最終更新日:平成28年8月10日
採寸特許を活かしたオーダー靴のオンリー・ワン・ビジネス
ファシリテーター
中部経済産業局 局長【テーマ1】 なかなか消費が増えない昨今の日本のマーケットにおいて、どのように事業活動を行っているのか、簡単な事業概要を含めてお聞かせください。
当社は、オーダーメイドの靴を作るのに、本来であれば、熟練工にしかできなかった足の測定を誰もができるようになる仕組みを 考案し、特許を取得。この特許をベースに靴を販売する仕組みを構築しました。ぜひ、本日お配りした測定シートをクラフト感覚で使ってみてください。
当社(正プラス(株))は10年前に、設立しました「アロマ」を中心とする商品を展開していますが、 我々が商品を作る上で最も大切にしているのは、安全性です。そこを第一に考えるからこそ、良い商品ができたら、効果効能ばかりを大きくうたうのではなく、 その商品の試験を徹底して行い、必ず安心、安全であることが確認できてから、販売するように心がけています。
当社は主にお豆腐を作る機械を作っている会社でしたが、市場の変化を踏まえ、 大豆を加工する技術と地域資源である萬古焼をコラボレーションさせ、出来たての豆腐を手軽に作れるような豆乳を開発し、 今まで取引のなかったレストランに販売してきました。我々のモットーは、ニッチトップを目指し、食を通じて、世界の人の健康に貢献することです。 また、お豆腐屋さんたちの悩みの種である「おから」を出さない豆腐の製造方法を編み出し、豆腐業界を支援しています。
当社は創業当初、配置薬を扱っていましたが、他社にはない商品を作るべく、入浴剤を作ったり、その入浴剤の中に、 パパイン酵素を入れたりといった工夫を行いました。その後、富山の資源である「良い水」を活かしたミネラルウォーター事業を展開。さらにその後、 海洋深層水の研究を始め、本日お配りした経口補水液を始めとする、我々の体液と同じミネラルバランスの商品を開発することに成功しました。
ルバンシュはフランス語で「復讐」の意味。以前勤めていた食品研究会社で、 天然成分配合を謳った化粧品の成分分析をした際、ほとんどが化学原料で、主成分であるべき天然成分が微量であったことに、憤りを感じたことから、 化粧品業界に革命を起こすことを目指し、化粧品会社である当社を設立しました。肌に付けるのはもちろん、万一、口の中に入っても、食べても、 安全な化粧品の開発を目指しています。
【テーマ2】 皆さん様々の事業を展開されていますが、新しい商品・サービスを開発する上での工夫、苦労をお聞かせください。
当社は他社には真似できないオンリーワンのビジネスを徹底的に目指しています。事業を展開する中で、 新連携支援事業を活用し、大手と連携しながら、事業を進めることができました。そんな中で、今注目しているのは、「外反母趾」。 すでに、足のバランスから、外反母趾の曲がった角度から突出部を再現する方法を編み出していますので、積極的に進めていきたいと思います。
当社は萬古焼の産地である四日市にあったので、地元産業とコラボレーションして、豆乳と一緒に販売を行っていました。 地元産業との連携ということで、マスコミにも良く取り上げてもらいました。 また、地域資源活用事業、農商工連携事業やグローバル農商工連携事業を活用しながら、海外展開を進め、 最近では、パリにアンテナショップを出店するまでに至りました。
中部経済産業局の委託事業として取り組んだ事業で、移植手術における臓器の保存液として、海洋深層水を活用できることが、 判明しました。また、熱中症の際には単なる水分補給ではなく、出て行った汗と同じ成分を補ってあげる必要がありますが、そこでも、 海洋深層水を活用した、経口補水液が役立ちます。20年もの間、研究を続けることは容易なことではありませんでしたが、 確実に実を結んでいると感じています。
知り合いの米農家が廃棄予定の米ぬかを使って、床に塗る用の米ぬかのオイルを作っていましたが、乾くのに、24時間かかり、 どうにかならないかと相談を持ちかけられました。そこで自社技術を活用しながら、試行錯誤し、2時間で乾燥するオイル、 キヌカ(木の上に塗るヌカ)を作り上げることができました。今では、学校教材として、ニスの代わりに自然塗料として使用されています。
【千田社長から桐山記者に質問】
中小企業が、新商品・サービスを開発した場合に、新聞に取り上げてもらうには、どうアプローチをすれば良いのでしょうか。
【中日新聞 桐山記者】
いかに大きく記事を取り上げられるかで、最も重要なのは読者の目線に立って、商品の効能・効果を分かりやすく、数値化したり、
開発の背景を発信することです。また、記者は日々多くのプレスリリースを見ているため、電話をして、直接説明をしていただくのも効果的です。
プレスリリースには記載されていない背景となる市場ニーズ等を話していただいたり、イベントと絡めたリリースとするなどの工夫も効果的です。
【テーマ3】 今後の展望をお聞かせください。
将来的には、糖尿病用の靴の開発や、現在3~15万円程するオーダーシューズをもっと安価で簡便に、自分の足にマッチさせることのできるオーダーシューズ販売システムとして、 世界中に発信できればと思っています。
テーマは「香り」を生活に取り入れてもらい、鼻先だけで香るのではなく、 体全体で香りを感じることに力を入れていきたいと思っています。 日本の伝統と自然をベースに、環境や日本の美容と健康に良い商品を、展開していきたいと思う。そのためには、国の施策を活用したり、 中小企業同士で連携することも重要だと思っています。
パリのアンテナショップTOFUYAが5月にオープンしましたが、自社の技術を活用して粉砕した大豆を活用すると、 パリの真ん中ですぐに栄養価の高いお豆腐を作ることができます。このパリのアンテナショップを一つの柱として、国内、海外に新しい風を吹かせたいと思います。
良いものを作ることと同時に、それを売れるものにしていくべく、お客様に正しい情報を伝えることに注力していきたいです。 自社の持つマテリアルは様々なものに展開できます。少子高齢化時代における、需要の高まる商品を提供する企業として、 事業を進めていきたいと思います。
高齢化が進む中で、中小企業の人材確保は非常に重要です。学生に聞いた中小企業に対するマイナスイメージが、 閉鎖的な集団のイメージであったことを踏まえ、社員による社長選挙等の取組を始め、マイナスイメージを払拭するよう、取り組んでいます。 中小企業だからこそ、変えていけることが必ずあると信じて取り組んでいます。
【中日新聞 桐山記者】
経済部の記者は、大企業偏重だと改めて感じながら、中小企業であっても、臆することなく、アプローチして欲しいと感じます。
自社商品がいかに世間に役立っているかをレクチャーいただきつつ、こぼれ話的なストーリー性を持たせたり、
人が一緒に写っているような写真等で工夫しながら、ぜひ良い商品・サービスを世間に広めるツールとして報道機関を活用していただきたいです。
【中部経済産業局 波多野局長】
本日来て頂いた方々は、皆さんの身近にある不満をいかに解決するかに着眼されていたと思います。
人口減少でマーケットが縮小しつつある日本においては、ビジネスにつながったものをいかに外国に売っていくかが重要だと思います。
現在、経産省の施策の中心は「海外展開」と「農商工連携」です。海外展開のキーワードで、
輸出に関するアドバイスを丁寧にさせていただくような施策も用意されています。都度、局HPで紹介しているので、きらり企業紹介のバックナンバーも含め、
確認・活用いただけると幸いです。
中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
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