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サポイン好事例

健康管理機器として電気インピーダンス装置に利用できる
繊維電極付き伸縮性ベルトの開発

竹中繊維株式会社

ウェアラブル市場に対応するEITベルトを開発

医療現場で注目の繊維電極技術

石川県の中部に位置するかほく市は、繊維資材のまち。かつては景気のよかった繊維産業も中国との競争激化の影響を受け、斜陽産業となりつつある。しかし、同じ土俵で勝負しないやり方で飛躍する会社がある―それが、竹中繊維株式会社だ。
当社は、インナー、スポーツウエア向けのゴム入り細幅テープを製造。染色加工した細幅テープ、サポーター用のボーンテープなど9件の特許を持つ開発主導型の企業である。
 今回開発したEITベルトは、医療現場で使う画期的な製品だ。EITとは、体表に貼り付けた電極対から生体に微弱な電流を流し、生じた電圧を測ることで生体内部のインピーダンス変化を画像化する技術のこと。
一般的に肺疾患の診断は、X線CT撮影を使って行われる。
しかし、この方法は、X線被曝の恐れがあり、また撮影をするその瞬間の状態しか撮影できない。そこでX線被曝の恐れがなく、長時間のモニタリングが可能なEITに注目。高価で、施術側の技術の習熟を必要とする従来型ではなく、安価で、誰でも簡単に装着しやすいベルト型の測定機器を開発するに至った。
まだ「ウェアラブル」という言葉も一般的でない頃の話だが、直感的に面白いと感じたという竹中社長。「そのために整えなくてはならない設備面を考えると、企業としては手が出せない。それでもこの開発が人命救助の手伝いになるならとても意義のあること」と、サポインを利用し、事業化を見据えた研究開発をスタートしたのだった。
健康を目的とした健康管理機器へ発展

ところが、開発をはじめてほどなくして、導電性繊維は糸表面に金属皮膜加工が施してあるために加工そのものが難しく、想定していた仮撚加工方法では不可能とわかる。繊維製造元、仮撚加工工場とも話し合いながら加工方法を模索し、何度も試作を繰り返したが、なかなかうまくいかなかった。
窮地を救ったのは、竹中繊維の真骨頂ともいえる、ファッションからの着想だ。糸の柔らかさや風合いを極力残しながら、ゆったりとした立体構造にする、というアイデアがブレイクスルーにつながった。「正確に計測するために、たくさんの導電性繊維を使用する必要があります。しかしその一方で、コスト低減を実現させつつ、快適な装着感も担保しなければいけません。性能とコストを両立させるバランスが難しかったですね」。
その効果を目の前で見たのは、医療現場での臨床試験だ。肺疾患患者に対し、EITベルトを装着し測定してもらったところ、専門医からは「一刻一秒を争う医療現場では、このようにスピーディに簡単に扱える機器は非常に助かる」と高評価を得た。また、肺のインピーダンス変化分布をリアルタイムに捉えられるため、肺密度や肺気量をサーモグラフィのように可視化でき、画像を確認しながら施術できるという大きなメリットがあった。
大きな手ごたえや反響を得た開発であったが、医療機器は医療認可や販路に大きな課題があるため、事業化は慎重に行っている。しかし、ウェアラブル市場が飛躍的に拡大している中、健康を目的とした健康管理機器としては、多くの川下企業から声がかかる状況だ。「それぞれの現場で求められるものが違うので、企業によってニーズに合った開発が必要になりますが、サポインで得た繊維電極のノウハウをさらに精度を高めていきたいですね」。
時流の流れを先読みして、果敢に攻める若き二代目社長の手腕に注目が集まる。

事業化&マッチング成功のポイント

◆異業種の人と組むことでマーケットのニーズを捉えられた
お互いの知見を活かせば、新しい着想もしやすい。世の中にないものを作り出すことが大きなモチベーションとなった。
◆研究テーマが業界として先駆けの分野だった
「ウェアラブル(装着型のコンピューター搭載機器)」の言葉も一般的でなかった時代に、医療分野と繊維分野をかけあわせる革新的なアイデアがあったこと
◆どこが主導というわけでなく、進められた
どこか1か所だけが主導で進めると、それ以外の企業や人は受け身となってしまうもの。常に顔を突き合わせて話し合いをして、関わる人たちが皆同じ熱量で研究開発をすることが大事。

活用のためのアドバイス

代表取締役社長 竹中健さん
サポインは、研究開発をする前が非常に重要です。他企業に先駆けるような最先端技術の構築をするには、企業のストロングポイントにそったテーマにする必要があります。また、その際には他のテクノロジーの動向などできるだけ多くの情報をリサーチしておくこと。3年経ったら、ニーズが変わっていた、もっといい別の技術が出てきた…となっては、せっかくの研究が無駄になってしまいます。私たちのサポイン期間は終了しましたが、今も共同研究を行った人や企業とは良好な関係を続けており、新しい取り組みもはじまっています。サポインは、企業の視界を広げるきっかけとなるので、ぜひ応募してみてください。

紹介動画

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