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プロジェクトの基本情報

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2019年3月18日更新

作業効率:50%UP!
ランアウト形成技術の開発!

旭金属工業 株式会社

プロジェクト名 航空機部材の耐摩耗性・耐食性を向上するHVOF溶射を用いた高効率なWC皮膜処理技術の確立
対象となる川下分野 自動車、航空機、エネルギー、産業機械
川下企業におけるニーズの対応 高機能化(精度・性能の向上など)
高耐久性(耐熱性、耐食性、耐摩耗性の向上など)
効率化(生産性・作業性の向上など)
環境配慮(不純物の除去や無害化、廃棄物削減、 CO2削減など)
低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など)
上記ニーズに対する具体的な数値 耐久性向上!
脱クロム!
事業実施年度 平成22年度
事業化状況 事業化済み(すでに販売実績あり)
対象としている素材 チタン合金、鉄系、ステンレス系

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯
クロムメッキが高強度・高機能の複雑形状部品に適していることから多用されてきたが、ボーイング社のB787機や開発中である三菱重工業社のMRJ機では、環境負荷低減のために代替技術であるHVOF溶射が適用されることになり、その技術の確立が急務となっている。この溶射技術は、複雑形状と厳しい寸法精度への対応および生産性向上による低価格化が決め手となる。こうした状況下、手仕上げで対応しているランアウトを溶射のみで形成するための新たな溶射技術を開発し工程削減を図りつつ、安定した皮膜形成技術及び品質の向上とコスト低減を同時に実現する技術開発を検討した。
研究開発のポイント
HVOF溶射は耐磨耗性が要求される部位を対象に、ロボット操作の溶射ガンを通して、パレットチェンジ機能を備えたワーク台の位置と角度を変ることにより、複雑形状なワーク外表面に溶射皮膜を形成させることができる高効率・高精度な溶射技術開発がポイントである。  
即ち、応力集中による皮膜のはく離防止の観点から、航空機の溶射適用部品の多くには厳しい寸法精度が指示されてきており、中でもランアウト形成に関しては、これまで手作業による仕上げ研磨作業が行われていたが、この工程を省いて、ロボットによる溶射のみで作業を完了できる技術を確立する。
研究開発の具体的な成果
・パレットチェンジシステムではこれまで段取り方法をブース内からブース外での段取りに改善することで稼働率を平均1.6倍にすることができた。
・ランアウト(皮膜の徐辺区間)形成技術ではこれまで0.440~0.660㎜だったものを1㎜以上の長さにすることができた。即ち、溶射皮膜と母材との境界面が90°近くになると境界部分に応力が集中し皮膜は剥がれやすい状況になる。そこで、ランアウトの距離を長くすることで溶射皮膜と母材の角度が鋭角になり、滑らかに膜厚を形成することで境界部分での応力集中を低減し、溶射皮膜の剥がれを抑制することができる。

利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
航空機分野ではランアウトの要求が一般的になってきたため、航空機部品のシリンダーピンやフラップレールなど荷重がかかる製品や耐摩耗性の要求がある製品に適用されるようになってきた。また自動車部品では絶えず駆動しているエンジンのシリンダー、産業機械ではギヤ関係、エネルギー関係ではタービンの羽など、駆動部分で荷重がかかる部分や耐摩耗性を要求する部分に適用することで、それぞれの製品の寿命を延ばすことができるようになると考えられる。

