A.衣笠社長
今後も、これまで同様、点検診断業務とエネルギー関連業務の両方を事業の柱として取り組んでいきたいと考えています。
ただ、当社として、エネルギー関連業務を重点に据えたいのですが、点検診断業務の仕事が多いため、なかなか対応ができないのが実情です。
以前は、点検業務とエネルギー分野での売上は、50対50ぐらいでしたが、現在では、それが、90対10ぐらいの比率になっています。
やはり、バイオマスプラントシステムの導入となると億単位での投資が必要となるので、企画段階でなかなか設置までには至らない傾向があります。
また、当社の企業規模からしても、商品不具合があった場合の保証問題となると、やはり事業リスクが大きいと言えます。
それに対して、調査点検業務は、初期費用が低く、当社の画像処理ソフトも、一般のカメラ、パソコンとソフトだけで、高性能の点検解析ができるので、事業リスクが少なく、
需要が多いという点でも、当面は、会社の体力が付くまでこちらを当社のメイン業務としてやっていこうと考えています。
今後は、当社の画像解析ソフトのレンタルも含めて低コストで広く普及させることを目標としています。
そして導入先で、数年ごとにパソコンがバージョンアップするための更新需要やメンテナンスも含めたビジネスモデルを展開していきたいと考えています。
レンタル等により広く普及させることで、同様の技術を使った競合他社は今後増えていくことが予想されますが、発注者の多様な要求事項に現場において柔軟に対応でき、
導入後のアフターケアも含めて即対応できる点は、当社の強みとなっております。
当社ソフトが普及し、構造物点検のスタンダードとなれば、他社がでてきても、先行して市場のシェアを確保できており、また、
画像による図面作成や積算ソフトなど多くの付加機能で多様な要求に対応できるため、優位性を維持できるであろうと考えています。
今後は、通常の人がデジタルカメラで撮って画像解析するだけではなく、機械を使って撮影して、画像解析ができるようなロボット化を更に進めるなど、
既存技術をベースに技術開発を進めて、構造物のデジタル画像解析技術においては日本のトップランナーとしての確固たる地位を確保していきたいと考えています。
また、本技術は、例えば、今後、工事中の構造物等の常時変位計測システムや滑走路や倉庫などの大面積の床面の劣化計測の自動化など応用範囲が広く、社会的ニーズが高いため、
自治体や関連企業などとも連携しながら、多方面においても開発を進めていきたいと思います。
将来的には国内だけでなく、海外向けも取り組みたいと考えており、建築物の維持管理方法は、日本とは同様ではないでしょうが、基本的には、維持管理ソフトを英語版にするだけですので、
今後、ソフト販売など検討していきたいと考えています。
今後の課題は、高精度の技術を提供することで、顧客から求められる技術精度の水準が高くなってきており、それに対応できるよう性能をより高めていくこと、そして、
より使いやすい価格で提供できるようにしていくことです。幸い、当社ソフトは、市販のデジカメ・PCの性能が向上していけば、当社の画像解析技術も向上していくため、開発コストを含めて、
低コストで提供できる点が強みです。また、国内における点検が必要なインフラの量は莫大であるため、現在、営業をしなくても、
問い合わせのある仕事に対応することで精一杯というような状況ですが、今後は、事業の拡大に際して、女性や高齢者の活躍に期待しています。
画像解析業務は忍耐と正確性が必要ですので女性の方が優れていると考えています。また、人材育成にも力を入れていきたいと思います。
設立当初は、社員1名で立ち上げて、現在社員7名まで増えており、技術が専門でない社員も多いですが、最初は技術の仕事を一から教えて、どの社員も現場対応ができるように、
人材を育てていくことが、今後、重要であると考えています。