Q.国内大手の航空機メーカーからの下請けという形態がほとんどである航空機産業の中で、世界第4位の海外の航空機メーカーと直接取引を行うに至ったきっかけは何でしょうか?
A.今井社長

エンブラエル社から受注している主翼の構造材
元々、航空機部品の加工・組立を主に川崎重工業(株)の下で行っており、2000年にその川崎重工業(株)経由で、エンブラエル社との接触があったのが始まりです。2007年から直接取引をさせて頂くようになりましたが、現在でも川崎重工業(株)経由の仕事もあります。
受注の内訳としては、現在は防衛需要がほとんど無く、民間需要が約80%で、そのうち直接・間接合わせて約30%がエンブラエル社となっています。
製造工程としては、まずエンブラエル社からは部品モデル(電子データ)をもらい、当社で材料購入→治具の設計・製作→加工NCプログラムの作成→プログラムの事前検証→機械加工→寸法保証(CMM検査)→表面処理・塗装(そこでもし歪みがあればフラップピーニング)→納品という流れになります。
ただ、そこには表面処理の仕方、塗装剤の指定など、製品スペックは細かく決められており、受注者が提案する余地はほとんどありませんが、加工方法については自社のノウハウを活用することができます。発注先からはこの加工技術のノウハウについて、評価を頂けたのではないかと思っております。
現在、エンブラエル社から受注している主な製造部位は、翼の背骨にあたるスパー、その前に付くリーディングエッジ、同じく後ろに付くトレーリングエッジ、主翼の中央部に付くリブといった製品で、エンブラエル社製航空機の主翼の構造材の主要部分のほとんどを当社が取り扱っています。
航空機部品の加工は、高精度かつ高効率な切削加工技術が求められるため、これらは全て5軸加工機により対応しています。

受注から納品までの流れ
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パリ・エアショーの様子[外観]
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パリ・エアショーの様子[内部風景]