A.小林副社長

石川県能美市にある
(株)オンワード技研
表面処理法には「拡散」と「被覆」がありますが、当社は「被覆」のうちの「乾式」というのを手がけています。一般にいう「メッキ」といわれているのはもう一方の「湿式」になります。「乾式」は「CVD(化学蒸着)」と「PVD(物理蒸着)」があり、「乾式」処理は真空中で行い、PVDは、必ずプラズマを使用するものです。
このような表面処理法の中で、現在、当社では『PVD』の『イオンプレーティング法』という方法を主に手がけています。
『イオンプレーディング法』と言っても方式が幾つかあります。「アーク放電方式」というのは、多元金属の膜を作ることができますが、仕上がり表面が粗く、材料ターゲット依存性が高く柔軟な膜組成制御性がありません。
一方、「ホローカソード方式(HCD)」は、綺麗な膜ができ表面が滑らかになるのですが、一つの金属の膜しか作れません。
16年度活用した経済産業省の補助事業は、この「HCD」で多元金属の膜ができないかを研究するためのもので大きな成果を得ました。HCDで多元金属の膜ができるようになると、表面が滑らかなためアーク放電方式より摩擦係数が小さく、膜の厚さも薄くなるので汎用性がもっと広がります。この技術は5年を目処に事業化していきたいと考えています。