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更新日:令和3年2月17日

株式会社 牧製作所
株式会社 牧製作所


牧 憲市 代表取締役社長
改善に次ぐ改善、新型コロナウイルス感染症が懸念される中、創意工夫により奮闘するものづくり企業を取り上げます。
今回は、株式会社牧製作所の牧憲市(まき けんいち)代表取締役社長にお話を伺いました。

プロフィール
・明治大学理工学部機械工学科 卒業
・ヤマザキマザック株式会社勤務を経て、株式会社牧製作所へ入社。
・2017年より、株式会社牧製作所にて代表取締役社長に就任。現在37歳。

企業経営・ものづくりにかける思い

射出成型機の大型部品
・企業理念「技と心をもって未来を支える」、行動規範「誠実・謙虚・迅速・変化・挑戦」の下で、顧客から必要とされる会社であり続けるために何をすべきか、という意識で取り組んでいます。
・個人としては、難しくてやりがいのある部品の製作が好きです。

牧製作所
産業機械向けの大型金属部品を製造しており、特に機械のフレームやベッドといった製缶部品を得意としています。
また、材料切断から溶接、熱処理、機械加工、塗装といった部品完成までを社内で行える一貫生産体制を強みとしています。

コロナ状況下に感じたこと

 売上が減少し、どのように資金繰りしていくかが大きな課題となりましたが、外部要因を言い訳にせず、自社にできることを試行錯誤しました。
 また、普段から顧客に信頼していただくこと、必要としていただくことの積み重ねが大事であると改めて実感しました。それがコロナによる様々な制限の中で営業基盤の強さと、状況変化への対応力の差となって表れていると思います。日頃から誠実にこつこつと、加えて難しい事や他社が嫌がりそうな仕事に挑戦していく姿勢を今後も大切にしていくことが必要になると感じました。

コロナ前から実践してきた社内の体制づくり


本社の外観
 社長への就任以降、社内体制づくりに取り組んできましたが、コロナの影響で通常の生産・営業活動が減少したタイミングを利用して、社員と意見交換しつつ取組を加速化させることができました。結果的に、コロナも含む不測の事態に対応できる強さや柔軟性を持った会社づくりに繋がったと感じています。

(1)社内組織体制の再構築
 社長に就任した際に自分だけでなく会社全体で世代交代を進めて若返りができた半面、経営陣の思いが社員に発信できておらず、社員の不満が溜まっている状況でした。状況を改善するために2019年秋ごろから、会社をどうしたいか社員と一緒に考える場を設けていたのですが、コロナの影響後に議論を加速させ2020年6月より組織体制を変更させました。
 新たな体制では各部門に部長を置き、業務や役割を明確にし、部門毎に目標を定め、それに向かって自発的に活動できるようにしました。加えて、自分が会社をどうしていきたいかという思いをまずは部長に落とし込み、それを各部門に展開し、納得してもらうようにしました。結果として、1人であれこれと動いていた時よりも会社のスピード感が上がったと思います。

(2)人事評価制度の仕組み作り
 社員に納得感を持って働いてもらうという観点では、評価制度の策定にも取り組んでいます。以前は、社員から「頑張っても報われない、評価してもらえていない」という不満が上がっており、本人の頑張りが会社側に伝わらなかったり、頑張っていても会社が求めるものとズレている状況でした。このズレを無くすために人事評価制度の仕組み作りを進めています。社員が「何が評価されるか、どのように評価されるか」を理解し、成果や頑張りが認められる体制にすることで、コロナ禍のような厳しい状況でもモチベーションの上がる組織、社員が頑張りたいと思える組織を目指していきたいと思っています。


