PRODUCT逸品

株式会社鈴木化学工業所(愛知県額田郡幸田町)

cobitsu十年急須(軽くて割れないモダン急須)

商品の特徴

耐久10年10万kmの自動車部品製造技術で、急須で淹れるお茶をもっと手軽に

 自動車の耐久10年10万kmを支える樹脂製保安重要部品を製造する、高度な射出成形と溶着技術が機能美と結び着き、品質と耐久性に優れた「十年急須」が生まれました。
 コロナ禍で増えた家でお茶を飲む時間。急須で淹れるお茶をもっと手軽に楽しむための、気取らずどんなインテリアにも馴染む軽くて割れない急須です。
仕様・価格
[サイズ]W136mm×H157mm×D150mm
[重量] 約260g
[容量] 約500ml
[原料] 飽和ポリエステル(トライタン)
[価格] 7,000円(税込)
※2021年3月15日まで、クラウドファンディング中(応援購入早割あり)
ホームページ
十年急須[クラウドファンデングサイト]
PROFILE企業プロフィール

有限会社大橋量器

企業名 株式会社鈴木化学工業所
代表者 代表取締役社長 小幡 和史
所在地 愛知県額田郡幸田町大字六栗字左右作2番地1
設立年 1960年(昭和35年)
資本金 3,500万円
事業内容 自動車用を中心とするプラスチック部品の成形・加工
電話番号 0564-64-1058
ホームページ 十年急須[クラウドファンデングサイト]
株式会社鈴木化学工業所

株式会社鈴木化学工業所(愛知県額田郡幸田町)

 1960年の設立以来、自動車部品の中でも、パワステやブレーキオイルのタンク、冷却水タンクなど、車の基本機能・安全走行に関わり、厳しい品質管理が求められる自動車用プラスチック部品の成形・加工を行う。 コア技術は、樹脂精密成型と溶着で、クリーンルームに準じた環境での成形や三次元測定機・輪郭形状測定機などの導入により、ミクロン単位の精度要求にも対応している。 高い技術力と品質管理能力で、車の安全性、走行の快適さ、さらには軽量化やリサイクル容易化で環境対応にも取り組み、最近では、EV・FCVのエネルギー充填口部品を製造する等、主要自動車メーカーからの高い信頼を得ている。

INTERVIEW創り人にきいてみよう

創り人

ISHITA KUNIYUKI
管理部 管理課 開発グループ 井下 邦之 さん 

十年急須は、どうのように開発したのですか?

 社長(下記「ボスに聞いてみよう」参照)から、外部デザイナーと「Afterコロナ生活を楽しくする商品」をやってみないかと話をもちかけられたのですが、自社商品をデザイナーと一緒に開発するという夢のような機会に心が躍り、是非やりたい!と即断しました。
 当社はコロナ禍早々から、コロナ対策のフェイスシールド製造に取り組んでいましたが、もう少し長い目でAfterコロナに当社の技術的な強みが活きる商品を開発したいという思いがありました。

 デザイナーの星野さん、当社開発メンバー、(株)AMNでブレーンストーミングをするなかで、家で過ごす時間の増加でお茶を飲む機会が増えていること、リラックスしたり、在宅勤務の集中力を高めたり、新しい役割を持ち始めていることに着目して、陶器やガラスに比べ割れにくいという樹脂の特性を活かして急須を目指すことになりました。
 星野さんが当社工場を見ていただいた際に溶着という当社のコア技術を知っていただき、溶着技術を活かしたデザインに結びつきました。

共に商品開発に取り組んだのは、星野泰漢(Hoshino Taikan)さん。2016年に設立した(株)Ginger Design Studiodeで、テクノロジーとデザインの視点から新しい製品・サービス開発、プロモーションを手がけている。

鈴木化学工業所の鈴木会長、小幡社長、井下さん、粂谷さん、デザイナーの星野さん、(株)AMN原田さん、原さん(順不同)。

開発を進める中で苦労されたのはどのような点ですか? 

 製品設計は試行錯誤でした。星野さんは、当然ながら理想の形状をデザインとして提案されます。しかし、製造方法は樹脂の射出成形ですので、樹脂が固まったあと型を抜くことが可能な形状である必要があるなど、制約があります(抜き勾配)。
 また、射出成形をする上では、製品の構造上、金型を分割する必要がありそれによって出来る線(パーティングライン)があり、それは射出成形の業界ではある程度仕方がないことと理解されますが、デザイナーの立場ではデザイン上受け入れられない、という反応も新鮮でもあり、製品デザインと金型設計をどう両立させるかは、苦労しましたが学びも多かったです。
 その他、注ぎ口の液だれや、蓋を固定する方法(ネジ式→ラッチ式)など、互いに意見を出し合いながら、部分ごとに試作を重ねて、3Dプリンターでも6回ほど試作を重ねて完成していきました。
 素材は当社としては初めて取り扱うトライタンという樹脂です。高価ではありますがトライタンは強度、耐熱性、透明感に優れており、トライタン自体のブランド性がターゲットとする30~40代に合っていることと、何より哺乳瓶に使用されるほどの安全性が認知されていて、当社としても初の飲料容器ですので、健康や安心安全を重視して採用しました。


当初のデザインからチームによる試行錯誤を経て、洗練された商品に仕上がっていった。

完成した商品の特徴は、どんな点でしょうか? 

