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中部発きらり企業紹介 Vol.120

更新日:令和元年11月18日

極上の肌触りと抜群の吸水性を持ち、1度使ったら手放せない「高品質タオル」を作る

おぼろタオル 株式会社
  • 三重県津市
  • 高品質タオル
  • コア技術
  • 一貫生産体制
  • 地域資源活用
  • 地域活性化
スター★ちゅぼっと君
 今回は今治市(愛媛県)、泉州(大阪府泉佐野市)と並んで日本のタオルの三大生産地として知られる三重県津市で、おぼろタオル株式会社の加藤勘次(かとう かんじ)代表取締役社長にお話を伺いました。 同社は創業111年の歴史を持ち、創業当初より一貫生産体制でタオルの生産を行ってきました。創業当初から作っている「おぼろ染めタオル」、「おぼろガーゼタオル」に加えて、近年では「百年の極」「専顔タオル」「専髪タオル」といった機能性の高い商品も生産しており、多くのファンに愛される商品を製造しています。 その取組は高く評価され、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」[中部経済産業局サイト内]や 「三重のおもてなし経営企業選」[三重県]を受賞されています。
加藤 勘次 代表取締役社長
加藤 勘次 代表取締役社長
はばたく中小企業・小規模事業者300社
はばたく中小企業・小規模事業者300社
三重のおもてなし経営企業選
三重のおもてなし経営企業選
明治から使い心地の良いタオルを作り続けるおぼろタオルの歴史
100年培った伝統技術で開発した「百年の極」
100年培った伝統技術で開発した「百年の極」
 おぼろタオルは、1908年(明治41年)「朧染(おぼろぞめ)タオル製造法」(特許14928號)の専売特許を取得し創業しました。法人の設立は10年後の1918年(大正7年)であり、今年で創業から111年目、会社設立からは101年目と歴史のある会社です。
 無地のタオルしかなかった時代に、創業者であり日本画家であった森田庄三郎(もりた しょうざぶろう)が、味もそっけもないタオルに図柄をのせたら面白いのではないかと思い立ち、「おぼろ染め」を考案します。 当時、(室町時代から伝わる)伊勢型紙を使って着物に模様をプリントする技術がありましたが、タオルに同様の技術を使っても、鮮明な柄のタオルしかできませんでした。そこで、緯(よこ)糸にだけ色をつけてタオルを作ることで、乾いている時には、「おぼろげに」柄がぼやけていて、濡らした時にはくっきりと柄が見えるタオルを開発します。 おぼろげに見えている柄が、濡らすことでくっきりと見えるようになることが、おぼろ染めの特徴であり、社名の由来にもなっています。
根強いファンをもつおぼろガーゼタオル
根強いファンをもつおぼろガーゼタオル
 おぼろタオルは百貨店に商品を取り扱ってもらえたことで、その名が全国に広がりました。ガーゼタオルをはじめ、様々なアイデア商品を開発し、タオル業界の中での認知度(地位)もあがり、昭和50年代までは、非常に隆盛でした。 しかし、バブル崩壊とともに、売上はピーク時の1/3以下まで落ち込んでしまいます。中国からの輸入品の代頭もあり、特徴のない商品は値崩れを起こしてしまい、多くの同業者が倒産や廃業に追い込まれました。その中で、弊社は従業員を1人も解雇することなく、この苦境を乗り切ることができました。 おぼろタオルが生き残ることができたのは、創業当時から自社一貫生産を行ってきたことと、特徴のある商品があり、根強いファンがいてくれたおかげです。
         
浅野撚糸との出会いと「エアーかおる」の誕生
吸水性の高い「専髪タオル」近年、百貨店だけでなく雑貨屋など取り扱うお店も増加中
吸水性の高い「専髪タオル」近年、
百貨店だけでなく雑貨屋など取り扱うお店も増加中

