トップページ > 施策のご案内 > 中小企業施策情報  > 事業者相談窓口 > よく寄せられる相談事例

よく寄せられる相談事例

最終更新日:令和5年3月1日

概要

 このページでは、日頃よく寄せられる相談事例について御紹介します。

目次

  1. 契約を解約するときの注意点
  2. 身におぼえのない請求書
  3. リース取引をめぐるトラブル
  4. 消火器の販売・点検にご注意を
  5. ツーショットダイヤル -他人が架けたと思われる料金の請求-
  6. ホームページ作成のリース契約について
  7. 保証人不在の契約の有効性

契約を解除するときの注意点

問い合わせ内容

 訪問等による執拗な勧誘に負けて契約書に印を押してしまった。その後、思い直してすぐに解約をしたい旨を連絡したが、
 1.拒否され契約の履行を求められた。
 2.クーリングオフはできないと言われた。
 3.解約手数料を請求された。

ポイント

 契約は「申し込み」と「承諾」によって成立します。「売りましょう」「買いましょう」という相対する合意によって成立するもので、口頭の合意だけでも契約は成立します。
 しかし、口頭合意が争いになった場合には、「約束した」「約束していない」という水掛け論となり、証明が困難となります。
 契約書は争いを未然に防ぐ証拠書類ということになります。

対応

 契約を行った場合は、その契約内容を遵守しなければならず、お互いに履行義務があります。
 解除・解約ができるのは、履行遅滞、履行不能(法廷解除)と、あらかじめ解除・解約の条件等を約束しておく場合(約定解除・解約)です。また、例外として理由を問わず一定の条件に当てはまるときは、契約の撤回(クーリングオフ)が「訪問販売法」で認められていますが、これは一般の消費者の保護を前提としているため、商取引は適用除外となっています。

 その他、契約の解除ではありませんが、勘違い(錯誤)による場合、だまされたり(詐欺)、脅迫された等の場合は、契約を無効として、または契約を取り消した上で訴えることができます。
 いずれにしても、契約書に印を押すとき、お金を支払うときは、取引の内容をよく検討の上、納得して行うことが大切です。

身におぼえのない請求書

問い合わせ内容

 注文をしていないのに、経営、労務、税務関係等の書籍を一方的に送りつけてきて、その代金の請求書を送付してきた。

ポイント

 購入するのかしないのか、意志を相手方に明示することが重要です。

対応

 購入する意志がなければ、しっかりした対応が必要です。その場合は、「購入する意志はない」旨の手紙を同封し、そのもの自体を送料を払って送り返して下さい。(送料は相手持ちが普通ですが、相手方が受け取り拒否した場合、こちらに返送される恐れがあります。)

 同封する手紙の内容は「○月○日に送付のあった別添の○○については、当社は購入しない。今後も送付しないこと」のように、明確に今回のことを拒否し、今後も拒否する姿勢を持ちましょう。
 これでも、心配な方は、別途先方に内容証明郵便で「購入する意志のないこと」を通知して下さい。
 また、恫喝されることが予想される場合には、地元の警察に前もって(このようなことがあり、返送したことの)連絡を入れておくことも一つの手です。なお、弁護士はこのような対応に強いので、連絡先を相談相手に教えておくことも心の支えになります。

 なぜこちらから送り返さなければならないのかという点については、法律上、継続取引をしている業者からの上乗せ納入でない限り(他の事例もありますが)、当該送付物については、支払義務はなく保管するという善管義務があるだけで、ある一定の期間が過ぎれば勝手に処分しても構いません。
 ただし、この方法はお進め出来ません。先方はアクションがないと購入したものと見なし、強く支払を請求されることも考えられます。一度支払うと、顧客になり、本等の送付が継続される恐れもあります。

