PRODUCT逸品

有限会社大橋量器(岐阜県大垣市)

cobitsuCOBITSU:こびつ(枡のおひつ)

商品の特徴

桧香る枡のおひつ COBITSU で、忙しい日の食卓が贅沢な時間に変わる

 米の計量器がルーツの枡(ます)。近年は酒器などとして人々が集まる祝いの席を晴れやかに彩ってきたが、コロナでその機会が激減。「枡とお米の新しいご縁」による最高の体験を日々の食卓で提供することをめざして生まれたのが、枡のおひつCOBITSU。
 おひつのような調湿性、レンジで温めるときの蒸し器効果で、ご飯をベチャつかせず・パサつかないちょうどよい湿度に保つことができ、良質な国産桧(ひのき)が幸せな香りを纏わせる。機能美を備えたCOBISTUは、レンジで温めてそのまま出すだけで、食卓を贅沢に彩ります。

仕様・価格
[内容量]
1.5合(270ml、ふたと干渉しない量をよそったとき)
[素材]
国産桧(本体、ふた、木べら)、シリコン(バンド)
[サイズ]
123.4mm×123.4mm×58mm
[価格]
単品:COBITSU1個と一合枡セット4,000円(税込)~、COBITSU3個と一合枡セット10,000円(税込)~など。地場産品(お米、鮎、飛騨牛)とのコラボセットあり。
※2021年3月15日まで、クラウドファンディング中(応援購入早割あり)
ホームページ
「COBITSU」[クラウドファンデングサイト]
「枡工房枡屋」[公式Webshop]
PROFILE企業プロフィール

有限会社大橋量器

企業名 有限会社大橋量器
代表者 代表取締役 大橋 博行
所在地 岐阜県大垣市西外側町2丁目8番地
設立年 1950年(昭和25年)
資本金 300万円
事業内容 木製枡・計量器の製造・販売、木製食器、木の器の製造・販売
電話番号 0584-78-5468
ホームページ COBITSU[クラウドファンデングサイト]
有限会社大橋量器
SNS Facebook[大橋量器 OHASHI RYOKI CO.,LTD.]
Instagram[枡工房枡屋]

有限会社大橋量器(岐阜県大垣市) 

 1950年創業。全国の木枡生産シェア8割を誇る大垣市で、年間120万個もの枡を生産する木枡専門メーカー。枡は、1966年の計量法改正でお米の計量器という役割からの転機を迎え、以降、樽酒を振る舞う酒器として祝賀パーティーや結婚式を華やかに彩ったり、神前に備える供物の器などとして、1300年もの歴史と伝統を守りながら作られ続けてきた。同社は、2000年代から現代のライフスタイルにあった新しい枡の使い方の提案や、革新的な枡の製作にも力を入れ、国内外に発信してきた。
 2020年のコロナ禍に際しては、祝いの席が激減し一時は75%減収に瀕したが、「#stayhome枡」「hinoki MASUKU」「豆ますマスクフック」「マスパーティション」など、コロナ禍でも次々に新商品を発表し、2021年1月には「COBITSU」のクラウドファンディングを開始した。また、枡と地域の魅力を体験できるマイクロツーリズムなど、地域活性化についても意欲的な取り組みを行う。   

INTERVIEW創り人にきいてみよう

創り人

OHASHI HIROYUKI
代表取締役 大橋博行 さん

コロナの御社への影響はいかがですか? コロナ禍直後の5月には「#stayhome枡」で話題をさらい、以降もコロナを逆手に取ったとも思える新商品を多く生み出しています。

