙回収と廃棄物処理を手掛ける(株)尾張ホールディングスは、循環型リサイクル社会を創造するとともに環境保護と持続可能な社会の実現に貢献することを目的として活動している。
劣化更新時期に来ていた古紙圧縮梱包機を省エネ補助金を活用して高効率な設備へ更新することで、大きな省エネ効果を得ている。すなわち、事業所で使用するエネルギーの大部分を占める古紙圧縮梱包機をインバータ方式に更新することで使用エネルギーの低減を図り、加えて点灯時間の長い照明設備をLED化更新し、事業場全体で省エネ化を実現した。

インバータ式油圧ポンプ搭載の古紙圧縮梱包機
導入設備の概要
古紙圧縮梱包機
能力25t(毎時)の一定速油圧モータポンプ方式(200HP)からポンプ回転速度と圧力をインバータ制御する(150HP)能力20t(毎時)の最新鋭機に更新(ダウンサイジング)
電動機仕様合計で181.8kWから135.9kWへ省エネ
事務所照明のLED化
蛍光灯13台(67W、74W)をLED化(32.5W)
古紙圧縮梱包機のシュート
圧縮梱包された古紙プレス品
梱包機出口ガイド
事務所のLED照明
※平成30年度エネルギー使用合理化等事業者支援事業を活用
[総事業費41.6百万円、補助金額13.8百万円]
省エネ取組による省エネ効果など
補助対象設備(古紙圧縮梱包機とLED照明)
- 平成29年度20.3kL(年間)から令和元年度13.2kL(年間)(生産量補正後12.7kL(年間))
- 削減量7.6kL(年間)、削減率37.4%
内訳は、古紙圧縮梱包機7.3kL(年間)、LED照明0.3kL(年間)
対計画省エネ量に対し102.7%(超過達成)
事業所全体の省エネ効果
- 平成29年度23.9kL(年間)から令和元年度20.0kL(年間)(原油換算値)
- 削減効果3.9kL(年間)、削減率16.3%
電力デマンド契約も、98kWから55kWへ低減達成
活用した補助事業
補助事業年度 | 平成30年度 |
---|---|
補助金事業名 | (株)尾張紙業岐阜営業所(※当時)の省エネルギー事業 |
総事業費 | 41.6百万円 |
補助金額 | 13.8百万円 |
協力企業 | 三井住友ファイナンス&リース株式会社(共同申請者) 渡辺鉄工株式会社(機械メーカー) |
INTERVIEW
インタビュー

株式会社尾張ホールディングス 業務課 課長 長瀬 昇様
省エネ補助金交付事業者のリストを見ていたら廃棄物処理やリサイクル事業者さんの事例に目が止まりました。単なる省エネ機器の更新ではなくメイン設備の省エネ化を達成されている事例で興味深いと思いお伺いした次第です。
まずは取組みのきっかけからお伺いします。
事業のメイン設備である圧縮梱包機の老朽化が目立ってきて、その都度修理でしのいできましたが、メーカーさんから高効率な新製品の提案があり、更新時期を意識していたところでした。
省エネ補助金活用との結びつきは?
この話をリース会社に相談したところ、省エネ補助金を活用できないか検討したいとの申し出をいただきました。この機械を対象にした補助金を申請するのは初めてだったらしいですが、紹介していただいたコンサルからいけるのではないかとの判断をいただいたので、それならということで申請を前提に詳細を詰めました。
補助金という仕組みは全く知らなかったですね。
検討期間は十分あったんですか。
申請年度に入る前ですから、申請時期の3か月前ぐらいから具体的な準備を開始しました。メーカーさんもこれがうまくいけばと非常に協力的に対応していただきましたので、これが成功した要因の一つだと思います。
メイン設備以外に照明のLED化を組み合わせましたね。
汎用的ではない圧縮梱包機は設備単位の申請枠には指定されていないので、工場・事業所単位の申請になるなら、他の高効率機器も入れたほうがいいと提案していただき、まだ実施できていなかった事務所の照明のLED化を加えました。その他は空調とかあるのでしょうが、まだ更新時期でもなかったので、ここまでとしたというのが実態です。
うちはエネルギー多消費でもないしシンプルなラインなので、エネマネ事業を組み込むようなエネルギー管理システムの導入は考えにくいです。
工事の時期は年末年始になりますよね、この時期は業界としては忙しいのでは?
年末は忙しいので、正月明けに1週間休止期間を設けて既設設備の撤去から新設備の据付工事を行いました。
省エネ効果は計画値以上の成果になっていますね。
補助対象設備である圧縮梱包機とLED化で、省エネ実績は計画値を超えることができました。更新前後で生産量が増えていますので、単にエネルギー使用量の差ではなく、生産量補正をして評価しています。事業所全体で見ても当然減っていますし、この機械の稼働になって電力契約デマンド値も6割ぐらいに下げられました。
環境保全に貢献するリサイクル事業者として今回の省エネはどんな意味がありましたか。
私どもは市中で回収した古紙・段ボールを圧縮梱包して結束し、製紙会社さんへ原料として供給するリサイクルの輪の一翼を担っているので、循環型社会の構築に役に立っているとの意識は当然持っております。
省エネは光熱費のコストダウンにつながるということはわかっていましたが、それのみならず、いままでざっくりとしか認識できなかった地球環境保全とかSDGsにも貢献する手段としてここまで注目していただけるような成果が発揮できたのは大変うれしいことです。
うちのようなエネルギー消費の多くない業態で、かつ小規模な事業者でも、このようなメリットを受けられる補助金が活用できるとは驚きです。それと、メーカーやコンサルの方々の協力がないと到底出来なかったことだったと感じています。
この事業所としてはこれで一段落ですね。
設備更新として実行する省エネはこれで一段落ですが、機械や設備の運用改善やメンテナンスで少しでも省エネを意識していければと思います。ここ以外の事業所や本社工場でも更新時期をうまく捉えて省エネ投資ができればいいですね。省エネにさほど縁のなかったリサイクル事業者でもこんなことができるので同業者にも活用していただけたらと思います。
お問合せ先
- 中部経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー対策課
- 〒460-8510
愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0417
(応対時間:9時~12時、13時~17時)
FAX番号:052-951-2568
メール:bzl-chb-shoeneteikidata■meti.go.jp
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