リース取引をめぐるトラブル

問い合わせ内容

  1. リース物件が故障して直らない、故障しがち、規格どおりの性能・機能が備わっていないので解約したい。

  2. 新製品が出たので、中途解約して新製品に取り替えたい。

  3. ユーザーが死亡し、リース物件が不要となったのでリースを終了したい。

  4. 物件が納入されていないのに、リース料金が引き落とされた(空リース)。

ポイント

 リースとは、企業に対し事務用機器等を長期にわたり賃貸するものですが、リースを受けたユーザーが支払うリース料が税制上、損金処理できるというメリットもあり、設備調達の方法として中小企業にも広く普及しています。
 リース契約は以下に挙げるとおり、通常の賃貸借とは異なった特徴を持っていますので、ユーザーはそれぞれの場面に応じて注意することが肝要です。

対応

 以下の4つの場合に分けて、注意点と対応策を整理してみます。

契約時

 リース契約には、
    1.リース期間の定めが必ずあり、中途解約はできない
    2.リース会社は瑕疵担保責任を負わない旨の特約がある
    3.ユーザーに物件の保守・修繕義務がある
等の特色ある条項が盛り込まれていますので、あらかじめ契約書をよく読んで、納得してから契約しましょう。
 また、サプライヤー(物件の売り主)の営業員が、リース契約の作成に関与するケースがありますが、リース契約はリース会社とユーザーの間で締結されるものであり、原則として、第3者であるサプライヤーは、リース料の支払い条件等について取決めをする権限はありません。従って、営業員がユーザーに有利な内容を口頭で約束するケースもあるようですが、リース契約内容以外の約束はないと心得ておくべきでしょう。

物件納入時

 リース取引の場合は、サプライヤーがリース会社の指定する場所に直接物件を納入します。ユーザーは納入された物件が契約どおりの規格・仕様であるかを検収し、瑕疵がないことを確認の上「借受証」に調印し、リース会社に交付することとなります。
 借受証が交付されると、リース会社は物品の購入代金をサプライヤーに支払うこととなります。ユーザーが物件の引渡がないにも関わらず、借受証を交付すると、リース料金の支払いをめぐってリース会社とユーザー間でトラブルが発生することは明らかです。
 ユーザーは物品の引渡を受けないうちは、絶対に借受証に署名、捺印をしてはいけません。
 物品の引渡時に性能不適当等の瑕疵があった場合には、借受証を交付しないで、リース契約に規定がなくとも、直ちに、リース会社およびサプライヤーにその旨を連絡することが大切です。

瑕疵発見時

 借受証を交付した後に、瑕疵が発見された場合でも、リース会社はユーザに対し、一切の責任を負わないので、ユーザーはそれを理由にリース会社に対し契約を解除したり、リース料の減額を請求することはできません。
 しかし、リース会社は、サプライヤーに対し損害賠償請求権を有していますので、その請求権をユーザーに譲渡する規定が契約にある場合には、ユーザーはリース会社から請求権を譲り受け、直接サプライヤーに対し損害賠償責任を追及することができます。

物件が不要となったとき

 ユーザーはリース契約を途中で任意に解約できませんが、何らかの理由でユーザー物件が不要となったときは、リース会社やサプライヤーに相談するなどして、ユーザーとしての地位を引き継ぎ、不要となった物件を使用してくれる第3者を探す努力をしてみることです。

消火器の販売・点検にご注意を

問い合わせ内容

 事前に点検を行う旨の電話があり、業者が来社(所)し、消火器を集め、詰め替えと新規の消火器が必要であると言って、説明書と称した書面にサインを求められた。そこでサインとしたら、詰め替えと言って消火器を持って行かれた。その後、書面を改めて確認すると、売買契約書であった。高額であるし、消防設備等の保守契約者と異なっているので、解約できないか。

ポイント

 契約は「申し込み」と「承諾」によって成立します。「売りましょう」「買いましょう」という相対する合意によって成立するもので、口頭の合意だけでも契約は成立します。
 しかし、口頭合意が争いになった場合には、「約束した」「約束していない」という水掛け論となり、証明が困難となります。
契約書は争いを未然に防ぐ証拠書類ということになります。

