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No.04 多軸加工機を用いた高性能加工技術のご紹介

高精度測定技術から高度精密加工へ

2013年10月16日

第4回は、あいち産業科学技術総合センター産業技術センター(刈谷市)に伺い、5軸加工機を用いた加工技術の研究活動についてお話しをうかがうとともに、その装置を用いた、 航空宇宙産業に関わる技術者の養成研修の実施について、担当者とともにご紹介します。

今回は、自動車・機械技術室 山本様、水野様、河田様、児玉様/総合技術支援・人材育成室 太田様にお話をうかがいました。

Q1多軸加工機を用いた高性能加工技術に取り組んだ経緯は?

当センターは、昭和26年に愛知県工業指導所(名古屋市)として発足しました。当地域は、それ以前からも自動車や航空機など高度なものづくりが盛んな地域であったことから、 高精度測定技術についてこれまで熱心に取り組んできました。昭和56年の刈谷市への移転、平成14年県内試験研究機関の統合を経て、 現在、組織の本部はあいち産業科学技術総合センター(豊田市)にありますが、自動車技術や機械技術といった、いわゆる”ものづくり”についての技術相談や依頼試験などは、 当センターがメインで担当しています。

これまで蓄積した高精度測定技術は、中部地域でも当センターには屈指の技術力があると自負していますが、現在、愛知県では、 次世代産業としての期待が大きい航空宇宙産業への技術支援の強化を進めており、この技術力を活かしていくポイントとして、高度加工技術に着目し、多軸加工機を導入し、 研究開発や、人材育成などに取り組んでいます。特に、航空宇宙産業では、多軸加工機の技術は必須ですし、難削材料への対応も含め、取り組む課題は多くあります。

5軸加工・3次元CAD 担当 河田主任研究員、水野主任研究員、児玉主任

5軸加工・3次元CAD 担当 河田主任研究員、水野主任研究員、児玉主任

5軸加工機のご紹介open_in_new(産業技術センターHP 愛産研ニュース2011.4月号より)

Q2貴センターにおける高精度測定技術について教えて下さい。

メインとなる装置は、超精密三次元測定機や、非接触三次元粗さ計、接触式粗さ計、真円度測定機です。 中でも三次元測定機ではオフラインで稼動する評価ソフトを多数開発しており、きめ細かい対応が可能となっています。総勢7人のメンバーで、日々依頼試験や技術相談、 研究などの業務を行っています。加工と測定の両方を担当する職員もおり、測定結果から加工方法のアドバイスも可能となっています。 リピーターとなっている企業も多く、頼りになる公設試であると自負しています。

ここ数年は、毎年、高精度測定技術を使った加工機の新たな知見の創出の研究を行っています。 まさに、高度な測定技術がないとできない研究ですし、その研究が、高度な加工にも活きていると思います。

  • 検査研修(粗さ)の開催風景

    検査研修(粗さ)の開催風景

  • 高精度測定メンバー

    高精度測定メンバー

  • 航空宇宙技術者育成研修 風景

    航空宇宙技術者育成研修 風景

Q3航空宇宙技術者育成研修について教えて下さい。また、今後の展開は?

航空宇宙技術者育成研修は、愛知県内の中小企業の方を対象に、平成20年度からはじめまして今年で六年目となります。

今年は、三次元CAD研修(5名×5回)、5軸加工専門コース(前期、後期 各5名)を開催します。 研修の特徴は、研修内容を確実に身につけていただきたい、実機を触って理解を深めていただきたいとのことから、毎回5名と少人数で、充実した研修を行っています。 三次元CAD研修では、航空宇宙産業だけでなく、自動車産業を中心に機械製造業でも広く用いられているCATIA(キャティア:仏ダッソー社3次元CADソフト)による三次元設計の基礎技術を、 5軸加工専門コースではCAM操作から切削加工、三次元測定機などによる加工精度の検証まで幅広く体験・習得できます。

今年度の募集は既に終了してしまっています。来年度も是非ご参加ください。

これまで、多くの方々に研修を受けていただきました。この研修が必要とする人材の育成に結び付いているとのアンケート結果を得ており、 現場の技術者にはしっかりと活用いただけていると思います。当センターでは、航空宇宙関連企業の依頼試験や共同研究(サポイン)を多数手がけていますが、 航空宇宙分野は参入障壁が非常に高いため、今後のフォローアップでより多くの企業さんが該当分野に進出できるよう支援していきたいと思います。

航空宇宙技術者育成研修(平成25年度後期) ご案内open_in_new(産業技術センターHP)※募集は終了しています。

取材後記

この地域の「ものづくり」を支えている技術力というのは、計測の高度化による部分も大きいといえると思います。そして、高度な計測ができることで、加工もより高度化していく、そして、高度な加工から、計測技術も・・・との繰り返しにより、技術がより高度化・洗練化されるものと思います。 この技術力を活かして、自社の競争力向上に是非ともお役立てください。

また、現在、製造現場では、一部の分野に必須な装置として5軸加工機は位置づけられていますが、まだ、その用途は限られていると思います。一方で、CATIAの技術は、自動車産業でも必須なスキルですし、現在盛況な3Dプリンタの使用などにも必要なスキルと思います。

今必要な技術、これから必要な技術を知っておくことは、これからの「ものづくり」にとって有効策の一つと言えるでしょう。

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お問合せ先

中部経済産業局 地域経済部 イノベーション推進課
〒460‐8510
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電話番号:052‐951‐2774
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