2019年3月18日更新
ソフトウエアによりガス燃焼を制御するプリミックス型ターボジェット方式の実用化で厨房の省エネ化を実現
アタム技研 株式会社
プロジェクト名 | 組込みソフトウエアによる燃焼の省エネルギー化技術の研究開発 |
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対象となる川下分野 | エネルギー、その他(産業機械、業務用厨房機器) |
川下企業におけるニーズの対応 | 質量低減(小型化、軽量化など) 効率化(生産性・作業性の向上など) 低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など) |
上記ニーズに対する具体的な数値 | 燃焼制御ソフトウエアの開発に成功 水槽の液体加熱のモデル試作機で、従来方式の2倍近い極めて高い熱効率を達成 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
事業化状況 | 補完研究中(完成に向けて現在研究中) |
対象としている素材 | ステンレス製の容器を通しての各種液体 食品、炉材、各種金属等 |
- プロジェクトに至った背景・経緯
- 業務用ガス厨房機器市場では、現状のガス燃焼用バーナでは十分な省エネ・省資源化が難しく、熱効率の高いガス燃焼・伝熱システムが求められているが、ガス燃焼方式の従来技術では、被加熱面の周囲には、断熱性境界空気膜が存在しており、熱利用効率はかなり低い値に抑えられているのが実態であり、これを引き上げるには、熱交換器を付設する必要があった。しかし、これができない用途・場所については、かなり低い熱効率のままでガス燃焼バーナを使用せざるを得ない状況にあった。
- 研究開発のポイント
- そこで、ガス燃料の短炎での完全燃焼により発生した高温の燃焼排ガスを、多数の噴出口を有するジェット噴出体により、被加熱面に噴出させ、衝突させることにより、断熱性の境界空気膜を破壊し、局所的に通常の熱伝達の数十倍の熱伝達性能を得る「プリミックス型ターボジェット燃焼・伝熱システム」を業務用、工場用の広範囲な分野への適用を計画したが、この全く新しいシステムの空燃比制御をはじめ高度な制御技術等には多くの諸課題があった。そこで、これらの諸課題を全て解決するための、バーナ本体の構成・材質開発も併せた空燃比制御用ソフトウエアの開発が必要であった。
- 研究開発の具体的な成果
- まず第一に、空燃比制御の追随性の向上、緩点火と燃焼共鳴音制御及びサーモカップル式の過熱防止センサーによる空燃比の補正制御等に関するソフトウエアの開発により、必要な燃焼制御ソフトウエアの開発に成功した。次に、燃焼良好域拡大と耐熱耐久性向上のための新型バーナの製作と各種改良試験により、バーナユニットとしての燃焼性能と熱伝達性能の完成度が一層向上した。これらの成果として、評価用試験装置においてセラミックス型バーナユニットで約67%、ステンレス型バーナユニットで約63%の、当初目標を達成する高い熱効率を得た。
- 利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
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本開発方式の適用・利用先として見込める分野・製品は以下の通りである。
・空気調和装置 ・燃料電池のガス改質器 ・各種化学反応塔 ・液体加熱装置 ・ 厨房機器 ・解凍装置 ・コンベア型焼き物・加熱装置 ・熱処理のための工業用加熱炉 ・熱処理のための工業用乾燥炉 等
知財・広報活動 | ・本技術の基本特許はすでに登録を得ているので、今後は、この技術の適用方法に関する発明事項を出願して行く考え ・広報活動としては、中部ものづくり基盤技術展(2013)に出展しPRを実施 ・中小機構で計画のWebマッチングサイト「J-GoodTech」に応募して、広範囲で効率の良い広報活動を実施予定 |
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今後の見通し | 現在、弊社独自の事業化対象である業務用食器洗浄機用の「洗浄液加熱ユニット」の事業化を目指して補完研究を行っている。 今後更に広報活動を通じて、特にコンベア型焼き物・加熱装置や熱処理用設備の加熱装置あるいは乾燥装置としての適用を目指していきたい。 |
事業管理機関 | アタム技研 株式会社 |
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法認定事業者 | アタム技研 株式会社 |
研究実施機関 | アタム技研 株式会社 |
本プロジェクトは、弊社創業時から保有していた「ガス燃焼技術」をベースに、大幅な省エネ化を実現し得る画期的なアイデアを付加した新方式の技術的な課題項目を、一気に解決すべく挑戦させていただいたものです。この成果は、以下のように、従来の燃焼バーナにはない大きな特長を有しています。
・従来方式のバーナの2倍近い高熱効率を得ることができ、大幅な省エネ化と環境負荷低減を実現。
・熱交換器を導入しない平面加熱でも、高い熱効率を得ることができる。
・従来方式のバーナに比べると、イニシャルコストではある程度アップすることは避けられないが、熱効率の引き上げ幅が大きいので、このイニシャルコストの差額を短期間で軽く帳消しにするほどの、ランニングコストの大幅な低減が可能である。
社名 | アタム技研 株式会社 (法人番号:8180001015996) |
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所在地 | 〒460-0007 名古屋市中区新栄三丁目8番31号 宮崎ビル1F |
電話番号 | 052-263-3151 |
社員数 | 24名 (男性 19名、女性 5名) |
資本金 | 3,500万円 |
業種 | 電気機械器具製造業 |
事業内容 | 業務用ガス給湯器、特殊ストーブの製造・販売、福祉・介護用品の自動洗浄・除菌・乾燥機の製造・販売 |
URL | http://www.atam.co.jp/ |
保有する生産設備と スペック |
燃焼機器の試験評価に必要な各種計測機器類一式、電子制御開発のために必要な各種耐性評価試験装置、ガス燃焼機器用の試験評価ガス製造装置 |
生産拠点エリア |
国内 所在地:愛知県丹羽郡扶桑町小渕宮東の切915-1 |
海外生産対応 | 不可 |
主要な取引先 | 大手業務用厨房機器メーカ各社 |
本プロジェクトに 関する問い合わせ先 部署名 |
開発・技術部 |
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