A.奥村社長

作業所内部

熟練工による旋盤加工
現在、当社はロケットエンジンの中枢部品やジェットエンジンの部品を加工しています。これらは超精密部品であり、高い技術と品質が求められます。ここに至るまで力を付けることができたのは、創業者のモットー「人のやらない仕事をやる」ことを徹底し、そこに喜びを持って取り組んできたからだと思います。
初期の頃は勿論、大変な苦労がありました。エンジン部品は難切削材で、まともな道具も治具も加工機械もない。これまでの加工に比べると加工時間が5倍もかかり、材料価格も超高価で失敗は許されない。まさに人のやらない仕事です。
それでも踏ん張ってあきらめず、苦労して納品するとお客様に喜ばれました。お客様の喜びは当社の喜びとなり、また頑張れる。苦労が報われて、次の仕事が来る。これを繰り返していくことで、経験を積み、5倍かかっていた労力が3倍、2倍ですむようになる。
航空宇宙関連の部品加工は人のやらない仕事だから、競争は少なく、納品する個数は少なくても付加価値が高い。中小企業として経営が成り立っていくようになりました。更に付加価値の高い仕事をこなしていき、他社ではやらない、すなわち他社には出来ない技術を磨き、次なるチャレンジに進む。
実績と技術力を上げていくことでお客様の信頼が得られ、三光製作所なら任せられると仕事を出してくれる。このサイクルが進み、間違いのないものをじっくりと作ることに集中し、腰を据えて仕事に取り組んでいくことができました。
私は入社して数年後の平成元年、国内でロケットエンジンの量産が始まった頃、父から「三菱の現場を回れ」との命令を受けたことを今でも鮮明に思い出します。必死にご用聞きをして、情報を集め、試作段階・開発段階からの受注を獲得できるようになりました。