 枡は、近年では樽酒を振る舞う酒器として祝賀パーティーや結婚式など、人々が集まる祝いの席を華やかに彩るものとして使っていただいています。コロナ禍、特に2020年春は、枡を使っていただける、人が集まる機会自体が減少して大打撃を受けました。 底である5月は売上が75%減に瀕しました。何かコロナ禍に対応した手立てを考えようにも、会社の存続や職人の雇用など、まずは経営面で奔走を強いられました。
 そんな中で、普段から新商品開発や情報発信を担っている営業チームから、次々と新しいアイディアが出されました。私は、何事にもチャレンジしていくスタンスでいますので、チームの提案の後押しをしようと思いました。かつては、主に私が一手に新商品開発を担っていたことを考えると、急転直下のコロナ禍でのこの社内の推進力は、頼もしかったです。

枡の側面に「#stay home」や、疫病退散を願う妖怪「アマビエ」を刻印した、オンライン飲み会で映える枡や、「hinoki MASUKU」「マスパーティション」を次々に発表。

20年ほど前から、新しい枡の使い方の提案や新商品の開発をされてきました。どのようなきっかけからですか? 

 枡は、何百年もの間お米の計量器でしたが、1966年の計量法改正でお米の計量器という役割からの転機を迎えており、私が1993年に大橋量器に転身して1年が過ぎたころ、計量器や寺社の供物の器など伝統的な需要に頼っていては先細っていくと危機感を持ちました。 まずは前職で培った営業力を活かそうと、酒造メーカー・酒蔵への酒器としての販売に力を入れ、全国行脚をしました。一旦はそれで持ち直したのですが、洋風が好まれるライフスタイルの変化、例えば祝い酒も日本酒からシャンパンへ、といった変化から、酒器としての需要も頭打ちになるのでは、と思うようになりました。
 酒器として画期的な商品を作り出すのか、枡で他にできることはないか、2000年頃から、枡への色付けや刻印、異形などのオーダーメイドなどに取り組みながら、ひとりで考案、試作などを繰り返し、いろいろとあがいていました。
 転機としては、2005年に自社敷地内に、アンテナショップ「枡工房ますや」を開いたことでしょうか。大垣のショップで一般の方々の反応や声を聞くことで、新しい発想にもつながりましたし、新商品の中でも定番といえる商品ができるようになってきました。


枡工房ますやの店内。大垣市内を静かに流れる水門川沿い、松尾芭蕉の「奥の細道」むすびの地までも徒歩5分の好立地。

新商品開発体制はどのように充実されていったのですか?

 インターシップ事業者の草分けで岐阜を拠点にするNPO法人G-netとのご縁がつながったのも、枡工房ますやを始めてしばらくしたころです。
 社外デザイナーに依頼したのは2012年に採択された地域資源活用新事業展開支援事業(経済産業省)がきっかけでした。現在は社内でデザインもある程度していますが、自分たちだけの発想を超えて外部人材と共に取り組む経験が、インテリア雑貨「MASSシリーズ」などにつながっています。
 また、枡の魅力を国内外に発信しようと、展示会・ギフトショーなどにも積極的に参加してきました。特に、2012年にニューヨークで開かれたNew York International Gift Fairでは、海外のハイブランドやニューヨーク近代美術館MOMAのショップで取り扱ってもらうきっかけをつかみました。
 思い返してみれば、今の社内の新商品開発体制には、そういった取り組みがメディアで取り上げていただけたことや、インターンシップ受入れの副次的な効果で、日本の伝統工芸である枡を職人として支えたい、枡でワクワクする新事業・新商品にチャレンジしたいという志をもった若者が新卒採用できるようになったにことからつながっています。


異形の酒器「すいちょこ」と、海外でも人気の「カラー枡」。インテリアや小物入れとしても好評。

職人20人、営業チーム7人、ほか計31人。平均年齢30歳と若く、活気が溢れる。

COBITSUは、どういった経緯で開発することになったのですか?

