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更新日:令和2年10月15日

株式会社 松田電機工業所


松田 悠揮 取締役
改善に次ぐ改善、新型コロナウイルス感染症が懸念される中、創意工夫により奮闘するものづくり企業を取り上げます。
今回は、株式会社松田電機工業所の松田悠揮(まつだゆうき)取締役にお話をお伺いしました。

プロフィール
・筑波大学理工学群社会工学類経営工学専攻 卒業。
・出光興産株式会社勤務を経て、松田電機工業所入社。
・24歳でタイに赴任し、Matsuda Denki (Thailand)を設立。
・2016年より、松田電機工業所にて取締役に着任。現在31歳。

企業経営・ものづくりにかける思い
(1)「一隅を照らす」精神を大切にしている。ひとりひとりが努力し、頑張り、ほんの片隅でも照らすことができれば、いずれ社会全体を大きく照らすことができる。
(2)ものづくりは日本の得意とする団体戦。「やっぱり日本のものづくりってすごいよね」とまた世界で言われるようなものづくりを次世代に向けて展開していきたい。

松田電機工業所
自動車の内装に使用されるスイッチや部品を主に製造。
スイッチ製造のことならワンストップで何でも自社内でできることが強み。オリジナルのオーダーメイドスイッチの製作も可能です。
「創意と改善」をモットーに、常にイノベーションを起こし、挑戦を続けています。

コロナ状況下の苦悩

前年比較で売上が減少し、どうやって雇用を維持していくかに一番悩みました。 自動車のハンドルやシートなどの内装に使用されているスイッチや部品などを主に製造しておりますが、コロナのように日本全体が減速する時期では、取引先企業にお願いして回っても仕事量が増えるわけではありません。 振り返って、我々の強みといえば、会社としての団結力。社内でできることを始めました。

withコロナ 直面した課題への対応

(1)団結力が生み出す社内環境の改善 3つの柱
1.工場の稼働日を減らす (木金を休みにし、月火水の集中稼働に移行)
2.適正な人材配置    (手の空いた従業員を必要な部署に配置)
3.経費削減       (社員全員で決算書の費目を見て、削減できる箇所を見つけ出す)
蛍光灯の間引き、輸送トラックの便数削減など、できることから始めました。女性従業員の主婦目線の節電術なども役立ち、改善を重ね、光熱費は数百万単位の削減効果が出ています。 社内の打ち合わせはオンライン会議を基本とし、デジタル機器に弱い高齢の従業員にも勉強会を実施し、今では普通に使えるようになっています。

(2)コロナ陽性者が出たときのケーススタディ
感染拡大防止のための取組はしていますが、いざ、従業員に感染者が出たときにパニックにならず、二次感染を防ぐことが重要だと思っています。社内でケーススタディを行い、もしも工場作業員が感染したら、物流部門の従業員が感染したら、従業員の家族が感染したらどうするか。 誰に報告し、何日休ませるか、会社としてのマニュアルを決めていきました。マニュアルは、愛知県・岐阜県の工場は統一の内容にしています。 ほか海外でタイに工場がありますが、現地の文化、また感染状況も異なることからタイ工場は現場の意向を大切にしています(現在は平常運転)。

(3)感染者が出ても製造ラインをいち早く復旧させる
社内に消毒特殊部隊を編成しました。防護服、フェイスシールドなどの装備を用意しており、全部で3部隊あります。工場で感染者が出たら、すぐに設備等の消毒を行い、製造ラインが停止する時間を極力少なくします。 消毒特殊部隊が実際に出動したら、彼らも感染リスクが高いはずなので、出社を停止します。その間にまた工場で感染者が出たとしても、すぐに消毒ができるように3部隊を編成しています。幸い、未だ消毒特殊部隊の出動はありません。