対応

 約束は遵守しなければなりません。不用意に書面にサインをしてしまえば、責任を逃れることは簡単にはできないのが一般的です。
 ただし、勘違い(錯誤)の場合、騙されたり(詐欺)、脅迫されたりした場合には、契約を無効として、または、契約を取り消した上で訴えることができます。
 事前に会社や事業所等に電話があった場合は、幹部や責任者は相手をよく確かめ、保守契約者であるか否かを確認し、違っている場合にはこの段階できっぱり断ってください。
 また、書面にサインする前に、詰め替えや新規購入が必要か等の他、契約条項もよく確認してください。必要のない場合は、きっぱりと断りましょう。

ツーショットダイヤル-他人が架けたと思われる料金の請求-

問い合わせ内容

 病院やガソリンスタンドの公衆電話、レストランのピンク電話、会社の電話等に対して、ツーショットダイヤルの利用料の請求があった。
いずれも、利用時間帯が深夜であったり、無人の時であったりするため、内部調査の範囲ではツーショットダイヤル使用者の確認が難しい。また、電話の所有者や管理者にも心あたりのない利用料金の請求である。

ポイント

 ツーショットダイヤルは、電気通信事業法(昭和59年12月25日法律第86号)に基づき、一般第二種電気通信事業*の届け出が必要な役務提供事業です。
 利用方法は、ツーショット業者に架電し利用電話番号を入力後、折り返し架かってくる電話に業者から知らされた暗証番号を入力すると利用可能となるしくみです。あとは、全国どこからでも公衆電話、携帯電話、自動車電話等から暗証番号を入力すれば利用できるシステムのものが多く、通話料とは別に利用料金(他の電話からのものも上記入力電話番号に積算される)を業者から直接請求されるものです。

* 一般第二種電気通信事業

 NTT等の電気通信設備を利用して、電話、音声蓄積、音声転送等の音声伝送役務、ファクシミリ、ビデオテックス等の画像伝送役務、回線交換データ、パケット交換データ等のデータ伝送役務とこれらの複合役務等を他人に提供するもの。
この事業を営もうとする者は、次の届け出を総務大臣に行わなければならないこととなっています。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者
2.前述の電気通信役務の種類及びその態様

対応

 今回の相談に対する対応のポイントとして、以下が挙げられます。

  1. 電話番号の変更や有料の迷惑電話防止のサービスを利用することが可能であること。(事業者の場合、番号変更は難しいとするものも見受けられた。)

  2. 公衆電話番号の管理や多機能電話の時間外管理を適正・厳格に行うこと。

  3. 請求に対する処置についてのポイントとしては、口頭など手段を問わず、お互いが権利、義務の発生について、合意をした契約が成立しているか否かであり、対抗手段等については、無料法律相談を活用する。

 今回のケースは、他人に電話番号を悪用され、料金を請求されたものであると思われますが、利用手続きが全て機械をとおして機能キーで行われており、支払いの督促も機械で行っているものも見受けられるなど、システム自体に契約成立要件上の問題点があるものと思われます。

ホームページ作成のリース契約について

問い合わせ内容

 企業(小売店等)のPRをするためのHPを作成し、メンテナンスも行うとの条件で5年間のリース契約を締結したが、契約した社の経営規模縮小により人手が不足し、契約履行ができずHPの作成がなされていないままリースの引き落としの始期が来た事によりリース料の引き落としがなされた。HP作成会社は「経営規模縮小により人手が足りず作業が遅れているが、必ず作成するので待っていて欲しい」、リース会社は「契約企業が倒産したのであれば引き落としを止める事は可能であるが、企業が存続している限り引き落としは止められない。銀行口座を解約して引き落としを止めるならば、延滞金が発生する」と回答している。