特徴は次のとおりです。
(1)液だれしにくい
お茶を注ぐとき、お茶が注ぎ口の外側を伝って垂れてしまうことは誰しも経験があるのではないでしょうか。試作を繰り返してたどり着いた注ぎ口には、外側に段差をつけることで液だれしにくい工夫がされています。
(2)取っ手と蓋が一体だから簡単に使える
通常の急須は、取っ手を持ちながら、もう片方の手で蓋を押さえる必要がありますが、十年急須は取っ手と蓋が一体型。ラッチ式でカチッと回して閉めるタイプなので、注いでいる間に蓋が落ちる心配がありません。
(3)洗いやすい形状
茶こしを外せば内側はとてもシンプルな形状。隅々まで手が届き、洗いやすいように配慮されています。


二重構造で保温性が抜群。底と本体の接合部分に溶着技術が使われている。

今回の自社商品開発の感想や、今後に活かしたい点はいかがですか?

 商品価格の設定や販売などの一切を自社で決定するという、自社商品ならではのプロセスは、既存のお客様の立場や考え方を体験して、理解を深めるいい機会になったと思います。
 また、星野さんとの開発をする中で、今まで自分達の発想が、成形方法の制約の中での発想に留まっていた、という気づきを得ました。よりよい製品を実現するために、既存の枠組みや概念を超えて考えていくという点は、主力の自動車部品の設計開発にあたっても活かしていきたいと思っています。


双腕ロボットを活用した人とロボットの共同作業工程づくりにも力を入れている。

2021年1月30日に開始したクラウドファンディングでは、初日に目標金額を達成し、応援コメントなども寄せられていますが、反響についていかがですか?

 チャンスをいただいたものの、実は売れなかったらどうしようと心配していたので、率直にほっとしたし、うれしかったです。ただ、まだクラファン中・生産準備中でもありますので、励みにしつつ気を引き締めて、生産までの準備に邁進したいと思っています。
 また、クラファンの応援購入者の年齢層などを分析してみると、60代~80代といった高齢の方が多かった点は意外な発見でした。また、娘から母へのように、高齢の方にギフトとして購入いただいたケースも多くあり、今回、コロナ禍のおうち時間増加をきっかけに30~40代をターゲットに考えてきましたが、お茶を飲む時間を楽しみたい年齢層は幅広く、樹脂だからこその割れにくいことや、ダブルウォール構造で実現した保温性について、評価や期待が高いことが把握できましたので、今後の展開に活かして行きたいと思っています。


インタビュー当日(クラファン開始9日目)には、目標の8倍もの応援購入が集まっている。

INTERVIEWボスにきいてみよう

自動車部品を中心に樹脂加工をされて昨年60周年を迎えられました。自動車部品以外の分野への取り組みは、どのような経緯で取り組み始めたのでしょうか?

 当社の製品は、99%以上が自動車部品です。仕事は楽しくやらなくては、と常々から思っていますが、たくさんの自動車に当社の製品が搭載されているものの、最終消費者・ユーザーの方から見える存在ではないため、いい製品を作っているというダイレクトな手応えを、社員が感じる機会に恵まれません。自社商品を作って、作ったものの評価を社員が感じられるようにしたいという思いがありました。
 5年ほど前から、設計・開発部門を設けて、垂直方向に仕事の幅を広げてきました。さらに中期経営計画(2020年~2022年)を考えるなかで、自動車産業の環境の変化に対応して、仕事の幅を広げていくことや、新分野にも取り組むことを社内でも目標のひとつとしてきました。そういった中、コロナ禍となり、開発グループにおいてはフェイスシールドの製造・販売や、愛知県の新型コロナウイルス感染症対策新サービス創出支援事業費補助金を活用してマウスシールドの開発にも取り組みました。 今回の外部デザイナーと組んでの開発は、当社の開発部門の取り組みを一歩前に進めるいい機会だと思い、開発部門が自由に力を発揮できるように、見守ってきました。

一枚のガラスを曲げた表札
代表取締役社長 小幡 和史さん

十年急須の反響や、今後の展開をどうお考えでしょうか?

 クラウドファンディングでは、大きな反響をいただきました。社員からも購入したいという声も聞こえてきて、社員が誇らしく思ってくれているとしたら嬉しいです。クラファン終了後は、ECサイトでの販売やお茶や紅茶の専門店とのコラボなど、新しい展開も考えて行きたいと思っています。本格的に事業化する自社商品として、もり立てていきたいと思っています。

一枚のガラスを曲げた表札

今後の事業展開については、どうお考えでしょうか?

 自社商品を通じてお客様の評価や要望に触れる機会が増えること、設計-製造-価格設定・販売まで一貫して当社で行うことは、従来のようにお客様からのご要望にお応えするだけでなく、お客様のニーズをより深くくみ取ったり、 当社からの提案力を高めることにもつながっていくと思っています。取り組みの幅を、徐々にではありますが垂直(工程)にも水平(分野)にも広げ社員のモチベーションやスキルを高めて、 自動車部品製造にも活かしていきたいと思っています。

一枚のガラスを曲げた表札
EV・FCVなど次世代自動車の重要保安部品も手掛けている。写真は電気や水素の充填口に使用されるリッド。

upcoming逸品では、AICHI DESIGN VISION(以下「ADV」)連携企画を4回シリーズでお届けします。
ADVは、(株)AMNが主催し、愛知県を中心としたモノづくり企業と、その企業の技術に惹かれ想いに共感したデザイナーを繋ぎ、 コロナ禍において立ち上がったプロジェクトです。4か月という短い期間でオンラインにより打合せを重ね、新商品開発に取り組みました。

Copyright (C) ものづくりプロが創る逸品応援サイト All rights reserved.