工場照明、事務所空調を相次いで高効率化更新

株式会社ISOWA

平成29年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業
★工場の照明をLED照明に更新(設備単位の申請)

平成30年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業
★事務所の空調機を高効率化更新(設備単位の申請)

段ボール製造機械製造業

製段機(段ボールシートの製造)
製段機(段ボールシートの製造)
製函機(箱の製造)
製函機(箱の製造)

事業の概要

 段ボール製造機械専業のメーカーで、昨年創業100周年、決して大規模な会社ではないが、その業界では名の知られた会社である。
「世界一の社風を目指す」との理念を掲げ、有言実行で、かつ元気で活力のある中小企業として、「元気なモノ作り中小企業300社2007年版」、「愛知ブランド企業」認定や「中部IT経営力大賞2016」優秀賞などの受賞歴があり、新聞・経済誌での紹介でもその存在が認められている。2018年には「第8回日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査委員会特別賞を受賞するなど、内外に顕著な功績を示している。
 事業所のエネルギー使用はほぼ電気のみで、年間エネルギー使用量においても省エネルギー法で規定される指定工場には及ばない規模である。省エネに取り組む専門的な人材や組織があるわけではないが、老朽化していた設備の更新タイミングに合わせて、果敢に補助金申請に取り組んだ。
1年目に工場照明のLED化を、続いて2年目に事務所空調設備を申請し、補助金獲得を果たして更新工事を実施し成果を出している。

導入設備の概要

○LED照明(平成29年度事業)
水銀ランプ、メタルハライドランプに代わり、高天井用LED照明を設置
小物加工工場 定格消費電力415W×41台 → 172W×31台、125W×10台
大物加工工場       390W×21台 → 344W×7台、172W×14台
段ロール工場       390W×14台 → 300W×14台
組立工場         390W×79台 → 172W×39台、98W×40台
             730W×28台 → 163W×28台
総数183台の配置は上架クレーンの影となる位置に重ならないように一部ずらしたもの以外は、そのままとし、照度シミュレーションにより偏りやムラのない最適な型番を選定
照度比較(実測値)
小物加工工場(天井高さ6.6m) 235lx → 460lx
大物加工工場(天井高さ9.4m) 175lx → 363lx
組立工場(天井高さ11.0m)  350lx → 500lx
定格消費電力量の比較
219,655kWh/年 → 85,000kWh/年(削減率61.3%)

組立工場の高天井LED照明(1)
組立工場の高天井LED照明(1)
組立工場の高天井LED照明(2)
組立工場の高天井LED照明(2)


○空調設備(平成30年度事業)
事務所17台、現場事務所2台を同等冷暖房能力の最新機に更新
定格消費電力量の比較(冷房/暖房)
193.18kW/207.88kW → 154.90kW/164.90kW(削減率19.8%/20.6%)

事務所空調 室外機
事務所空調 室外機
事務所空調 天井の室内機
事務所空調 天井の室内機(2)

省エネルギー効果

○LED照明(平成29年度事業)
平成28年度 56.48kL/年 → 平成30年度 30.87kL/年(原油換算値)
削減効果 25.61kL/年、削減率45.3%
対計画省エネ量31.21kL/年に対しては、達成率82.0%

○空調設備(平成30年度事業)
平成29年度 49.15kL/年 → 令和元年度 23.67kL/年(原油換算値)
削減効果 25.48kL/年、削減率51.8%
対計画省エネ量23.45kL/年に対しては、達成率108.6%

○事業所全体
電力使用量を見ると、
平成29年度 566.12kL/年
→ 平成30年度 540.67kL/年(対前年比25.45kL/年削減)
→ 令和元年度 471.50kL/年(対前年比69.17kL/年削減)
照明、空調それぞれの高効率機器への更新効果が発揮されている。
令和元年度が前年度比で空調更新効果以上の削減になっているのは、製品構成の差(試運転工程の減)による影響もあるが、それ以外にも建屋天井の遮熱シートや事務所の二重窓施工なども寄与している。

事業者・事業名等

事業者名

株式会社ISOWA 本社工場

所在地

愛知県春日井市西屋町66

業種

段ボール製造機械の製造

高効率照明

補助事業年度

平成29年度

補助金事業名

春日井工場の省エネルギー化事業

総事業費

16.54百万円

補助金額

4.21百万円(補助率 1/3)

高効率空調

補助事業年度

平成30年度

補助金事業名

ISOWAの省エネルギー事業

総事業費

36.72百万円

補助金額

5.12百万円(補助率 1/3)

事業所外観
事業所外観

磯輪社長様へのインタビュー

代表取締役社長 原野剛行様
代表取締役社長 磯輪英之様

元気なモノづくりで話題の会社が省エネ補助金を活用していることを知り、ぜひともお話をお伺いしたいと思いました。
工場のエネルギー使用量はそんなに多くないですが・・・

私たちは昨年創業100年の節目を迎え、その間段ボール製造機械の開発・製造を一貫して行ってきました。製造工程で大量のエネルギーを使うプロセスはありませんが、機械の試運転や部品加工用の工作機械の運転には当然電力を消費します。また、日頃大事にしている社員が働きやすい職場環境を考えると、当然ながらインフラ要素にも目がいきます。
事務所の照明はこれ以前からLEDに替えていました。しかし工場の照明は更新することは課題としつつも、高天井の水銀灯ですから、簡単ではなかったため時期を探っていました。

きっかけは、メンテナンス負荷の増加でしょうか?

