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中部Jクレ コラム

最終更新日:令和4年3月29日

中部地域のJ‐クレジット制度に関連した話題をコラム形式でお送りします。是非ご一読ください!

※不定期更新

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森林クレジットの現状と今後の展望

 日本は戦後の植林政策の影響もあって、国土のほとんどが森林によって覆われているため何も手を加えずとも大量の樹木の成長によって着実に二酸化炭素を吸収しています。しかし温室効果ガスの削減が重要とされている今、森林の適切な管理による更なる二酸化炭素排出量吸収が注目され、森林クレジットに期待が寄せられています。今回のコラムでは、森林クレジットの概要やメリット、現状について紹介します。

【森林クレジットとは】
 森林クレジットとは、森林の適切な管理(施業)を行うことによる二酸化炭素吸収量の増加量を環境価値として認証したものです。国内の公的な制度としては、Jクレジット制度がこれにあたります。
 森林クレジットに取り組むうえで最も重要なことは適切な森林管理です。森林管理とは、具体的には森林経営活動(間伐など)と植林活動を指します。間伐は、森林がどの程度混み入っているかを考慮しながら一部を伐採し、残した樹木の成長を促す作業です。間伐をはじめとする適切な森林管理を行うことで森林全体の成長を促し、森林環境の保全と木材価値の向上を図ることができます。一方で、森林の適切な管理を継続的に行うことには経済的な負担が伴います。そこで、森林クレジットを創出して販売することができれば、継続的な森林施業の一助となるといえます。
 また、森林クレジット活用するメリットとして、カーボンオフセットをしながら森林の適切な管理を応援することができます。特に地域内で創出された森林クレジットを活用することができれば、企業がCSR活動をPRする際に、地域の森林保全への関わりを伝えることも可能です。

【森林クレジットの現状】
 クレジットを活用するためには、クレジット使用者が無効化(償却)を行う必要がありますが、森林系をはじめとする吸収系Jクレジットは、削減系のJクレジット(省エネ系、再エネ系)と比較し活用が進んでいない傾向にあります。削減系Jクレジットは、認証量のうち57%が無効化されているのに対し、森林系Jクレジットの無効化量は38%に留まっており、また、認証された全てのJクレジットのうち森林経営活動由来のクレジットの認証量はわずか1.3%しかありません。こうした背景には、削減系クレジットの市場価格が2,000円前後であるのに対し、比較し森林系Jクレジットは7,000円~15,000円程度と、かなり高値で取引されていることが挙げられます。森林クレジットの創出にあたっては、対象とする森林の管理が適切に行われていることが大前提であり、そのうえで地権者の権利関係の整理や、吸収量を算定するための各種調査、書類作成などに要する労力も大きく、こうした費用がクレジット販売価格に転嫁されていることも考えられます。
  
【森林クレジットの創出拡大に向けて】
 森林系Jクレジットの創出拡大に向けては、Jクレジット制度の見直しの必要性が指摘されており、主な論点として次の点が挙げられています。

 〇主伐・再造林を含むプロジェクトでは、造林後10年以上にわたって下刈り等の必要経費が発生するが、認証対象期間のみの収支評価では経済障壁を適正に評価できない。
 〇主伐を含むプロジェクトでは、その跡地に再造林を行っても、幼齢林であることから期間中における吸収クレジットがほとんど発生しないため、プロジェクトが形成されにく   い。
 〇プロジェクト毎に個々の森林から生産された木材のトレース(どこでどのような製品として利用され、いつ廃棄されるか等の把握)が困難であり、トレースができた場合でも   将来的に廃棄される木材製品の炭素蓄積の変化量が評価できないため、伐採木材製品中の炭素蓄積の変化量を評価できない。
 〇森林法に基づき作成された森林経営計画の区域には、人工林のみならず自然力を活用して管理を行う天然林も含まれているが、現行のJ-クレジットの規定では、天然林は森   林施業の対象でないため吸収量の算定対象とされていない。

 今後、これらの課題解決に向けた制度の改善やルール作りが進められることで、森林系Jクレジットのさらなる創出が見込まれます。また、森林系Jクレジットを含む吸収系クレジットは、昨今のカーボンニュートラルの国際的な潮流の中で注目が集まっています。また、海外のボランタリークレジットなどでは、特に自然に根差した取組(NbS)に由来したクレジットは、炭素吸収の環境価値だけではなく、生物多様性の保全や地域の生活環境の向上など、SDGsのさまざまなゴールへも寄与する価値が重要視される傾向にあります。森林系Jクレジットについては、これらの価値を併せ持つクレジットとして、今後の活用ニーズのさらなる拡大が期待されるところです。

【ご参考】
・林野庁 よくある質問
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/con_5.html
・林野庁 森林由来クレジットの創出拡大について(検討方向案)【参考資料2】
https://japancredit.go.jp/steering_committee/data/haihu_211202/3_inkai_shiryo.pdf
・J-クレジット制度事務局 J-クレジット制度について~森林管理プロジェクトを中心に~
https://japancredit.go.jp/data/pdf/credit_004.pdf
・Jクレ運営委員会 第25回(森林小委員会の設置)
https://japancredit.go.jp/steering_committee/data/haihu_220308/1_inkai_shiryo.pdf

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