(4)従業員は会社が守る
社長が従業員に伝えた「もしも社内で感染者が出たとしても、従業員は会社が守る」、このメッセージが皆の安心につながりました。従業員の生活に対し、外食禁止、カラオケ禁止など会社が細かく指定をすることもできますが、 あえて厳しいルールは決めず、各自のプロとしての自主性を尊重しています。自身の体調が悪い、家族が体調を崩している、こういったときに会社に言い出しやすい雰囲気を作っておくことが大事ですし、噂で従業員が辛い思いをしないため、風評被害を出さない取組を徹底しています。

afterコロナ 今後の企業行動のあり方

今回のコロナ拡大は、日本全体のITリテラシーを各段に押し上げたと思っています。これまでITリテラシーに疎かった高齢者もITに触れるようになっただろうし、オンラインでできること、対面でしかできないこと、これが区別され、ITへの抵抗がなくなった。 製造現場においてもコロナによって、ロボット(自動化)、AI、ITへのハードルが下がったと思います。そしてサプライチェーンも安いから海外へ移管するという考えが見直され、日本で使用する製品は国内で生産する動きが高まった。 高齢化が進む日本では、ITの導入で生産性を高めようと考える中小企業が増えるはずです。

afterコロナ 御社の今後の戦略を教えてください

コロナの前からですが、産学連携として、慶応義塾大学、筑波大学とともに工場設備の稼働状況の見える化を進めてきました。 自動車業界は100年に1度と言われる「大転換期」を迎え、松田電機工業所としてもこの時代を乗り切る為、 新しくIM開発部(Innovation Movement) を設立し、社内全体を巻き込んだプロジェクトや改革を行っております。 社内で10年以上、製造現場で経験を積んだ従業員がIoTシステムを開発しています。 リアルな製造現場を知っているからこそ、改善のために設備から何の情報を収集すれば、改善につなげられるか、痒い所にも手が届くシステムに仕上がっています。 もとは社内向けのシステムですが、「ALDEA(アルデア)」と命名し、安価でセキュリティにも配慮した、中小企業のためのIoTシステムを外販していくことも考えています。
もう一つ、名古屋工業大学と連携し、「外観検査システム(AI搭載)」を開発しました。自動車の内装スイッチのインクがかすれていないか、カメラで検査するもので、判定精度は社内実証で98%以上です。 工場でも従業員の高齢化が進み、老眼で検査がやりづらいと、現場の声から開発に至りました。これも外販レベルまで仕上げたいと考えています。
これまでIoTやAIには縁がないと思っていた中小企業も今回のコロナを受け、オンラインやデジタル技術に馴染みができた分、着手しやすくなったと思います。 私たちが培ってきたIoTやAIを駆使した現場のノウハウを提供し、中小零細企業が最初にIoTやAIに取り組むお手伝いをしたいです。

コロナ禍での「ちょい企画」

(1)思いを形に(社内コンテスト)
2012年に試作用途として、3Dプリンタを導入しています。 社内でアイデアを募った結果、若手職員(昨年4月に入社した社員)の自由な発想を取り入れ、新型コロナの影響で気になる人が多いつり革やボタンに触れなくていい試作品を3Dプリンタで作成しました。 思ったものをすぐに形にできる、これが、ものづくりに関わる人間の喜びだと思います。今年の新入社員や、これから就職を考える学生方にもこの喜びを知ってほしいです。

(2)コロナ禍で新たに始めた趣味
コロナの時期、ストレス発散したいとTwitterでの情報発信を始めました!
日々の活動から感じた工場経営や現場における改善、推薦書の紹介などしています。6月から本格的に初めて、4ヶ月でフォロワー8,000人を超えました。反響に驚いていますが、色んな方のコメントに刺激を頂いています。

企業名
株式会社 松田電機工業所
設立
昭和33年4月
所在地
[本社・本社工場]〒485-0036 愛知県小牧市下小針天神三丁目347番地
資本金
3,500万円
代表者
代表取締役社長 松田 佳久
売上高
171.7億円(2019年8月期)
従業員数
423名(2019年8月現在)
業種
自動車部品製造業
HP
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このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 産業部 製造産業課 
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2724
FAX番号:052‐951‐0977
メールアドレス:chb-seizo@meti.go.jp

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