工程管理用のボード
(3)生産性改善
 生産の見える化(いつどこで誰が何をするかの見える化)の取組として、工程管理用のボードを現場に設置し、指示系統を整理しました。結果として現場が作業に集中できるようになるとともに、計画通りに生産が進み、納期を守れるだけでなく現場も動きやすくなりました。加えて、生産量の管理が容易になったことで外注委託量も適正になってきました。また、現場だけでなく、間接業務がかなり増えていた事務業務の改善にも取り組み、ムリ、ムラや過剰にやり過ぎていることを減らしました。
 こうした取組は「他の社員から進捗などを確認されるたびに手が止まるので、作業に集中させてほしい」という製造現場の社員からの要望が端緒だったのですが、コミュニケーションの効率化や非接触の徹底に繋がり、結果的にコロナ対策にマッチした取組となりました。

withコロナ 直面した課題への対応


朝会の様子
(1)まず第一に経費節減
 資金繰りのために、まずは出ていくお金を減らそうということで、社長と社員とでミーティングを重ねて経費節減のアイデアを出してもらい、消耗品や工具は在庫を有効活用したり共通化する、内製と外注の割合を見直す、運搬はなるべく自分たちでやるなど、思いつくことは小さなことでも実施しました。
 これがきっかけで今後も引き続き効果のあるコストダウンに繋がりましたし、コスト感覚を持って取り組む意識が社員の間で高まったことも成果と感じています。

(2)このタイミングにこそ、昇給と採用に取り組む
 もともと「会社を良くしたら社員に還元したい」という思いを持っていたことに加えて、今回のピンチを乗り切るのは自分だけでなく、社員一人ひとりの頑張りも必要だと感じたため、売上が最も落ち込んでいた時期に昇給を決めました。ただし、人件費をコストアップすると製造原価を減らさないと会社は生き残っていけないため、そういった危機感を社員と共有し、一体感を持って昇給と経費節減を実行しました。この決断はドキドキしましたが、腹を括れましたし、自分の中で何のためにコストダウンを進めるかが明確になりました。
 採用についても目先は苦しいですが、長期的には人材不足が続くため、中小企業にとって不況は良い人材を確保するチャンスと考えています。

(3)この先も見据えたBCP策定
 ウイルス感染症への対応も盛り込んだBCP(事業継続計画)を策定し、普段からの対策や予防に加えて、感染者が出た場合の対応を事前に整理しました。今回はコロナへの対応となりましたが、こういった外部要因による対応が求められたときの準備をしておくことが重要だと改めて感じました。

afterコロナ 御社の今後の戦略を教えてください

(1)社員が働きやすい環境づくり
 改めてお金の大切さを知り、財務力ある会社の強さを感じました。必要な設備投資をしながら、その上できちんと蓄えられるような体質にしていきたいと思っています。それが社員が安心して働けることに繋がっていると考えているためです。
 加えて、柔軟性のある会社とする重要性も感じました。コロナ情勢に限らずですが、日々環境や価値観は変わっていきます。それに合わせて会社も柔軟に変化することで、社員が働きがいを持てる会社にしていきたいと思います。

(2)チャンスを逃さない
 今回のコロナ対策として特別なことは何もしていないと思っていますが、できることを見つけながら日々実行していくことが大事だと改めて実感しています。できることをやり続けていれば、この先のチャンスも得られると思います。
 今後、景気回復が進めば仕事も増えると思いますので、そのチャンスを取り込める体制づくりを強化し、生産性・財務力・組織マネジメントがそろった、しなやかな企業を目指していきます。

コロナ禍での「ちょい企画」


社内の様子
 ●BGMで社内の雰囲気づくり
 コロナの影響で外部とのやり取りが減り、電話が全く鳴らない時期には社内が静かになってしまったため、社員からのリクエストを採用してBGMとしてジャズを流しました。社員から好評であったため、外部とのやり取りが復活してからも継続して社内に流しています。ちなみに、プレイリストは会長が選定しています。

企業名
株式会社 牧製作所
設立
昭和58年3月
所在地
[本社・本社工場] 〒444-0531愛知県西尾市吉良町岡山石流1-1
資本金
1,000万円
代表者
代表取締役社長 牧 憲市
従業員数
92名(2021年2月時点)
業種
生産用機械器具製造業
HP
株式会社 牧製作所 ホームページ


このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 産業部 製造産業課 
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2724
FAX番号:052‐951‐0977
メールアドレス:chb-seizo@meti.go.jp

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