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サポイン好事例

アモルファス金属材を用いた
新方式超高感度磁気センサの量産技術確立と用途探索

フジデノロ株式会社

事故を未然に防ぐ磁性体検知の技術

新方式の超高感度磁気センサシステムを開発

1970年に創業して以来、戦後初の国産旅客機・YS-11のアクリル製加工など産業用プラスチックの精密加工で、業績を伸ばしてきた同社。樹脂素材や精密加工の技術力をもとに、近年では、産業機械のみならず、アミューズメント、インテリア、医療、ヘルスケアの分野でも、最先端のモノづくり技術が応用されている。
研究開発に使われたアモルファス金属は、超急冷することで得られる非結晶の金属。原子が非晶質で方向性がないため磁気的性質に優れ、保磁力が非常に小さいという特徴を持っており、高感度磁気センサに最適な素材として注目を浴びている。
しかしながら外部の磁界によってインビーダンス(電気抵抗値)が大きく変化するのがMI効果と呼ばれるものだが、電気的には扱いにくくノイズ源となって分解能を悪化させているので、構造を変えて分解能向上を検討しようとサポインをスタート。ところが、複雑化した構造が必要になるため安定した量産化が難しいという結論となり、それに代わる新しいアイデアが必要となった。
なかなか解決の糸口が見えないまま、センサ構造や素材の検討を重ねる日々だったが、ある時「ブレイクスルーが起きて」、非常にシンプルな構造と新材料でより高性能な磁気センサを作ることに成功。このセンサはヒステリシスノイズが1/10以下、磁気計測範囲が3倍程度向上、さらに環境温度変化にも強く、今度の幅広い用途で製品開発が期待されている。
頻発する吸着事故を防止する新商品「MAGGUARD-H」

これらの研究によって得た超高感度磁気センサシステム「iMus(イムス)」を使って制作されたのが、ハンディタイプの磁界検知器「MAGGUARD-H」だ。
同社では、病院のMRI室の前室に置く磁性体検知器をMAGGUARDシリーズとして展開している。検査で使われるMRI装置は、強い磁力を持つがゆえに、国内では年間約200件もの吸着事故が発生。磁気製品のうっかり持ち込みを防ぐために開発されたのがMAGGUARDシリーズである。
新開発の「MAGGUARD-H」は、患者の体表のそばに近づけ動かすだけで、金属探知機では検知が難しいヘアピンやクリップなどの微小な磁性体の検知と位置の特定が可能。また、車いすやストレッチャーに乗った患者に対して、容易にスクリーニングできることもこの製品の大きなメリットである。
特筆すべきは「取り扱いが簡便な設計」「美しく機能的なデザイン」であることだ。製品化に必要なのは、開発で得た高い技術をこのように魅力的な設計デザインにまで落とし込むことだろう。
高感度磁気センサは人々を危険から守る技術

ちなみにこの磁性体検知器は、医療現場だけでなく、危機管理の面から空港や駅、イベント会場など人の多く集まる施設で注目されている。危機管理産業展(RISCON TOKYO)では、約60団体から問い合わせがあったとか。これから必要になる技術として、大きく成長するに違いない。

事業化&マッチング成功のポイント

◆自社開発では難しいことも思い切りよく挑戦できたこと
開発には莫大な資金が必要のため、自社開発の場合は失敗するかもしれないことには手を出さないことが多い。公的資金を活用させてもらうことによって、頭では描きながら自社では手の出なかった挑戦も思い切って実行することができた
◆中間報告などを行い柔軟に対応しながら進められた
2年目までは結果が出ないことの連続で、解決できそうになかったが、偶然にも糸口を見つけることができた。成功だけでなく失敗もひとつの事例として公表すべきだろう
◆コミュニケーションを頻繁に行いよりよい関係を築いた
共同研究を行った名古屋大学とは頻繁に会合や実験などをともに行い、コミュケーションを図った。パートナーとして良好な関係を築くことが重要

活用のためのアドバイス

取締役 技術開発部 部長   宮崎 秀樹さん
「社会の役に立つ商品を作りたい」と日々モノづくりに没頭している私たちですが、一企業にとって開発には多くの費用や時間がかかるために、失敗する可能性のあることには挑戦しにくいものです。しかしサポインを活用させていただくことで、失敗を恐れず進めることができ、次なる課題も事業展開も夢も描くことができました。開発はくじけそうになることばかりで計画通りに進められないこともありますが、そんな時は当初の計画を修正しながら、進んでいけばいいと思います。思った以上の成果は得られると思いますよ。

紹介動画

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