事業化への取り組み

事業化状況、規模 現在、まだまだ課題達成が困難であり事業化することが出来ていません。しかし国内外問わず引き合いは数多くあります。補完研究を通して事業化出来るように進めている。
事業化による効果 国内外問わず引き合いが数多くあるため、事業化による効果は航空機関係だけでなく、今後の溶射技術の需要から考えると他の分野への波及効果もあるのではと考えている。
知財・広報活動 特許取得なし
今後の見通し 航空機部品については、ROHS規制等の動きから、脱クロムの流れとして環境負荷の少ない溶射技術が高い注目を集めている。
 こうした状況下、B737、GX、ERJ機種をはじめB787、MRJなど新規開発している次世代航空機においては溶射による適用部品が今後増加する。それにより航空機を所有するJAL、ANA等の航空会社でのHVOF溶射部品の修理品も増加することが考えられる。また自動車産業や産業機械、エネルギー関係でも部品の延命をさせられることから、今後溶射技術の重要性はますます高まる見込みである。
当初の目標を踏まえた
上での達成度や
新たな課題
・HVOF溶射は耐磨耗性が要求される部位を対象に、ロボット操作の溶射ガンを通して、固定したワーク外表面に皮膜形成させていたが、本研究開発ではワークそのものの位置・角度を変えて高効率・高精度な溶射を行う溶射技術として、パレットチェンジ構造を導入し、溶射位置再現性及び溶射工程に関する位置決め精度を向上させるとともに、溶射装置稼働率の向上を図った。しかし目標値の稼働率にまだ達していないため、引き続き治具の取付構造や操作性の検討を行う。
・応力集中による皮膜はく離防止の観点から、溶射適用部品の多くには、寸法精度を満足するようなランアウトの要求が一般化してきている中、これまで手作業による研磨作業によってランアウト形成を図っていたが、低コスト化を維持しながら均一な皮膜成形を確保するため、本研究開発において溶射のみにより寸法精度を実現するランアウト形成技術の確立を図った。コの字形状の部品でコの字の奥側は上手くできているが手前側が上手く形成できなかった。また断面上では良い結果が得られたが、長手方向では要求値を外れている箇所もあった。今後は手前側や長手方向に対する治具やプログラムの方法を検討し、課題達成に繋げていく。
川下産業からの引き合い状況
(件数等、内容)
国内外から溶射のみならず一貫生産(材料購入-溶射)の引き合いが来ている。

研究開発の体制

事業管理機関 公益財団法人 岐阜県産業経済振興センター
法認定事業者 旭金属工業 株式会社

PRコメント

本研究開発では、航空機部材の溶射加工においてパレットチェンジシステムの導入とランアウト形成技術の確立により加工品質の向上を図ってきました。
得られた溶射技術の成果は、川下事業者の支援を仰ぎつつ世界の航空機メーカーへの販路拡大と溶射技術の高度化を推し進めながら、本特殊工程の適用部品の拡大を図っていくことが必要です。
本研究開発の成果をアドバイザーでもある主要取引先の三菱重工業 株式会社、川崎重工業 株式会社及び 株式会社 島津製作所に提供するとともに、各メーカーの協力会社等に広く情報提供することにより、協力会社等における溶射技術の高度化及び経済性の向上を通じて、各メーカーの国際競争力が強化され、国際市場におけるシェア拡大を図ることが可能です。
 弊社は、日本で初めてNadcap(Coating)を取得した企業であり、こうした地位も活用しながら海外メーカーに直接受注活動を行い、機械加工からの一貫生産を目指し取り組んでいます。

事業の参考となるサイト

研究開発成果等報告書: https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/seika/2010/22h-159.pdf
ホームページ: https://www.akg.co.jp/
「ものづくり日本大賞受賞」youtube(プロセス技術部部長 辻本): https://www.youtube.com/watch?v=pKPPHAAZoxQ
旭金属工業紹介Youtube: https://www.youtube.com/watch?v=WO5nSaYf0dk

企業情報

社名 旭金属工業 株式会社
(法人番号:7130001002439)
所在地 〒602-8176 京都府京都市上京区下立売通智恵光院西入ル下丸屋町503番地
電話番号 075-801-0151
社員数 345名 (男性  303名、女性  45名)
資本金 99,500千円
業種 輸送用機械器具製造業
事業内容 航空宇宙機器部品・新エネルギー関連機器部品等の機械加工、非破壊検査、表面処理加工、塗装、組立
URL http://www.akg.co.jp/
保有する生産設備と
スペック
・横型5軸マシニングセンター ・ショットピーニング装置・自動アノダイズ処理設備およびその他各種めっき設備・自動塗装設備 ・三次元測定機 ・磁気探傷検査装置 など
生産拠点エリア 国内 所在地:京都府京都市、岐阜県安八郡安八町
海外生産対応 可 対応可能エリア: 
主要な取引先 三菱重工業 株式会社、川崎重工業 株式会社、株式会社 島津製作所、富士重工業 株式会社、横浜ゴム 株式会社
本プロジェクトに
関する問い合わせ先
部署名
生産本部 プロセス技術部
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