「エネルギー消費量のデータを算出し
生産性向上によるエネルギー消費量の削減を優先して取り組む」
住所:三重県津市一志町田尻428-1
事業の概要
○食品をお菓子にする」をコンセプトに、久居工場、井関工場で1日2万トンのお菓子を生産。
○工場におけるエネルギー消費量のデータを算出し、年間1%のエネルギー原単位を削減していく目標を立てて工場のエネルギー削減方策を検討し、優先順位を付けて実行。
○CO2排出量の削減に関しても、太陽光パネル設置、東北方面の輸送をモーダルシフト転換なども実施している。
○太陽光パネルの設置により、工場全体の約20%程度を発電する見込み。生産性向上によるエネルギー消費量の削減を優先して取り組んでいく。
省エネ取組の主な概要
袋詰め装置を増設し、食品が流れてくるベルトコンベアにつなぐ袋詰め装置を変えるだけで包装紙の切替ができるように運転方法を改善。
工場における太陽光発電の導入とパネル増設を3期に分けて設置。
合計800kWの発電量(工場全体の約20%に相当)を確保する見込み。
太陽光発電設備
省エネ取組による省エネ効果
各取組での効果
※太陽光発電の導入とパネル増設によるクリーンエネルギー活用
発電量: 合計800kWの発電量(工場全体の約20%に相当)
担当者インタビュー
株式会社おやつカンパニー
常務執行役員 人事総務部長 島田 明典 さん(左)
製造本部 技術部 部長 竹野下 等 さん(右)
エネルギー消費量のデータを算出し、エネルギー削減方策の検討を進める。
おやつカンパニーは、「食品をお菓子にする」をコンセプトに、ベビースターラーメンをはじめ、1日2万トンのお菓子を生産し、アイテム数は300近くに及びます。現在、三重県津市にある久居工場と井関工場と、主に海外販売分を生産する台湾工場の3つの工場があります。
省エネ法に沿って年間1%のエネルギー原単位を削減していく目標を立てて、工場のエネルギー削減方策を検討し、優先順位を付けて実行しています。
生産性向上によるエネルギー消費量の削減を優先して取り組む。
まず、各工場において、設備の自動化などで生産効率を向上させ、エネルギーや材料の原単位を減らすなど、生産性向上によるエネルギー消費量削減を優先して取り組んでいます。
例えば、空調の動力の一部を電気からガスにすることのほか、台湾工場では蒸気回収エネルギーの活用によりLGPガスの使用を削減したり、ドレン水(気体である蒸気が液体である水に変化したもの)を回収しボイラー用水に再利用したりするなどの取組を進めています。また、照明のLED化も順次進めています。
商品のパッケージング工程における自動化を推進し、生産効率を向上。
商品のパレットへの積載作業にロボットを導入するなどの自動化を推進することで、生産効率を向上させ、省エネを図っています。
太陽光パネルを設置し、クリーンエネルギー活用を進める。
2022年から、工場における太陽光発電の導入とパネル増設を進めています。太陽光パネルは、一部、国の補助金も活用し、設置中です。
それぞれの容量は1期目が400kW、2期目と3期目がともに200kWです。
東北方面の輸送をモーダルシフトに転換。CO2排出量削減に加え、安定輸送、運送コスト削減も実現。
アイテム数や出荷量が増加する中、東北向けに関しては輸送距離も長く、物量を補うトラックの確保が困難となったのを機に、効率的でありなおかつ安定した輸送体制の確立と、環境負荷低減を目指し、モーダルシフトの検討を重ね、東北向け幹線輸送の一部、週末出荷分をフェリー輸送に切り替えました。
その際、デポ(=小型物流拠点)を経由せず、なおかつ発注を待つのではなく受注を積極的に集める形で数量を確保することで、各製品サイズや出荷ロットに合わせた積込計画を策定することができ、積載効率を向上させるという取組も行っています。
その結果、安定輸送の実現、CO2排出量の削減に加え、運送コストの削減にもつながっています。
省エネにかかる実績について。
太陽光パネルの設置により、将来的には、工場全体の約20%程度を発電できるようになる見込みです。
今後も、まずは生産性向上によるエネルギー消費量の削減を目指して取り組むつもりです。コスト削減と省エネルギーは相関性が高く、様々な省エネ課題がまだあると考えています。
例えば、ボイラーやコンプレッサーを集中管理することで稼働台数を減らすことや、工場内の排水処理施設で廃棄する食品をバイオマスとさせてメタン発酵させて廃熱を有効活用すること、太陽光パネルにより電力でEV車を充電して工場間輸送で使うなど、いろんなアイディアを検討しています。
省エネ診断の活用を視野に入れて、さらなる省エネ推進を目指す。
太陽光パネルで発電したエネルギーを蓄電するための蓄電池の導入、トラック輸送時におけるお菓子の効率的な積み付け方法の検討など、まだ課題が多いと思っています。
今後も公的な省エネ診断を活用するなどして、第三者に意見をもらうことは有用だと思うので、取り組んでみたいと考えています。