ポイント

 本件は、サーバーレンタルが基本契約であり、HP作成は特約契約と思われます。特約部分の不履行を理由とした契約の解除が可能か否かは、特約の重要性により判断されることになります。

対応

Q1:地方支店の営業者を信用して契約したものであり、経営規模を縮小するような会社は信用できないとして契約の解除は可能か。
A1:基本的に解約は不可能です。但し、信用不安が客観的に立証できれば可能となります。

Q2:納期までに契約が不履行であった場合には解除要件になりえるが、HPの作成期限(納期)が契約書上に記載されておらず、リース料の引き落としの始期のみが記載されている場合においてはどうなるのか。
A2:納期の記載が無いのは、本件がサーバーのレンタル契約であるためと思われます。HP作成の特約は契約の重要な要素にはなりえないと判断され、口頭で納期が取り交わされていても客観的な立証が難しければ解除要件とはなりません。

Q3:具体的な対処方法について。
A3:HP作成を含んだサーバーレンタル契約であったか否かが争点となります。HPを作って、サーバーに組み込むことまでが契約の内容であったことを客観的に立証すること、HP作成の納期を書面で取り交わしたいと要望すること、HP作成が重要要件であった事をリース会社の申し出ることが具体的な対処法として挙げられます。

Q4:HPは開設されたものの、メンテナンスだけが履行されなくなった場合、不履行を理由とした損害賠償は行えるのか。
A4:請負契約的要素が強い場合、メンテナンスも重要な契約事項と判断できるので損害賠償の請求は可能です。リース代金の中に購入原価の他にメンテナンス費用が含まれているにしても、メンテナンスの範囲を予め明確にしておく必要があります。

(参考)リースには大きく分けて以下の2種類があります。

ファイナンスリース(銀行系リース)
  • 高価で大きな物件であり汎用性の無い物件が対象となる。
  • リース会社とユーザーとの間は金融契約的な関係となる。
  • 投資資本を全額を回収するまでリース期間内の中途解約は認められない。
  • リース会社のメンテナンス業務は免除される。
  • 瑕疵担保責任に対する免責条項を入れることは有効とされている。(ただし、販売店とリース会社の間が密接な関係、悪意ある場合には認められない。)
オペレーティングリース(メーカー系リース)
  • 不特定多数を対象とした汎用性の多い物件が対象となる(自動車等)。
  • 瑕疵担保責任をリース会社が負う。
  • ユーザーからの任意的途中解約が可能である。
  • メンテナンス付きリースの場合は、リース会社がメーカーからの購入原価を回収するまでの途中解約は不可能であり、危険負担はユーザーに帰属します。メンテナンスには請負契約的な要素が含まれます。

保証人不在の契約の有効性

問い合わせ内容

 コンピュータのリース契約を締結したが、保証人に予定していた者に保証人となる事を拒否され、他の保証人が確保できずにやむを得ず契約を解約した。コンピュータは既に設置された後であったので、機器の消却費、設置費用等の諸経費の支払いを求められた。

ポイント

 保証人はリース会社との契約行為であって、ユーザーとの契約関係はありません。

対応

Q1: 保証人の同意の有無の確認を行わず行った契約は有効か。
A1: 契約条項に保証人をつける旨の特約が入っているか否かにより異なります。特約条項が入っていれば無効な契約であり、入っていなければ保証人契約とは別個の有効な契約として成立します。

Q1: 保証人の同意の有無を確認しないまま行った行為に伴い発生した費用の請求は可能か。
A1: 信頼利益を損なった契約違反としての請求は可能となります。

その他の相談事例集

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 産業部 中小企業課
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2748
FAX番号:052‐951‐9800
メールアドレス:bzl-c-chusho■meti.go.jp
※スパムメール対策のため、@を■に変更しております。メールを送信する際は■を@に変更して送信ください。

ページ上部へ戻る

Adobe Reader バナーPDFファイルをご覧いただくためにはAdobe Readerが必要です。外部リンク