顔専用の「専顔タオル」優れた吸水性と極上のふわふわ感を持ち、女性中心に支持を集めている
顔専用の「専顔タオル」
優れた吸水性と極上のふわふわ感を持ち、
女性中心に支持を集めている
 昭和初期には、タオルだけでなく、タオル生地を使った肌着など、様々な製品開発をしていましたが、バブルの時期を境に、タオル問屋からの受注生産へと切り替わりました。 タオル問屋から依頼される商品は、特徴のあるものだけで、最終的に残ったのは、根強いファンのいるおぼろ染めタオルとガーゼタオルだけになってしまいました。
 10年ほど前より、おぼろ染めタオルとガーゼタオル以外にも自社を支える柱となるような商品が必要だと考え、商品開発に再び力をいれ、機能性の高い商品の開発も行いました。
 大きな転機となったのが、全く別業種の浅野撚糸株式会社(以下、浅野撚糸)と連携をし、「エアーかおる」を共同開発したことです。浅野撚糸とは、銀行のビジネスマッチングで出会い、試作品の製作に取り組み始めました。 当初、浅野撚糸は経(たて)糸と緯糸に、浅野撚糸の取り扱う伸縮性の高い糸を使ったら、ストレッチ性のある商品ができるのではないかと考えていました。しかし、弊社は、特徴のある浅野撚糸の糸は、肌に直接触れるパイル糸に使うものだと思い、試作品を作りました。 弊社の思い込みで作成したこの試作品が、今までにない肌触りや吸水性をもったものとなりました。この偶然の副産物が、「エアーかおる」の原型となります。その後、改良を続けて、「エアーかおる」が完成します。
 今までにない高品質なタオルができましたが、生産コストが高く、ノーブランドであったため、既存の流通ルートでは採用してくれるところは見つかりませんでした。そこで、本当に良い商品を見分けられる方に、見てもらい評価をしてもらわなければいけないと思い、展示会への出店を決めました。 この展示会への出展の際に、経済産業省の商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)[中部経済産業局サイト内]を活用しました。 様々な宣伝と浅野撚糸の売り込みもあって、「エアーかおる」が徐々に評価を得るようになりました。今では、多くのメディアにとりあげて頂いています。
         
地域資源の活用、地域人材の育成について
おぼろタオルのロゴマーク(会社パンフレットより)
おぼろタオルのロゴマーク
(会社パンフレットより)
 弊社は地域資源の活用も積極的に行っています。新しい商品の開発にあたり、地元の優れた技術や伝統的な技法とコラボすることで、我々にしか作れない商品を作り、他社との差別化をしています。最近では、伊勢型紙とコラボをし、今までのおぼろタオルにはない、新たな付加価値のついた商品ができました。
 津市には日本三大観音や日本三大美人の湯など、多くの地域資源もあり、魅力的な街ですが、意外と県外の方に知られていないのが現状で、「津市にはなにもない」と言われることがよくあります。津市の魅力について知ってもらいたい気持ちもあり、弊社のロゴにも「津」の文字を入れました。 おぼろタオルを買ってもらった方に、津に興味を持っていただきたいですし、津に来ていただいた方が、おぼろタオルを買いたいと思っていただけるように精進して参ります。
伊勢型紙とのコラボ商品伊勢志摩サミット(2016年)で使用され、好評だった
伊勢型紙とのコラボ商品
伊勢志摩サミット(2016年)で使用され、
好評だった
 また、地域人材の育成にも注力しております。弊社は、会社経営が苦しかった時期でも、1人の社員も解雇することなく、経営を続けてきました。現在、社員の大半が当地域の方ですが、今後も、この地域の方を積極的に採用していくつもりです。 製造を行う会社のため、専門的な技術が必要な部分もありますので、そういった技術を持っている方にも、おぼろタオルに入りたいと思ってもらえるように、従業員待遇の改善を行っていきたいと考えています。
 また、地元の小学生が工場見学できるよう体制を整えております。その他、一般の方の工場見学も予約をしていただければ随時受け入れをしています。1人でも多くの方に来ていただけると嬉しいですね。
         
