2019年3月18日更新
3D-CAD/CAE/CAMによる一気通貫での
仮想試作・検討による工程設計を可能とし、
部品立ち上げの短縮化と部品仕上げを極小化
寿金属工業 株式会社
プロジェクト名 | 鋳放し高精度を有するアルミニウム合金ダイカスト鋳造品の生産技術の開発・確立 |
---|---|
対象となる川下分野 | 自動車、産業機械 |
川下企業におけるニーズの対応 | 高機能化(精度・性能の向上など) 質量低減(小型化、軽量化など) 効率化(生産性・作業性の向上など) 信頼性・安全性(信頼性の高い検査技術の実現など) 低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など) 短納期化(リードタイム、工程の短縮など) |
上記ニーズに対する具体的な数値 | シミュレーションによる鋳造品の変形予測および金型の熱変形予測 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
事業化状況 | 事業化済み(すでに販売実績あり) |
対象としている素材 | 二輪・四輪自動車用アルミニウム鋳物部品、産業機械鋳物部品、電気関連鋳物部品 |
- プロジェクトに至った背景・経緯
- 自動車産業では、環境問題、安全問題の対応から車両の軽量化、あるいは国際競争力確保の点からコスト低減が求められている。このため、高品質で信頼性が高く、コストを低減したアルミニウム部品の開発、あるいは生産技術の開発が求められている。
- 研究開発のポイント
-
高精度な金型温度計測及び製品と金型の高精度な3D計測を基に、CAEによる変形シミュレーション及び予測の精度を向上させた。
また、従来技術のマイクロカプセル型に代わり、切削屑の捕捉機能の付与は、アクリル系特殊粘着剤をベースとした樹脂の開発により、安価でゆるみ防止と切削屑の捕捉を両立することに成功した。さらに自動化装置の開発により生産性の向上も果たした。
- 研究開発の具体的な成果
- 3D-CAD/CAE/CAMによる一気通貫での仮想試作・検討による工程設計を可能とし、部品立ち上げの短縮化と部品仕上げの極小化を可能とした。これにより、自動車の軽量化と後工程の機械加工の削減による製造コストの削減に寄与できる。
- 利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
-
二輪・四輪自動車用アルミニウム鋳物部品、産業機械。
ダイカスト鋳造品の歪・変形等の現状解析。
高精度な金型温度計測、高精度な3D計測。
事業化状況、規模 | 1.ダイカスト鋳造品の歪・変形等の現状解析 2.高精度な金型温度計測 3.高精度な鋳造品、金型の3D計測 |
---|---|
事業化による効果 | 1.自動車部品の軽量化への寄与 2.機械加工を極小化した自動車部品の提供を可能とし、製造コストの削減に寄与 上記の技術力を評価いただき、新たな引き合いへとつながっている。 また、社員、特に若手の技術力向上となった。 |
知財・広報活動 | 本研究開発成果を特許出願あるいは学協会へ論文発表、講演発表するとともに、展示会において本技術をPRした。 |
今後の見通し | 本研究成果は比較的簡単な板状のダイカスト鋳造品に展開可能で、従来の本形状の汎用品の高精度化、低コスト化に寄与できる。 まずは国内における拡販を進め、将来的には海外展開もできればと考えている。 また、新規の市場にもこの技術をもって参入していきたい。 |
当初の目標を踏まえた 上での達成度や 新たな課題 |
当初の目標は達成できた。 今後、EV/EHV等で要求される箱型ダイカスト鋳造品に対しても、本開発成果の横展開を進めていく。 |
川下産業からの引き合い状況 (件数等、内容) |
本開発成果について、川下企業技術・調達部門からのプレゼンテーション依頼等、技術的な関心がが多く寄せられている。 当事業における技術を活かした製品の作成依頼もきている。 |
事業管理機関 | 寿金属工業 株式会社 |
---|---|
法認定事業者 | 東海精機 株式会社 |
研究実施機関 | 東海精機 株式会社 国立大学法人 岐阜大学 名古屋市工業研究所 |
アドバイザー | 株式会社 豊田自動織機 平野 主査(当時) 産業技術総合研究所 三輪主観研究員(当時) |
弊社のダイカスト鋳造技術は、平成19年には愛知ブランド企業の認定、平成21年には素形材産業貢献表彰において経済産業大臣賞を受賞するなど、業界でも高い評価を得ており、試作段階から金型設計、鋳造、後処理、評価、品質保証までの一貫生産・一貫体制にて顧客ニーズに対応しています。
また、石膏鋳造、砂型鋳造、金型鋳造、ダイカスト鋳造等の多彩な工法とその選定、或いは多種多様な材質にてお応えすることができます。
当事業における技術で、3D-CAD/CAE/CAMによる一気通貫での仮想試作・検討による工程設計を可能とし、部品立ち上げの短縮化と部品仕上げの極小化が実現できます。
社名 | 寿金属工業 株式会社 (法人番号:2180301015215) |
---|---|
所在地 | 〒445-0892 愛知県西尾市法光寺町北山1番地 |
電話番号 | 0563-56-3551 |
社員数 | 319名 (男性 224名、女性 95名) |
資本金 | 6,600万円 |
業種 | 非鉄金属製造業 |
事業内容 | 二輪・四輪用自動車、舶用及び産業機械用アルミニウム鋳物部品、ダイカスト鋳造、重力金型鋳造、砂型鋳造、石膏鋳造 |
URL | http://www.kotobukikinzoku.co.jp/ |
保有する生産設備と スペック |
ダイカストマシン:125T~800T 重力金型鋳造機:傾斜鋳造方式 自硬性鋳造設備:1ライン モールディング鋳造設備:1ライン 石膏鋳造設備:1ライン |
生産拠点エリア |
国内 所在地:愛知県西尾市、碧南市、岐阜県関市 海外 所在地:タイ国シンブリ県 |
海外生産対応 |
可 対応可能エリア:タイ国 |
主要な取引先 | 株式会社 デンソー、ヤマハ発動機 株式会社 |
本プロジェクトに 関する問い合わせ先 部署名 |
寿金属工業 株式会社 開発技術室 |
おすすめのページ
-
- ・鉛フリー銅合金の減圧凍結システムによる低コストで無公害な鋳造技術の開発
- 軽い! 安い! クリーン! な鋳物の開発 省資源、省エネルギー、産業廃棄物ゼロの鋳造システム
-
- ・酸化亜鉛単結晶ナノチューブの低廉な量産技術の開発
- ナノサイズのスペースを利用可能とした、 夢を拓かせる材料です。
-
- ・ホットプレス法によりCFRP製三次元大型形状品の高精度、高効率成形を可能とする、低熱歪み金型の開発
- 金型の製作時間が従来の22%! 低入熱・低歪レーザ・アークハイブリッド溶接法