2019年3月18日更新
EVのパワートレーン制御ソフトウェア、及びその開発キットと標準化された評価ツールの提供
タウンEV株式会社
プロジェクト名 | タウンユースEVに最適なパワートレーン制御システムの開発 |
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対象となる川下分野 | 自動車 |
川下企業におけるニーズの対応 | 効率化(生産性・作業性の向上など) 信頼性・安全性(信頼性の高い検査技術の実現など) 低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など) 短納期化(リードタイム、工程の短縮など) |
上記ニーズに対する具体的な数値 | ・開発キットによるEVの効率的な開発 ・ISO26262に基づく開発プロセスによる信頼性と安全性の確保 ・開発キットによる低コスト、短納期なEV開発 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
事業化状況 | 実用化済み(完成はしているが販売実績はなし) |
対象としている素材 | タウンユースEVに最適なパワートレーン制御システムの開発にかかるものであり、特定の素材を対象とはしない。 |
- プロジェクトに至った背景・経緯
- タウンユースとして潜在的ニーズが極めて高い、モータ出力0.6kW以上10kW未満(原付ミニカー以上軽自動車未満:タウンユースEVと定義)の領域は開発が進んでいない。また、自動車を開発するには、パワートレーン構成部品を始めとして多くの構成部品の摺り合わせがハードウェア・ソフトウェア共に必要であり、特に関連する中小企業からの参入障壁が高くこの分野の研究開発が進んでいない状況であった。このような状況を打開すべく、タウンユースEVに最適なパワートレーン制御システムを開発すると伴に、安心走行の前提となる高精度残走行距離表示システムの開発を行うこととした。
- 研究開発のポイント
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タウンユースとしての最適パワートレーン諸元を明らかにすると伴に、ISO26262要件をベースとしたタウンユースEV制御プラットフォームの諸元を決定し、パワートレーン主構成要素(コンポーネント)であるモータシステム,バッテリ等をシステムベンチに組込み制御システムの開発を行った。
また、パワートレーン各構成要素の諸情報をベースにバッテリ使用情報との関係から、精度の高い残走行距離推定演算アルゴリズムを開発し、目標精度の目途を得た。
更に、タウンユースEVに典型的に求められる動力性能に基づき、タウンユースEV用モータシステムの開発試作を行い、所期性能の確認を行った。
- 研究開発の具体的な成果
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入手可能なコンポーネントの組み合わせに基づくパワートレーン制御システムを開発し、システムベンチ上での動作検証を行うと伴に、軽自動車をベースとする実走行模擬車両を完成した。本開発過程における開発手順を整備標準化し、ディベロップメントキットとして整備した。
残走行距離表示システムは開発目標コストを達成すると伴に、大規模なシステムを要しない新たな残走行距離算出アルゴリズムの開発により、実走行下において目標精度の目途を得た。
以上の成果の下に、目的に応じミニカーから超小型モビリティ、更には軽自動車に対応するパワートレーンコンポーネントと制御プラットフォームを組み合わせたEV標準キット販売の目途を得た。
知財・広報活動 | 特に、特許等の取得はしていない。 関連展示会への出展や各地で小型EVの開発を手掛けている中小企業・ベンチャー企業に情報提供と協業を適宜提案している。 |
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今後の見通し | タウンユースEVは、国が新しい車のカテゴリとして認可基準の検討を進めている「超小型モビリティ」に主に分類されるが、この規格とその策定スケジュールはやや不透明な状態であり、現状は各地域自治体が主導する実証実験レベルにとどまっている。従って、域内走行が中心の軽自動車コンバージョンEVや低速EVバス市場への取り組みも図りつつ、並行して「超小型モビリティ」市場形成に即応できる準備を進める。 |
当初の目標を踏まえた 上での達成度や 新たな課題 |
当初目標とした、タウンユースEVとして定義したEVの最適なパワートレーン制御システムは、精度の高い残走行距離表示システム開発を合わせ完了した。課題は、「超小型モビリティ」市場形成の前提としての規格化が未だなされていないと言うことであるが、想定される規格(L6,L7)を踏まえた超小型モビリティや上記記載の軽自動車コンバージョンEV、低速走行EVバスなどを開発している企業へ、「超小型モビリティ」対応開発プラットフォームの提案を行っていく。 |
川下産業からの引き合い状況 (件数等、内容) |
①2人乗り超小型モビリティ(L7相当)のEV・ECU及び電池システム、モータシステムの引合い・・3件 ②低速EVバス向け、パワートレーン等の全体を制御するEV・ECU及び電池システムの引合い・・1件 |
事業管理機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 |
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法認定事業者 | タウンEV株式会社,余合ホーム&モビリティ株式会社 |
研究実施機関 | イブリダセル株式会社,国立大学法人名古屋工業大学,学校法人芝浦工業大学 |
EV開発は多くのハード・ソフトの摺り合わせが必要であり、膨大なコストと工数を必要とするとともに、クルマという高い安全性・信頼性が要求されることから、特に中小企業にとっては参入障壁の極めて高い事業分野である。本研究開発では、多様なタウンユースEVを構築することが可能な制御プラットフォーム(EV・ECU)を実現しており、タウンユースEVを容易に実現する環境を提供する事ができる。且つソフトウェア開発プロセスにおいてISO26262の手法を援用しており、高い信頼性と安全性が実現されている。また、開発ディベロップメントキットおよび車両完成後の評価ツールがパッケージで提供され、従来数千万円を要するEV・ECUの開発コストの大幅な低廉化を可能とする。
社名 | タウンEV株式会社 (法人番号:6180001100313) |
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所在地 | 名古屋市中区栄二丁目2番17号 名古屋情報センタービル4階 |
電話番号 | 052-265-7785 |
社員数 | 9名 (男性 7名、女性 2名) |
資本金 | 2,635万円 |
業種 | 輸送用機械器具製造業 |
事業内容 | ニーズにジャストフィットする電動モビリティ及びその関連製品の企画・開発・生産・販売・アフターサービスのプロデュース |
URL | http://www.town-ev.jp/ |
生産拠点エリア |
国内 所在地:愛知県豊田市 |
主要な取引先 | トヨタ自動車株式会社,パナソニック株式会社 |
本プロジェクトに 関する問い合わせ先 部署名 |
タウンEV株式会社本社(名古屋) |
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