コロナ禍での事業環境の激変が大きなきっかけです。当社ダンボール事業は、100%BtoB向けです。ダンボールといっても、ミカン箱のようなシンプルなものではなく、特定の工業部品の形状にあった緩衝材付のダンボールを設計し、製作しています。
例えば、自動車外装部品では、取引先の要望に応じて、輸送時の破損やキズ防止のために、不織布・プチプチ・ウレタンなどの緩衝材と、組仕切など、梱包する部品に応じた付属内装品を含めて設計から行っています。1日に数百個製造する量産品もありますが、家電製品など機種品番ごとに形状が異なったり、ダンボールに印刷する機種番号が異なるなど、小ロット(5個程度)の需要がありますので、当社は小ロット品を得意としてきました。
特に、私が入社した後は、強化ダンボールに対応できるカッティングプロッターや、短納期のため自社内で印刷までできるように大型のインクジェットプリンターを導入するなど、当社が培ってきたダンボール設計技術を活かし、試作段階からの取引や、小ロット・短納期対応の強化に力を入れました。
そして、高い成長が期待されてきた航空機部品については、部品の種類が多く、海外輸出に向けて丁寧な梱包が求められるため、当社の力が発揮できる分野として取引を広げてきたところでした。
ところが、コロナ禍により、様々な産業の部品生産が落ち込み、特に、航空機業界の状況が一変。当社は、航空機部品向けが2割ほどを占めるようになっていたため、大きな影響を受けました。
そんな中、外部デザイナーと「Afterコロナ生活を楽しくする商品」を開発できるというお話をいただきました。BtoBでは、当社なりに自社の強みを活かして仕事の幅を広げつつあったのですが、将来予測が一変する事態に対して、どう対応すべきか答えが出ない状況の中、今こそ新しいことにチャレンジすべきだと思いました。