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更新日:令和3年11月4日

有限会社 カツミ製作所
有限会社 カツミ製作所


加藤 武志 代表取締役


300tプレスとレベラーフィーダー


立体地形パネル「BumPanel」
改善に次ぐ改善、新型コロナウイルス感染症が懸念される中、創意工夫により奮闘するものづくり企業を取り上げます。
今回は、有限会社カツミ製作所の加藤武志(かとう たけし)代表取締役にお話を伺いました。

プロフィール
・大学卒業後、日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社入社。顧客の3Dソリッド設計支援プロジェクト、金型人材育成プロジェクト、非接触測定を使用したリバースエンジニアリングプロジェクト開発に従事。
・その後、2008年に父が経営するカツミ製作所に入社し、営業、設計、加工、仕上、顧客対応に従事。リーマンショックをきっかけに、新しい製造業のあり方として、協力企業との連携をすすめる。
・2017年より、カツミ製作所にて取締役社長に着任。現在40歳。

企業経営・ものづくりにかける思い
・「技術者の楽園づくり」
 技術者がモノづくりを楽しめることは何よりの幸せです。当社で働くと楽しいと社員が感じ、それが家庭や周りの人に伝播して、楽しさの輪が広がってほしいと考えています。

カツミ製作所
・1966年創業。自動車の金型製造に端を発し、以降の製造業を取り巻く環境変化にも柔軟に対応し、金型技術を活用した新商品開発など、挑戦を続ける。
・カツミ製作所、3つの事業。
(1)自動車用プレス金型事業鉄板を成形できる量産型を設計製作。50年以上の歴史があり、培ってきた、「エンジニアの技術と知恵」で、顧客の生産コスト低減、生産性向上の提案型の金型開発が強み。
(2)プレス技術試作開発事業塑性加工の開発技術支援を行う。工法転換、精度向上、形状評価開発に関し、塑性加工用CAEを用いて、開発〜試作を支援。
(3)自社商品事業型製作技術をコアとして、企画開発製作販売までをワンストップで行う。現在は山岳、防災向けに地形の立体パネルを販売。また日本のサブカルチャー商品を国内外に販売する実店舗を子会社化して名古屋大須で運営中。 

コロナ状況下に感じたこと

 新型コロナウイルスが流行し始めた際は、リーマンショックのときのように金型開発がストップし、仕事が止まってしまうのではないかと心配でした。金型業界は、量産部品製造のジャストインタイムと連動しているわけでなく、影響は少し遅れて出てくるため、当初は受注残をこなす日々が続きました。
 その後、当社の顧客である金型ユーザー(量産部品の製造企業)は、新型コロナウイルスの影響をタイムリーに受け、製造ラインが停止していました。そうなると、製造ラインが停止しているうちに、金型の試し打ち、仕上げを前倒ししてほしいという要望が多くなり、当初の心配とは反対に、当社としては早く顧客に金型を納入するために、大変忙しい日々になりました。
       

withコロナ 直面した課題と従業員への思い

 当社では、女性パート3名(技術2名、事務1名)を雇用しており、主力として働いてもらっていましたが、2020年4月にコロナで学校が休校となったことを受け、日中にお子さんの世話をするため、仕事に出られなくなりました。顧客からは、前倒し納入を要望されている中、女性パートさんが出勤できないことは、会社として、非常に苦しかったです。この課題をきっかけに、製造業のテレワーク化への更なる挑戦、従業員の働きやすい現場づくりをより一層、深く考えるようになりました。
    

withコロナ 会社の休憩室を寺子屋化


休憩室のホワイトボードで落書き
 まずは、従業員が出勤できるように会社の休憩室を開放し、小学生が遊んでいられる空間を用意しました。もともと学校が休校になった目的は、3密の回避ですから、消毒や換気など感染対策を講じた上、空き時間に従業員が公園に連れていくなど、大人が面倒を見る、寺子屋のような感覚で取組を始めました。
 対象は、従業員のお子さんのみなので、数名でしかないですが、その後、小学校に続き、保育園も休園となり、少人数とはいえ、幼児は小学生と違い、より目を離せないため、素人だけで預かることは難しいと次の課題が生じました。
       

