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プロジェクトの基本情報

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2019年3月18日更新

不織布加工関連技術を高度化し、故炭素繊維リユース技術を確立

株式会社 オーツカ

プロジェクト名 再生炭素繊維不織布の開発
対象となる川下分野 自動車
川下企業におけるニーズの対応 質量低減(小型化、軽量化など)
環境配慮(不純物の除去や無害化、廃棄物削減、 CO2削減など)
上記ニーズに対する具体的な数値 バージン炭素繊維不織布の強度タテ60N、ヨコ25Nを再生炭素繊維不織布で達成
事業実施年度 平成22年度
事業化状況 実用化済み(完成はしているが販売実績はなし)
対象としている素材 CFRP

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯
炭素繊維は軽量かつ高強度で耐摩耗性、耐熱性、熱伝導性、耐久性および耐薬性に優れた素材であり、その樹脂との複合材は航空機や自動車をはじめとして、様々な分野へと需要を拡大している。それにともない、今後、製造段階における廃材の増加や、耐用年数を過ぎた航空機などの最終製品に由来する廃棄物も増加すると考えられる。また、エネルギーの観点から見ると、バージン炭素繊維を製造するには莫大なエネルギー(290MJ/㎏)を必要とするため、環境負荷の大きな素材ともいえる。製造プロセスより少ないエネルギーで炭素繊維廃棄物から炭素繊維を回収再生し再利用することが可能になれば、炭素繊維にかかわるCO₂排出量を削減し、地球温暖化防止にも貢献できる。特に、炭素繊維を長繊維として再生できれば、合成繊維と混合して柔軟性をもった不織布に成型加工することができる。柔軟性をもった不織布からは、さまざまな形態の再生複合材を成型することが可能である。
研究開発のポイント
従来、炭素繊維の再生回収法を存在せず、故炭素繊維複合材は埋め立て処理されていた。現在開発中のその他の再生回収方法には粉砕工程が含まれ、再生炭素繊維の用途は限られたものであり、リサイクルが難しい。我々が開発する再生回収法は高精度雰囲気制御熱処理技術によって長繊維のまま再生回収し、幅広い用途に需要のある不織布に加工してCFRP材料として再利用するものである。不織布加工には一定長の繊維が必要である。しかし、回収した再生炭素繊維はランダムに配向しており、一定長の繊維を取り出すには、切断後選別する必要がある。また、炭素繊維のニードルパンチによる不織布加工工程について、ニードル形状、ニードル密度など製造条件に最適値を得る必要がある。長繊維状の再生炭素繊維について切断などの前処理工程条件の検討を行った。また、ニードルパンチ法による不織布製造工程について、ニードル形状、ニードル密度および打ち込み深さなどの製造条件の検討を行った。
研究開発の具体的な成果
開発した再生炭素繊維の良好なカット技術と再生炭素繊維不織布では、バージン炭素繊維不織布以上の物性と斑が得られた。
従来よりカット長バラツキの少ない安定的なカットを達成した。
バージン炭素繊維/ポリプロピレン繊維=50%/50%不織布の引張強度はタテ方向60N、ヨコ方向25Nである。
開発した再生炭素繊維をバージン炭素繊維の代わりに用いた不織布はタテ最小値86N、ヨコ最小値47Nであり、目標物性を満たすことが確認できた。
得られた不織布の外観評価をした結果、バージン炭素繊維を用いた不織布と同等程度の斑であることが確認できた。
利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
本研究は、再生炭素繊維を利用した自動車用アンダーカバーなどの軽量自動車部材の開発を目指している。天井材などの自動車部材は、熱可塑性繊維不織布を熱プレス成型することによって製造される。本開発では熱可塑性繊維を混綿した再生炭素繊維不織布を所定の熱プレス条件によってシート状に成型する。衝撃試験機によって自動車部材として重要なおもり落下衝撃試験を行い、既存のガラス繊維を用いた自動車部材とのモデル比較評価を行い、市場探索を進めている。

事業化への取り組み

知財・広報活動 特許出願 「炭素繊維不織布の製造方法および炭素繊維不織布」(特願2012-167468)
「中部ものづくり基盤技術展」(2013年2月19日、20日)
今後の見通し 当初目標にしてきた自動車用アンダーシールド以外の自動車用部品での開発を川下企業と進めている。GFRPを使用した部品を再生炭素繊維を用いた不織布を プリフォーム化し、熱プレス成型し、問題なく賦型できることを確認できた。現在の方法ではGFRPと比較して高コストのため、工程の簡略化、生産性の向上が今後の課題である。

研究開発の体制

事業管理機関 公益財団法人 岐阜県研究開発財団
法認定事業者 株式会社 オーツカ
カーボンファイバーリサイクル工業 株式会社
研究実施機関 株式会社 オーツカ
カーボンファイバーリサイクル工業 株式会社
岐阜県産業技術センター

PRコメント

時代の急激な変化の中で、技術志向の企業体質を維持し、独自のスケールを確立しつつあるのも、お得意様の日頃のご支援の賜物と、厚くお礼申し上げます。弊社は創立以来、『誠心誠意』『努力』『思いやり』をモットーに、お得意様を決して失望させない精神をもち続けてまいりました。今後もこの精神を経営の念頭に置き、お得意様とともに成長し、ともに繁栄をめざす姿勢を貫いていきたいと考えております。今日、お得意様の素材に対する要望は、ますます多様化し、同時に品質への評価も厳しくなる中にあって、弊社は頂点の品質誇る製品をめざし、限りない技術開発に力を注いでまいりました。不織布製品の用途は、自動車用内外装材を主体に、インテリア用カーペット、産業資材・土木資材と多彩な分野に拡がっています。
特に自動車用途では、さらなる燃費向上のため炭素繊維の自動車部品への採用が期待されていますが、自動車リサイクル法では自動車製造業者等に対して環境配慮設計の努力義務が課せられています。現在、炭素繊維は埋め立て処分されていますが、その高耐久性のため長期間安定した状態で存在し、地球環境保全の観点からも問題です。欧州連合が2011年に炭素繊維廃棄物の埋め立て処分を禁止するなど国際的にも規制が強化されつつあり、高度な炭素繊維リサイクル技術の開発が急務です。炭素繊維を長繊維として再生し、合成繊維と混合して柔軟性をもった不織布化することにより、さまざまな形態の再生複合材を成型することが可能となります。今後も再生炭素繊維不織布の開発・生産体制を着実に推進していきたいと考えておりますので、何とぞ一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

企業情報

社名 株式会社 オーツカ
(法人番号:5200001010824)
所在地 〒501-6065 岐阜県羽島郡笠松町門間1815-1
電話番号 (058)388-3121
社員数 242名 (男性  203名、女性  39名)
資本金 9000万円
業種 繊維工業
事業内容 自動車用内外装、インテリア用カーペット、産業用資材などの不織布製造
URL http://www.otsukacorp.co.jp
保有する生産設備と
スペック
フロアカーペット用不織布製造設備 5m巾 ・ 天井材表皮用不織布製造設備 5m巾 ・ フェンダーライナー用不織布製造設備 4m巾
生産拠点エリア 国内 所在地:岐阜県不破郡関ヶ原町今須3200
海外生産対応 可 対応可能エリア:中国、インドネシア
主要な取引先 豊田紡織 株式会社、帝人 株式会社、寿屋フロンテ 株式会社
本プロジェクトに
関する問い合わせ先
部署名
技術部 開発グループ

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