生産ラインを高効率化更新し省エネ成果を存分に発揮

ウッドリンク株式会社

平成29年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業

木材加工製造業

★構造材プレカットラインを老朽化に合わせて高効率化更新
★付帯する集塵機・コンプレッサを集約かつ高効率機に更新
★工場・倉庫内照明をLED化
★エネマネ事業も組み込み(加工機と連動した集塵機運転制御、「見える化」)

更新された構造材プレカットライン
更新された構造材プレカットライン
  • プレカットライン横架材加工機の一式更新
  • 切削屑集塵機4機を2機に集約し更新
  • コンプレッサ4台を定速機2台+インバータ機1台に集約
  • 既設・更新設備の配置を見直し生産性向上
  • 場内の水銀灯照明18台をLED照明へ更新
  • 加工機の運転と連動した集塵機の運転制御、
    エネルギー計測装置による「見える化」
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事業の概要

 北陸を拠点に木造住宅向けの構造材加工・木工製品製造販売を手掛けており、降雪地域に適合する木造住宅の軸組設計ノウハウや工法技術に強みを有する会社である。
 平成16年に導入した構造材プレカットラインが老朽化して生産性が下がり、受注量に対応しづらくなってきて設備更新を考えねばならない時に、高効率化によりもたらされる省エネ効果に注目した省エネ補助金の活用ができるかもしれないとの情報を得た。そこで機械リース事業者から紹介を受けたコンサルと相談し、平成29年度「エネ合」でエネマネ事業も組み込んだ補助率1/2の事業申請枠にトライするべく詳細検討に着手した。
 補助金の対象はプレカットライン横架材加工機ラインであり、それと密接に関連する切削屑回収用の集塵機、機器駆動用エアコンプレッサも機器台数を見直し集約・更新の上、全体の機器配置を最適化した。あわせて工場・倉庫内照明のLED化と、加工機と連動した集塵機運転制御を行うエネマネ事業も組み込んでいる。

導入設備の概要

○プレカットライン
横架材加工機を高効率機へ更新(164kWから148kWへダウンサイジングし配置替)

○集塵機
屋内外の3台(PL型19kW、BF型3.7kW,5.5kW)を集約し、屋外1台(PL型44kW)に配置替

○コンプレッサ
定速機4台(22kW×2、30kW、15㎾)を定速機2台(22kW×2)+インバータ機1台(22kW)の組み合わせとし、集約配置
コンプレッサ配置に対応した場内エア配管のルート見直し(短縮化、ループ化)も実施

○工場・倉庫内照明のLED化
水銀灯18台(415W)を高天井用LEDに更新(94W)

○EMS制御装置
集塵機の制御(加工機運転と連動)、コンプレッサのインバータ制御、エネルギー計測装置(見える化)

プレカット工場の説明図
プレカット工場の説明図 更新後の木屑集塵機
更新後の木屑集塵機
加工機出側から見る
加工機出側から見る
コンプレッサとレシーバタンク
コンプレッサとレシーバタンク

省エネルギー効果

補助対象設備(プレカットライン+LED照明+エネマネ効果)で評価
平成28年度 348.5kL/年 → 平成30年度 125.1kL/年(原油換算値)
削減効果 223.4kL/年、削減率46.0%
内訳は、加工機24.5、集塵機19.7、コンプレッサ120.2、LED照明11.7、エネマネ制御47.3kL/年
対計画省エネ量114.0kL/年に対し、2倍近い大幅な超過達成
令和元年度実績も削減効果226.0kl/年で、ほぼ同様の成果を発揮

事業所全体で
平成28年度 485.3kL/年 → 平成30年度 344.5kL/年
削減量140.8kL/年、削減率29.0%
令和元年度も削減量136.2kL/年で、ほぼ同レベル

事業者・事業名等

事業者名

ウッドリンク株式会社 住宅資材事業部 富山店

所在地

富山県射水市寺塚原415

業種

木材・木製品製造業

補助事業年度

平成29年度

補助金事業名

ウッドリンク株式会社プレカット工場における省エネルギー事業

総事業費

322.6百万円

補助金額

161.3百万円(補助率 1/2)

協力企業

オリックス株式会社(共同申請者)

事業所外観
事業所外観

原野社長様へのインタビュー

代表取締役社長 原野剛行様
代表取締役社長 原野剛行様

製材加工ラインのメイン設備を一括高効率化した事例として注目しました。
まずは取組みのきっかけからお伺いします。

プレカット事業は平成5年にスタートし、今回更新した設備で3代目になります。
メイン設備である構造材プレカットラインの老朽化が目立ってきて生産性も落ちるし、機械自体の技術革新も進んできて、最新設備の加工精度とか、機能面での進歩も気になっていた時期でした。プレカットラインの能力を上げるために加工機を高効率モータ化したいと考え、かつ加工プログラムを最適化して効率を向上させたいとの思いで設備設計を開始していました。

