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No.54粉末樹脂積層造形装置について

2024年11月8日

今回は、令和5年度に更新された「粉末樹脂積層造形装置(ドイツEOS GmbH社製 FORMIGA P110 Velocis)」についてご紹介いたします。
 実際の利用事例から、『これは自社で活用できるかも!』といった、企業の方々の利活用のヒントへとつなげていければと考えております。
  導入された設備は県内外に関わらず利用可能となっていますので、是非ともご活用ください。

  • 富山県産業技術研究開発センター 小川さん

    富山県産業技術研究開発センター 小川さん

  • 粉末樹脂積層造形装置

    粉末樹脂積層造形装置

富山県産業技術研究開発センターは、「高度で、特色があり、役に立つ」をモットーに、県内の中小企業に対して、技術支援・研究開発・技術情報の提供を行い、技術力向上と新製品開発を支援しています。
今回は、公益財団法人JKAの補助事業で導入した「粉末樹脂積層造形装置」について、小川さんにお話を伺いました。

Q1粉末樹脂積層造形装置とは、どのような機器ですか。

3D設計ソフト(3D-CAD)や3Dスキャナーで作成した3次元モデルを元に、薄く敷きならした樹脂粉末にレーザを照射し、溶融・結合させることを繰り返して積層することにより、部品や製品の試作モデルを造形する装置です。
 本装置では、造形材料にポリアミドが利用可能です。
  なお、3次元モデルがない場合でも、当センター所有の可搬レーザ3Dスキャナーを用いて3次元モデルを作成することも可能ですので、お気軽にご相談ください。

  • 撮影の様子

    撮影の様子

  • 3Dデータ

    3Dデータ

Q2従来の装置との違いは、どのようなところですか。

従来機種に比べ、造形面の温度管理法が改善され、造形物の品質向上が図られました。また、垂直方向の積層厚さが0.06mmと従来の約半分まで設定できるようになり、断面など水平ではない面がより滑らかに造形できるようになりました。
 また、材料については、従来のポリアミド12に加え、植物由来のポリアミド11が利用可能となるなど、環境に配慮した対応が可能になりました。
  本装置の造形法では、サポートが不要であるうえ、造形体を上下方向に複数配置可能であることは従来どおりですが、造形物の配置を最適化し、造形領域の高さを最小にするシステムにより、造形時間の短縮が可能となりました。
 また、造形物の間隔を自動で確認し、配置不備による造形不良を防止することも可能です。さらに、レーザのビーム経が0.5mmと小さいため、小型で繊細なパーツを造形可能です。

Q3どのような方に使っていただきたい装置ですか。

機能試験用モデルや形状確認用モデルの試作ができますので、「3Dデータ上の部品の機能を確かめたい」、「金型の作製前に部品の形状を確かめたい」等のご要望をお持ちの企業の方には是非利用していただきたいと考えております。
 また、機能試験用モデルの試作を行うことで、実際の部品を想定した機能の確認が可能であるほか、形状確認用モデルを試作すれば、部品の干渉や差し込み具合、爪部の動作具合等の確認が可能です。

  • 積層造形装置の活用事例

    積層造形装置の活用事例

  • 積層造形装置を使用した試作品

    積層造形装置を使用した試作品

Q4利用までの流れを教えてください。

本設備は、依頼試験又は施設利用での利用となります。まずはお電話でご相談ください。
 「どのようなものを作りたいのか」など担当の職員が詳しい内容をお伺いし、ご案内いたします。

Q5利用料金を教えてください。

本設備は造形時間に応じた利用料金となります。
 職員がすべての作業を行う「依頼試験」の場合は11,990円/時間(県外企業の場合17,980円/時間)、企業の方に来所いただき操作いただく「施設利用」の場合は7,830円/時間(県外企業の場合11,740円/時間)となり、3Dデータの調整や装置の操作指導が必要な場合は4,140円(県外企業の場合6,210円)追加となります。

機器紹介

メーカー名
EOS GmbH
型式
FORMIGA P 110 Velocis
導入年
令和5年度
主な仕様
造形可能寸法: W200mm×D250mm×H330mm
積層厚さ: 0.06~0.12mm
積層速度: 高さ方向で最大25mm/h (使用する材料や設定条件により異なる)
ビーム径: 約0.5mm
金型設置盤面サイズ: 500mm×500mm

本インタビュー対応者

  • 富山県産業技術研究開発センター 小川 研究員

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お問合せ先

中部経済産業局 地域経済部 イノベーション推進課
〒460‐8510
愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2774
メールアドレス:bzl-chb-sangi■meti.go.jp
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