メンテナンスだけでなく、工場で働く社員の作業環境の改善を目指したことがきっかけです。水銀灯は昭和44年~47年に設置したもので、近年では照度も低下していました。そして何より水銀条約で全廃の動きも高まっていましたし、高天井なので球取替も作業コストがかかっていましたので。

省エネ補助金の仕組みはご存知でしたか?

ええ、知っていました。補助金は多くの分野でいろいろなメニューがあるので上手く活用しています。自社の設備投資に利用するだけでなく、お客様が購入してくださる私たちの製品への設備投資にも活用できるよう常に考えています。

照明器具の選定については、いろいろ検討をされたようですね。

更新工事なので、数を増やすとか配置を替えることは基本的にはできません。その中でも作業者位置での照度がムラなく均等に明るさを保てるようにとシミュレーションを行って器具の型番を決めました。加工工場ではオイルクーラントのミストに配慮した機種にしたり、ぎらつかないグレア対策機種にするなど、特別な配慮もしました。なにより工場が明るくなり、社員が喜んでくれたことが一番です。

引き続き空調の更新も申請しましたね。

1年目で補助金申請の要領をつかめたので、同じく老朽化してメンテナンス負荷のかかっていた事務所空調の更新にも挑戦することにしました。入社2年目の若手に計画から工事完了、成果報告まで通しで担当してもらいました。専門知識もない事務系社員がISOWAの行動指針である「オレがやる、協力する、明るくする」に基づき、外部との折衝や手配、社内の要望の取りまとめ、調整まで頑張ってくれました。広範囲の業務を手早くタイムリーにやらねばならないので大変だったようですが、いい経験になりました。何より成功体験を味わえたのは大きいと思います。

先ほどご担当の方にお話を伺いましたが、この仕事を終えてみて省エネとか環境の大切さに気付かされたこと、それと何より職場の方々に喜んでもらえたことで、社員として仕事への考え方が変わったと!

ISOWAでは常日頃から『自分語り』という、自らの想いを来場者の前で発信する機会を設けています。「環境や効率化だけでなく、回りまわって仲間のみんなが喜んでくれた」と彼が語るのを聞き、彼の成長を感じました。

補助金の申請業務や手続きは結構大変ですが、どうでしたか?

専門的な部分はコンサルさんにお願いしてはいますが、それでもSIIとの間で手間がかかるのは否めません。しかし、1/3の補助が受けられますし、なにより頑張った社員が申請業務や手続きを通して成長し、かつ仲間から感謝や労いの言葉を掛けられさらに成長する、ありがたいことです。

省エネ成果はほぼ計画通りといっていいですね。

そうです。更新前後の生産条件や環境変化があるので厳密な効果の評価は難しいのですが、職場の環境改善が業務効率化や社員の意識変化につながることに勝る価値はありません。

社長は世界一社風のいい会社にすると常々発信しておられます。それを踏まえると今回の補助金申請による省エネ改善はどんな意味がありましたか?

コスト削減はもちろん、生産性向上や職場の環境改善等、様々な効果がありました。加えて、環境・エネルギーをより意識するいい機会にもなりました。LED化はお客様をはじめ社外の方にもとてもいい印象を与えてくれます。

なるほど、御社ならではの評価ですね、職場の活性化と社員の意識変化にもつながったと。

そう言っていただけると世界一社風のいい会社を目指している私たちとしてはとてもうれしいです。働く人々の意識が変われば組織を活性化できますし、それが結局お客様満足に繋がります。

事業所としての省エネ活動は今後どう進めていかれますか。

変圧器がかなりの年数経っているので、更新しなければなりません。小型のA重油焚ボイラもありますが、製品(製段機)の試運転用に蒸気が必要なだけの低頻度な運転ですので、ちょっと対象にはなりにくいです。
高効率化投資はこんな感じで一段落ですが、後は運用面で維持管理とか設定の最適化を追求していきます。

最後に、脱炭素社会への対応とかSDGsなど、今後の課題に関して一言お願いします。

私たちの機械を使っていただいている段ボール製造会社様では、段ボールシート製造ラインで熱や蒸気を多く使っており、「私たちの納めた機械はまだまだエネルギー効率の良い、お客様にやさしい機械からはほど遠い」と思っています。作業環境としても厳しいので、お客様の現場のオペレータのために、何かできることはないか、機械メーカーとしての大きな課題だと認識しています。
どうやって期待に応えるか大変難しいのですが、根本的に段ボールを作る工程の変革が必要だと思います。何かブレークスルーできる技術が欲しいので省エネルギーセンター様の知恵もお借りできれば嬉しいです。ご協力お願いします。

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