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  3. 革新的高歩留り鋳造法を可能にする、経験値とITを融合した高効率鋳造方案設計支援システムの開発

プロジェクトの基本情報

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2019年3月18日更新

●鋳造方案の変更で鋳造歩留りを改善し、鋳造工程の大幅な溶解エネルギーを削減。
●2つの特殊機能押湯(湯口押湯、球状押湯)の設計最適化により押湯を半減。
●経験値と実験データを基に、CAD/CAEを活用した鋳造方案設計支援システムを構築。

丹羽鋳造株式会社
武山鋳造株式会社

プロジェクト名 革新的高歩留り鋳造法を可能にする、経験値とITを融合した高効率鋳造方案設計支援システムの開発
対象となる川下分野 自動車、産業機械
川下企業におけるニーズの対応 効率化(生産性・作業性の向上など)
環境配慮(不純物の除去や無害化、廃棄物削減、 CO2削減など)
低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など)
短納期化(リードタイム、工程の短縮など)
上記ニーズに対する具体的な数値 鋳造工場における溶解量の約30%を占める押湯の半減(溶解量の15%削減)
事業実施年度 平成28年度~平成29年度
事業化状況 補完研究中(完成に向けて現在研究中)
対象としている素材

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯
(1)特殊機能押湯の設計標準化
鋳造業は、エネルギー多消費産業である。製品の健全性の確保のため押湯が必要であるが、従来は溶湯補給効率の低い「円柱状押湯」が一般的であり、そのため、溶解量に対する押湯比率が30%と高く鋳造歩留りが50%程度と低いうえ、多大の溶解電力を消費している。
(2)高効率鋳造方案設計支援システム
設計者が経験を基に鋳造方案を設計し、試験鋳造等でその方案の良否を判断している。鋳造業界全体としてIT化が遅れており、鋳造方案設計には経験と勘が必要であり、量産開始まで手戻りが多く時間を要する。
研究開発のポイント
(1)特殊機能押湯の設計標準化
従来使用している円柱形状の押湯は、必ずしも効率的とは言えない。特殊機能押湯(球状押湯・湯口押湯)の効率的な溶湯補給により、15%の溶湯削減(溶解電力の15%削減)を図る。
(2)高効率鋳造方案設計支援システム
経験と勘にたよらない高歩留り方案設計をパソコンレベルで可能にして、方案設計から量産開始までの時間を短縮する。

研究開発の具体的な成果
(1)特殊機能押湯の設計標準化
鋳鉄代表製品の実験から特殊機能押湯の設計標準をまとめた。
また、従来鋳造方案に対し、代表製品の単純平均で約17%、最大で40%の鋳込み重量削減効果を実証した。
(2)高効率鋳造方案設計支援システム
ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄及びCV黒鉛鋳鉄の3材質で、鋳造方案、設計支援システム開発のための鋳造方案データベースを構築し、特殊機能押湯を用いるための鋳造方案設計システムを開発した。
利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
(1)特殊機能押湯の設計標準化
品質に対する市場の要求は年々高くなっているため、新技術への切り替えは、大幅な製品歩留まり向上が期待できるので、実例を示せば短時間で普及するものと考えている。
(2)高効率鋳造方案設計支援システム
鋳造シミュレーションソフトを駆使している鋳造メーカは高効率押湯設計支援ツールをサブソフトとして導入することで、効率的な押湯方案設計が容易になると考えられる。また、鋳造シミュレーションソフトを所有しない会社でも、本ソフトを導入すれば凝固モジュラスに基づいた根拠のある押湯方案設計が行えるようになる。

事業化への取り組み

知財・広報活動 日本鋳造工学会 第172回全国講演大会 研究発表講演会
月刊誌「素形材」平成30年10月号
今後の見通し (1)特殊機能押湯の設計標準化
本事業において、鋳造品の高歩留りという点において、特殊機能押湯による効果が明らかとなった。法認定企業である研究実施機関の鋳造メーカでは、この特殊機能押湯への転換について事業化を進める、或いは新規受注品の利用可能なものに採用していくなど、を計画している。

(2)高効率鋳造方案設計支援システム
高効率鋳造方案設計支援システムについては、研究実施機関により、マニュアル作りなど上市に向けた活動が進められている。なお、研究実施機関である鋳造材料メーカから平成31年より販売の開始を予定している。
当初の目標を踏まえた
上での達成度や
新たな課題
(1)特殊機能押湯の設計標準化
上記した高歩留り化は使用する原材料を最小限に抑えることができ、そのことにより電力消費低減は当初目標を上回る成果を得た。その点からも特殊機能押湯は、有効な手法であることが明らかとなった。
しかしながら新たな押湯であるがゆえに、以下のような課題を解決していく必要がある。例えば、水平展開の試作等に掛かる費用の調達、また鋳造設備の改造や鋳造品ユーザの理解が挙げられる。