おぼろタオルの製造工程
 タオル生産は基本的に分業体制がほとんどですが、当社は自社工場敷地内にタオル生産の全工程を持ち、一貫生産をすることができます。

〔1〕 整経
 タオルは経(たて)糸、緯(よこ)糸、パイル糸の3つからできています。まず初めに、経糸とパイル糸をそれぞれ、1本の糸に手繰り寄せ(写真【1】)、その手繰り寄せた糸の束を大きなミシンのボビンのようなビームと呼ばれるものに巻き取ります(写真【2】)。この工程を整経と呼びます。
 整経工程の出来が、後の工程に影響を与えるため、タオル生産の工程の中で、とても重要な工程です。
写真【1】
写真【1】
写真【2】
写真【2】

〔2〕 製織工程
 製織工程前の下準備として、円柱状に巻いてある緯糸を円錐状に巻きなおします(写真【3】)。円柱状のまま、緯糸を使ってしまうと、側面の角に糸が擦れ、切れたり際立ったりしてしまいます。
 整経工程で作られた経糸とパイル糸のビームを織機に乗せ、経糸を繋ぎ、緯糸を打ち込んでいきます(写真【4】)。織機でおりあがった反物状の生地の両端をミシンで縫い、次の工程に送ります。
写真【3】
写真【3】
写真【4】
写真【4】


〔3〕 おぼろ染め工程
 おぼろタオルの名前の由来となった創業時専売特許技術を用いて、緯糸だけに色を付けていきます。緯糸だけにしか柄が染まらないおぼろ染を使った商品は今も昔も変わらない工程で作られています。

〔4〕 晒し工程
 油分や不純物を取り除き、白く漂白をします。多くのタオルメーカーは製経前の糸を漂白し、色をつけますが、当社では製織工程後に晒しを行います。 製織工程後に晒しは、糸に直接晒しを行うより、処理時間がかかりますが、出来上がった製品をそのまま使っても、吸水性にすぐれているという利点があり、当社ではお客様に気持ちよく使っていただくために、製織後に晒工程を行います。

〔5〕 染色工程
 晒し工程で白く晒したタオルを染めていきます。晒しに約2日間をかけることで、染色性が高く、色ムラの少ない品質の良いタオルができます。

〔6〕 ウィンス工程
 湯洗いと水洗いを繰り返し行い、染料や汚れなどを洗い流します。

〔7〕 乾燥工程
 サクション乾燥機と呼ばれる独自開発をした乾燥機を使って、何枚もつながった状態のタオルを乾燥させます(写真【5】)。この乾燥機を使って乾燥させることで、おぼろタオルの特徴でもあるパイル糸が様々な方向を向いているタオルに仕上がります。 商品によっては、ボリュームのある風合いを出すために、タンブラー乾燥機を使う場合もあります(写真【6】)。
写真【5】
写真【5】
写真【6】
写真【6】


〔8〕 切断工程
 つながっているタオルを切り離します。丁寧に手作業で、一枚一枚切り離します。

〔9〕 ヘムミシン工程
 切り離したタオルの切断面にミシンをかけ、ネームタグをとりつけます。

〔10〕整理・検品工程
 完成した製品の中に不良品がないかを徹底して検品を行います。サイズ、汚れ、糸のほつれ等を確認し、最後に高精度の検針機を用いて検査を行います。
         
今後の取り組みについて
 今後も商品開発を続け、おぼろ染めとガーゼタオルに続くような、自社の柱となるような商品の開発を行っていくとともに、おぼろタオルの良さをより多くの方に知ってもらえるように、親和性が高くてニーズがある新たな販路へ拡販していきます。
         
 企業プロフィール 
  • おぼろタオル 株式会社
    おぼろタオル株式会社

    おぼろタオル工場内に<br />直営ショップも併設
    おぼろタオル工場内に
    直営ショップも併設
  • 企業名
    おぼろタオル 株式会社
    法人番号
    4190001000209
    本社所在地
    〒514-0008 三重県津市上浜町3-155
    事業内容
    タオル製造
    創業
    1908年(明治41年)創業
    代表者
    代表取締役社長 加藤 勘次
    資本金
    2,500万円
    従業員数
    62人
    HP
    おぼろタオル 株式会社 ホームページ外部リンク
    電話番号
    059-227-3281
         

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

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