 営業チームのひとりが外部デザイナーと「アフターコロナの暮らしを楽しくするモノ」を開発したい、と話を持ち込んできて是非やりたいと思いました。 コロナ後の、宅飲み・オンライン飲み会で映える酒器、マスク、パーティションなどコロナ関連の商品は、社内のアイディアを素早く商品化でき、大いにメディアで取り上げていただいたことで、売上に貢献したのはもちろん、コロナ禍でも枡屋が頑張っている姿をたくさんの方に知っていただけて、明るい話題や励ましになったという声もいただけて嬉しく思っていました。
 一方で、中長期的に生活様式、行動様式が大きく変わりました。当社の商品「Math Salt」(入浴剤)、「エコ加湿器マスト」などおうち時間を豊かにする商品の売上の伸びからも、新たな需要を感じていました。 コロナで起きた変化の中には、一時的で元に戻るものもあると思いますが、在宅勤務の普及、おうち時間の充実に対する需要など、戻らない変化や新しい需要に対して策も打ち出さなければ、と思っていたところでした。


共に商品開発に取り組んだのは、南地秀哉(Minamiji Hideya)さん。本職はロボットベンチャー・GROOVE Xで”LOVOT”とつながるスマホアプリのUI/UXデザイナー。

どのように開発を進めたのですか?

 デザイナーの南地さんと、私を含む社内3人と、(株)AMNさんで、イチからアイディアを紡ぎ出しました。狙うはメジャー市場か、ニッチ市場か、コロナによるニーズの変化に対してどうかなど、様々なベクトルで検討してみましたが、1周回って枡のルーツである「枡とお米」の新しいご縁を見つけ出し、おうち時間に幸せを提供することを目指すことにしました。
 「生米のサブスク・ネット購入×枡」、「枡に入った冷凍食品のサブスク・ネット購入」、「枡で電子レンジ炊飯」など、様々なアイディアについて試作や実験などを繰り返しました。実験は失敗の繰り返しでしたが、枡の魅力、例えば、枡の質感が非常によくて贅沢な感じがすること、プラスチック・耐熱ガラスのタッパーで冷凍ご飯を解凍するよりも断然ベチャつき感がなくふっくらと仕上がること、桧の香りの良さなど、枡と食卓やご飯との相性について再発見があり、COBITSUの「自分で炊いたご飯を入れて冷凍する器としての枡」案にまとまっていきました。
 COBITSUの形状については、南地さんの「食べやすさ」と「収納性」を実現する、底面が狭く上面が広い四角錐「オベリスク形状」のデザインが順調に決まっていきました。ストレスなくお箸が入りますし、ある程度スタッキングすることもでき、用と美を両立した素晴らしいデザインだと感服しました。垂直水平でない異形で、職人の手作業になりますが、特注チーム(20人の職人のうち4名ほど)が力量を発揮してくれています。
 南地さんとコラボしたことで、商品のコンセプト形成のプロセスもそうですが、重ねたときや冷凍庫への収納性を3D CADで何パターンもシミュレーションしたり、ペーパーモックを作って検証するなど、当社ではやったことのない開発・検証の手法も経験できました。
 一方、苦戦したのは、無垢の国産桧そのままでは、桧の匂いが強すぎる、米粒が枡にこびりつく、吸湿性がよすぎて蓋が反ってしまう、などの点でした。チーム内だけでなく、外部の方やご飯・米の専門家にも食べて感想をいただいて改善を重ね、食品衛生法をクリアするコーティング材を本体と蓋で使い分けるなど、解を見出し、桧の吸放湿性や香りを損ねることなくお手入れも手軽にできる、自信をもって持って提供できる商品に完成させることができました。


デザイナーの南地さん、大橋量器の大橋さん・伊藤さん・佐藤さん、(株)AMNの原さん・原田さん(順不同)。

自然木・桧ならではの木目の表情、手ざわりの良さ、そして香りを引き立たせる、用と美を備えたこだわりのデザイン。

試作、実験は苦難の連続。

2021年1月30日に開始したクラウドファンディングでは、発売直後に目標金額を達成し、1日で目標金額7倍を超えて一時はリターン品不足になるほど、大きな反響を得ています。