(2)高効率鋳造方案設計支援システム
鋳造業界は、コンピュータ利用技術が進展している業界とは言い難い。そのためには、このシステムの有効性を認知してもらうためのPR方法がカギとなる。まずは鋳鉄関係のセミナー、展示会などの機会を通じてPRを行う。

研究開発の体制

事業管理機関 一般財団法人素形材センター
法認定事業者 丹羽鋳造株式会社・武山鋳造株式会社
研究実施機関 株式会社瓢屋
旭メタルズ株式会社
大同大学
アドバイザー 森田技術士事務所
有限会社ファンドリーテック・コンサルティング
日立建機株式会社

PRコメント

(1)特殊機能押湯の設計標準化
日本に於ける鋳造業はここ数年衰退しており、巻き返しを図るにはコストを睨みながら、更なる高精度、高付加価値鋳物を目指す必要がある。今回は、高歩留りを実現することにより、諸外国にも価格競争に遅れを取らないことが戦略の胆でもあった。その点で、特殊機能押湯は、鋳造業界が懸案としている鋳造歩留りを向上させる画期的な鋳造方案である。

(2)高効率鋳造方案設計支援システム
球状押湯、湯口押湯は不向きな製品形状もあるが、高効率鋳造方案設計支援システムは製品CADデータがあればエクセルで操作する方案設計を進める支援システムである。経験値が少なくても、また教育としても利用でき、製品に複数個の押湯を設定する場合にも対応しており、試作のやり直し回数を減らし、納期短縮も可能となる。
今回のようなシステム開発を通じて、日本の鋳造業は、IoT、AIを駆使した鋳造技術を構築し、世界トップの技術を維持していく必要がある。

企業情報

社名 丹羽鋳造株式会社
所在地 〒501-3219 岐阜県関市のぞみヶ丘11番1
電話番号 0575-21-6028
社員数 164名 (男性  135名、女性  29名)
資本金 2,800万円
業種 金属製品製造業
事業内容 油圧部品
農機具部品
自動車部品の鋳造
URL http://www.niwachuzo.co.jp/
保有する生産設備と
スペック
高周波電気炉:3t×4基
生型無枠水平割り造型 自動注湯ライン:700x600x180~250/180~250[mm]×1ライン
610x450x130~220/130~220[mm]×1ライン 鋳仕上用バリンダー×12機
検査用ボアスコープ×32台
生産拠点エリア 国内 所在地:岐阜県関市のぞみヶ丘11番1
海外 所在地:Lot A 14-1,Centre Road,Da Nang,Hi-Tech Park,Hoa Lien commune, Hoa Vavg District,Da Nang City,Vietnam 
海外生産対応 可 対応可能エリア:東南アジア
主要な取引先 ボッシュ・レックスロス株式会社
KYB株式会社
株式会社クボタ
ナブテスコ株式会社
株式会社小松製作所
株式会社不二越
東京計器株式会社
油研工業株式会社
株式会社IHIターボ
本プロジェクトに
関する問い合わせ先
部署名
品質保証部技術課
社名 武山鋳造株式会社
所在地 〒454-0049 愛知県名古屋市中川区清川町3丁目1番地
電話番号 052-361-2221
社員数 95名 (男性  88名、女性  7名)
資本金 6,000万円
業種 金属製品製造業、輸送用機械器具製造業
事業内容 産業車両
自動車
繊維機械
鉄道車両鋳造部品製造
URL http://www.takeyama-foundry.co.jp/
保有する生産設備と
スペック
シェル中子成型機:2台
自硬性中子混錬機:1台
3T高周波炉:4基
水平無枠式造型機:2ライン
砂混錬機:4基
ハンガー式ショットブラスト:2基
エプロン式ショットブラスト:4基
CNCバリンダー:2台
生産拠点エリア 国内 所在地:熊本県菊池郡大津町大字大津187
海外生産対応 不可
主要な取引先 株式会社豊田自動織機
中央可鍛工業株式会社
三菱重工エンジニアリング株式会社
本プロジェクトに
関する問い合わせ先
部署名
管理部 業務G

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