これを省エネ補助金活用に結びつけたのですね。

申請の1年前でしたか、業界紙で省エネ補助金という仕組みを知りました。この話をメーカーと検討し、当初は高効率モータという省エネ機器導入で省エネ補助金を活用することを考えていました。

申請区分でいうと設備単位の申請カテゴリーですね、その中に高効率モータがありますね。

ええ、そうです。でも、プレカットラインはオーダーメイド設備ですので、共同申請者であるリース会社(オリックス)と話をする中で、加工機と関連するコンプレッサや集塵機も含めて高効率化し、さらにエネマネ事業も付加して工場・事業所単位の申請にして1/2の補助率を狙ってみたらどうかと後押しされ、投資額や効果を計算して評価した結果、これに挑戦することにしました。

エネマネ事業の内容は?

加工機の負荷に応じた集塵機の運転制御とか機器毎の電力使用量を「見える化」することとかですね。従来の設備では出来ていなかった部分です。

これら以外に照明のLED化も組み合わせましたね。

工場・事業所単位の申請で補助率1/2を狙うなら、このチャンスに他もできるだけ入れたほうがいいと提案していただいたので、工場と倉庫の水銀灯のLED化を加えました。

申請はスムーズにいきましたか?

オリックスさんにはコンサルもお願いし、この業界の設備では初めてだったようですが、しっかりリードしていただけたのでこれならいけると思い申請に臨みました。
ただし、うちの場合は、補助金申請の窓口がSIIであるとはいえ、事実上は北陸農政局に「経営力工場計画」として省エネ補助金を含む投資計画を提出して認定を得ることが必要でした。事業を所管する行政当局のお墨付きみたいなものですね。ですから、ひと手間余計にかかっていると言えますが、これが自信になりました。

工事の時期はどうしても年末年始になりますよね、

年末は忙しいので、正月明けに2週間休止期間を設けて対応しました。代替機があるわけでもないので結構タイトな工事計画で製品納期を考えると大変でした。

省エネ効果は計画値以上の成果になっていますね。

補助対象設備である加工機と集塵機、コンプレッサは一括りの設備更新であり、当初の想定以上の省エネ成果を発揮できています。機器単体ではコンプレッサの集約更新が最も大きいですが、これにはエア配管供給ルートの改善効果も含まれており、合わせてEMS制御効果もあって、これらの複合的な効果でプレカットライン一体の大幅な省エネが達成できたと考えています。

それにしても申請値以上の大きな効果で、経営にとってはうれしいことでしたね。

確かにそうですが、申請段階で裕度というか安全率の織り込みが小さかったかも・・・
でも、この設備更新は生産能力確保のための必要な投資案件であり、今後の事業展開を考えると非住宅分野への対応を急ぐ必要もあり、何としても実現しなければならない状況でした。ですから、当初考えていなかった1/2の補助率での受給獲得や省エネ成果がこれほどもたらされるとは望外の経営貢献と言えます。熱心に支援してくれたパートナーに恵まれたことも大きいです。

事業所としての省エネ活動は今後どう進めていかれるのでしょうか。

大規模な高効率化投資はこれで一段落ですが、今回の省エネ成果をよく見ると、補助金受給の対象となった範囲では大きな効果を発揮できているとの評価ですが、事業所全体の省エネ効果を見てみるとこれよりは少ないです。これは製造条件の変化によるものか、それともどこかにエネルギー消費の無駄が生じているのかもしれないし、今回「見える化」装置を設置したのでこれを活用して機器運転の運用改善による省エネ成果の引き出しをトライしていこうと思います。従業員の省エネによるコスト意識も高まりました。また、照明設備についてはLEDを導入した効果はあるとはいえ、状況による消灯や間引きなどの運用改善の余地も指摘されていますので取り組んでいきます。
また、こことは違う場所ですが、製材事業を行っている別の事業所でもボイラ更新など省エネ補助金を活用した更新投資を模索しています。

最後に、地球環境保全やSDGsなど、今後の取り組みに関して一言お願いします。

この業界では国産材の普及、自給率向上が国の施策の一つです。プレウォールという木質構造パネルシステムを自社の強みとし、断熱性や耐久性、耐震性に優れた木造住宅の普及を通じて省エネで社会貢献できればと思います。もっと広く言えば、持続可能な森林経営という概念で、生活空間を快適に彩る付加価値の高い国産材製品を開発・普及させ、人と森林、そして地球のより良い環境作りに貢献していきます。

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