 クラウドファンディングは、2015年の初挑戦から5度目でしたが、クラファンが一般化してきたのか、まさか数時間で目標金額を達成するとは想定していませんでした。
 実は、1月の2度目の緊急事態宣言で、寺社での節分の豆まきイベントが中止になるなどして、柱のひとつである節分の豆の器としての売上が伸びなかったタイミングでもあったので、応援購入してくださった方の温かいコメントは、胸に迫るものがありました。
 クラファンでは、応援購入の反響をリアルタイムで把握でき、当社からもレスポンスできますし、プロジェクトの背景や開発ストーリーをしっかり説明できますので、応援購入いただいた方からのコメントでは、商品そのものの魅力で応援いただいた方、あるいは、プロジェクトの背景に共感して応援してくれる方など、手応えを感じたり、次なる展開のヒントをいただけています。


インタビュー当日(6日目)には、目標の18倍もの応援購入が集まっている。

COBITSUの今後の展開はどのようにお考えですか?

 お酒を除くと、初めての食品の器ということでハードルは高かったですが、今まで人々の集まる祝いの席が中心だった枡の活躍の場、枡で幸せが提供できる場所に、日々の食卓という新しいフィールドを見出せたことは、今後の展開を考える上で、大変いい機会になりました。
 嬉しい悲鳴ですが、すでにCOBITSUのリターン品の発送は、半年程度お待たせすることになってしまっていますので、まずはクラファンを原資に生産設備や体制を整えたいと思っています。直営の枡工房ますや・webshop、ECサイトはもちろん、セレクトショップ・百貨店など様々な販売チャンネルで、多くの方のおうち時間に、枡で幸せを送り出していきたいです。

COBITSU以外にも、様々な取り組みをされています。今後の展開はどのようにお考えですか?

 コロナ禍の制約の中でも、オンライン・SNSを通じて、さまざまな取り組みをしてきましたが、やはり、枡の魅力、風合いや香りなど、リアルに感じていただきたいという思いもあります。人々の移動ができるようになったら、引き続き、枡の魅力を発信するために国内外の展示会に出展したり、枡だけでなく大垣を中心とする西濃地域の魅力を体験していただけるようにしたいと思っています。
 2013年から市内の木枡製造業者等と『大垣「ます」まつり』を開催したり、2016年からは大垣商工会議所等とも、大垣のブランドとしての認知度を高める取り組みをしてきました。それが実を結び、2020年7月に「大垣の枡」「大垣の木枡」が特許庁に地域団体商標としての登録していただけました。
 枡で地域を元気にしたいという思いから、トヨタ自動車のプロボノ研修の受入れテーマとして「枡と地域の魅力を詰め込んだ 枡から発信するマイクロツーリズム」に取り組み、2020年12月にはクラファン開始するなど、事業化を模索しているところでもあります。
 いろいろな新事業・新商品に今までもこれからも取り組みますが、それでも伝統的な枡が売上の主力ですので、人々が集まる祝いの席が奪われる状況下では、まだまだ厳しい状況は続きます。

 伝統の枡を次世代につなげていくためにも、いろいろなことにチャレンジし、枡で元気・ワクワク・癒し・幸せをお届けできる取り組みを続けていきたいと思っています。

14,000個もの枡を使ったパーテーション(アゼルバイジャンの日本食レストランにて)。2020年3月に発表したMASPACIO(マスパシオ)は枡の内装材で、海外展開も目指す。

upcoming逸品では、AICHI DESIGN VISION(以下「ADV」)連携企画を4回シリーズでお届けします。
ADVは、(株)AMNが主催し、愛知県を中心としたモノづくり企業と、その企業の技術に惹かれ想いに共感したデザイナーを繋ぎ、 コロナ禍において立ち上がったプロジェクトです。4か月という短い期間でオンラインにより打合せを重ね、新商品開発に取り組みました。

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