2019年3月18日更新
機器の軽量化の決め手であるCFRP材料のレーザ切断・穴あけを高速化。 8m/min の速度を達成。自動車部品の高能率、高精度加工を実現した。
株式会社 最新レーザ技術研究センター
プロジェクト名 | CFRP等複合材料の高能率・高精度ハイブリッドレーザ加工技術の開発 |
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対象となる川下分野 | 自動車、航空機、産業機械 |
川下企業におけるニーズの対応 | 質量低減(小型化、軽量化など) 効率化(生産性・作業性の向上など) 環境配慮(不純物の除去や無害化、廃棄物削減、 CO2削減など) 低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など) 短納期化(リードタイム、工程の短縮など) |
上記ニーズに対する具体的な数値 | 1)1.2mm厚のCFRP材を8m/min の速度で切断可能。 2)アルミニウム合金と比べ 比強度が 3)切断寸法精度が∓10μmと高精度 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
事業化状況 | 補完研究中(完成に向けて現在研究中) |
対象としている素材 | CFRP等複合材料 |
- プロジェクトに至った背景・経緯
- 自動車産業や航空機産業の課題である燃費向上、強度向上、高硬度材料対応、新素材加工対応、CO2排出量の低減、信頼性向上、および一体部品・複雑形状部品加工対応に対して、CFRP材を高速、高精度にレーザ加工する加工装置の開発に関するものである。回折光学素子(DOE)を利用したビーム分岐・合成光学系を開発して、連続発振の高輝度固体レーザと合成することにより2mm板厚のCFRP部材を毎分2m以上の高速で切断できるレーザ加工装置を開発する。
事業化状況、規模 | 現在、事業化のための加工実験を大手自動車会社と実施中である。連続発振レーザによるCFRPの加工では図4に示すように、切断部の熱影響部に樹脂の黒化がおこり、この幅を50~100μm以下にする必要がある。 |
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事業化による効果 | 現在、3mm厚までのCFRPやGFRPを毎分4m~8mの高速レーザ切断するシステムが開発されている。 これを上述の産業分野に展開すると、輸送機器の定量化が可能になり、CO2の削減問題を解決する1手段として利用できる効果期待できる。 |
知財・広報活動 | この加工システムに関して、特許申請を国内で3件、中国で1件申請している。さらに、この10月にも1件出願する予定である。 広報活動としては、国際ウエルディング・ショーやTechBizなどの展示会に出展し、この技術を紹介している。 |
今後の見通し | 今後は、熱影響部幅の50μmか 100μm以下に低減できる方法について、考案、開発していく予定である。 |
当初の目標を踏まえた 上での達成度や 新たな課題 |
当初の目標であるハイブリッドレーザ加工システムの開発において、加工速度に限界があることが判明したので、レーザ加工システムを改造し、加工速度を達成目標の8倍まで改良できた。 ただ、加工品質の低下が生じたので、その解決を早急に行う予定である。 |
川下産業からの引き合い状況 (件数等、内容) |
大手自動車メーカーを含め、引き合いがあった。 |
事業管理機関 | (株)最新レーザ技術研究センター、岐阜大学 |
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法認定事業者 | (株) 最新レーザ技術研究センター |
アドバイザー | 酒井武治(名古屋大学) 大仲幸司(内浜化成(株)) 林淳(今井航空機工業(株) 後藤 吉孝(天龍コンポジット(株)) |
CFRP材料をレーザ加工する方法について、3種類の方法をH21より研究してきた。その結果加工速度をたて軸に、CFRPの板厚を横軸に棒グラフで示すと、桁違いにcw3kWSMファイバーレーザに3D高速スキャナーを搭載した加工システムでの加工速度が速い。
これを生かすには 熱影響部の黒化を防ぐことが重要な課題となる。この点について、補完研究で改善していく予定である。
研究開発成果等報告書(概要版): | https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/seika/2014/0403g.pdf |
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研究開発成果等報告書: | https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/seika/2014/0403h.pdf |
社名 | 株式会社 最新レーザ技術研究センター (法人番号:3180301016798) |
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所在地 | 〒446-0026 愛知県安城市安城町広美40-7 |
電話番号 | 0566-91-2281 |
社員数 | 5名 (男性 3名、女性 2名) |
資本金 | 500万円 |
業種 | 電気機械器具製造業 |
事業内容 | 最新レーザ加工技術の開発、受託加工 最新溶接技術の開発、受託加工 各種レーザ加工機の製造、販売 アーク溶接用給電チップの開発、販売 レーザ工芸品の製造、販売 |
URL | http://altrec.la.coocan.jp/ |
保有する生産設備と スペック |
3kWSMファイバーレーザ(3Dスキャナー付き) 500WSMファイバーレーザ 13Wナノ秒パルスYAGレーザ、20Wナノ秒パルスYAGレーザ 30Wナノ秒パルスYAGレーザ、150Wナノ秒パルスYAGレーザ 30WCO2レーザマーカー、25Wファイバーレーザ マーカー、各種アーク溶接機、 |
生産拠点エリア |
国内 所在地:愛知県安城市安城町広美40-7 |
海外生産対応 |
可 対応可能エリア:中国 大連 |
主要な取引先 | トヨタ車体精工、ナデックス、トヨタ自動車、日産自動車、 三菱重工、安城市役所、アイシンAW,ダイキン工業 |
本プロジェクトに 関する問い合わせ先 部署名 |
代表取締役 沓名 宗春 |
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