withコロナ 過去のご縁から得られた助け船


防災グッズ開発中の様子
(コロナ禍以前に撮影)
 頭を悩ませていたところ、以前からご縁のあった子育て支援団体「こととも」(https://kototomo.jimdofree.com/)の協力を得ることができ、保育士さんに来てもらうことができました。子育て支援団体「こととも」とは、防災グッズ(名前や住所、アレルギーなどを記入できる珪藻土コースター)を協力して制作したことがあり、過去のご縁から、こうして会社のピンチを救っていただく形になり、大変幸せに感じました。子供を安心して、会社に預けられるようになったことで、女性パートさんも出勤が可能になり、なんとか金型の前倒し納入に応えることができました。

withコロナ 製造業のテレワーク化への挑戦


オンラインによる確認作業
(1)工場の遠隔コントロール
 サプライチェーン断絶への対応をキーワードに製造業のテレワーク化に取り組んでいます。 当社の第1工場と第2工場が離れていることもあり、自社内でもタブレットのカメラを利用して常時オンラインで状況把握し、工場間の行き来を減らせないかと試行しています。 製造現場を常にカメラで確認できるようにしているため、見方によれば監視されている感じがあるかもしれませんが、現場リーダーが出社できないときや、テレワークをしているときに遠隔でやりとりできるようになります。

(2)金型確認作業のオンライン化
 中国の外注先に対しては、通常であれば日本での最終トライ前に仕上がりの事前確認を現地で行っていましたが、コロナで出入国が禁止となり、オンラインでの確認作業を開始しました。 確認作業は見た目、臭い、音、触った感触などで判断しますが、現地であれば、すぐにわかることがオンラインでは限界があり、感覚的な部分をうまく数値化や定義することができないか、今後の課題と認識しています。


集中スペースでの遠隔作業
(3)社内システムの標準化、テレワークの推進
 働き方改革を推進するために、業務を属人化しないことを目標としました。仮に誰かがコロナにかかっても、社内業務が滞らない様に設計、製造、仕上げの大分類でマニュアル化を進め、チェック項目を細部にわたり作成しました。 その仕組みが功を奏したのか、ISO9001:2015取得を2ヶ月という短期間で実現できたことが自分たちの自信になりました。また、設計で没頭したい時のためであったり、密を避けるために集中スペースを工場の隙間につくりました。
 この様な取組は以前からやりたいと思っていましたが、コロナをきっかけに本格的に進みました。

afterコロナ 協力会社との連携体制「FuB(ファブ)」

 リーマンショックをきっかけに、これまでのビジネスモデルに限界を感じ始め、新しい製造業のあり方を考えていたところ、同じような経歴、将来に対する危機感を持つ株式会社ウチダ製作所(愛知県知多市)の森社長と意気投合し、個人的な付き合いから、共同で事業を行うまで関係が深まりました。2019年、ウチダ製作所の呼びかけにより、3D金型設計専門の合同会社氏原モールド設計(静岡県浜松市)とカツミ製作所の3社をコア企業とし、企業組合「FuB(ファブ)」を立ち上げ、次世代金型製造サービスを開始しました。
 FuBのスキームは、IoTを活用した金型共同受注システムです。FuBで受注した仕事は当社がプロジェクトリーダーとなり、氏原モールド設計が設計し、ウチダ製作所が人やシステムの支援を行い、製造は各協力工場などに依頼し、素材や技術、品質保証は当社がサポートしています。顧客はワンストップで小回りのきく製品発注が可能となり、協力会社は仕事と技術力の底上げが図れ、私たちも安定した受注と生産設備を得ることができます。
 「世界のプレス金型メーカーと連携し、金型をサービスする」をビジョンに掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した企業組合であり、今後の新たな製造業のビジネスモデルとして、連携を深めています。

※この取組は令和元年度に中小企業庁の商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)に採択され、2年度にわたり同補助金を活用。今後、本格事業化に取組み、Fub関連事業で8億円の受注を目指しています。

協力会社との連携体制「FuB(ファブ)」

企業名
有限会社 カツミ製作所
設立
昭和41年10月
所在地
[本社・本社工場]愛知県 小牧市弥生町170番地 
資本金
300万円
代表者
代表取締役 加藤 武志
従業員数
12名
業種
開発・試作事業、プレス金型事業、立体パネル事業
HP
有限会社 カツミ製作所 ホームページ


このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 産業部 製造産業課 
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2724
FAX番号:052‐951‐0977
メールアドレス:chb-seizo@meti.go.jp

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