PRODUCT逸品

株式会社丹羽シートメタル(愛知県小牧市)

犬用ステンレス製トイレトレイ犬用ステンレス製トイレトレイ

商品の特徴

精密板金技術で愛犬家を笑顔に!顧客との会話を通じて、ニーズや改良のヒントを求め続ける

 精密板金技術があってこそかなうシンプルな構造の犬用ステンレス製トイレトレイは、一般的なプラスチック製商品の課題である、犬の噛みつき・いたずらによる破損、不衛生、臭いなどを改善する画期的な商品。
 顧客のニーズに寄り添って改善を重ね、一般的なプラスチック製商品の数倍の価格となるものの、愛犬家の支持を集め発売から10年経った現在も売上げを伸ばす。

仕様
サイズ:44.5cm×33.5cm 高さ2cm(段付きタイプ・レギュラーサイズ)
重量:2.2kg(段付きタイプ・レギュラーサイズ)
素材:ステンレス
※フラットタイプ・段付きタイプ、それぞれ3サイズあり(市販のトイレシートサイズ対応した、レギュラー・ワイド・スーパーワイド)。また、オーダーメイド可能。

価格
38,000円~(税抜価格)
ホームページ
犬用ステンレス製トイレトレイ
PROFILE企業プロフィール

有限会社カツミ製作所

企業名 株式会社丹羽シートメタル
代表者 代表取締役 丹羽 英晶
所在地 愛知県小牧市大字間々原新田字上芳池186の1
設立年 1960年(昭和35年)
資本金 1,000万円
事業内容 精密板金
電話番号 0568-73-7411
ホームページ 株式会社丹羽シートメタル
特設サイト 犬用ステンレス製トイレトレイ

株式会社丹羽シートメタル(愛知県小牧市)

 1960年、溶接主体の丹羽溶接工業所として創業。1981年からタレットパンチングプレス(タレパン)加工を手掛けはじめ、1985年、株式会社丹羽シートメタルに改組。
 鉄・ステンレス・アルミの広幅・長尺のタレパン加工を得意とし、幅広・長尺板の切断、打ち抜き、曲げなどの、試作から中ロットの加工まで、顧客の困りごとの解決に柔軟かつスピーディーに取り組む。
 取引先の廃業やリーマンショック等で、主要取引先からの受注の大幅な減少を経験。「タレパン工房」との愛称の下、自社サイトでの情報発信による新規顧客獲得を模索する中で、愛犬家のお困りごとを解決するBtoC向けの自社商品が生まれる。
 

INTERVIEW創り人にきいてみよう

今月の創り人

HIDEAKI NIWA
代表取締役 丹羽 英晶 さん

NORIAKI FUNAHASHI
舟橋 紀晶 さん

どのような経緯で自社製品を販売することになったのですか。

 当社はもともと、数社からの比較的大口の受注に応える板金加工を柱として経営していました。しかし、バブル崩壊後から続く価格競争の激化や、取引先の廃業などで年々大口の仕事が安定的に入る見通しがたちにくくなる中、新規取引先の開拓を目指しました。 自社サイトを外注して開設する、取引先に別の仕事を紹介してもらうなど手を尽くしましたが、なかなか自社の技術を活かして採算がとれる仕事に結びつきませんでした。
 そこで自ら外部のWeb集客講座などに参加して、自社サイトで情報発信の強化に取り組みました。ちょうどリーマンショック前後のことで、従来からの設備関係の板金の受注が大幅に減少しましたが、自ら考え抜いて自社サイトでの情報発信を強化した甲斐もあって、 自社サイトがきっかけとなるBtoBの取引が増え始めました。
 ブログを始めたのもその頃です。私(丹羽社長)の弟で当社で働く舟橋さんが遊休設備で作ったステンレス製の犬用トイレトレイのことを、ブログネタとして書いたら反響がありました。

では当初は販売するつもりでステンレス製の犬用トイレトレイを開発したのではなかったのですか。

 実は、舟橋さんが自宅を新築した際に、リビングに置く愛犬用のトイレトレイを見栄えよくしたくて、端材などでトイレトレイを作ったのです。現在の商品のようないたずら防止機能もない、単純なステンレストレイだったのですが、愛犬仲間にとても評判が良く、端材などで作れる限りは作って譲っていたのですが、愛犬仲間の口コミやブログなどで知った方から売って欲しいという声が届き始めました。
 また、トイレシートを犬がいたずらで破いてしまうのをどうにかできないか、など相談されるようになり、遊休設備を借りての片手間では対応できない製品アイディアも浮かんできて、会社とし取り組んではどうか、という流れになりました。
 正直、プラスチックなら数千円で買えるものを、ステンレス製とはいえ、数万円で買う人がいるのか、半信半疑ではありました。また、愛犬家の舟橋さんにとっては、犬のいたずらはしつけの問題で、便利なグッズで解決すべきものか、悩んだこともありました。

 でも、ステンレスの特性や自社の技術を発揮すれば、犬を含めた家族みんなストレスなく、笑顔で暮らせるようにできると考えました。事業になるかどうかということより、お困りごとを解決したいという気持ちが強かったです。


一枚板の四辺を曲げて段を付けた「段付きタイプ」

どのような特徴のある製品なのですか?

 一般的なプラスチック製のトイレトレイでは、犬の噛みつきで破損したり、ひっかきで傷ができます。また、枠、網などの部品を組み合わせているため隙間があり、洗いにくいため、傷や隙間に汚物が残ってしまい、不衛生ですし臭いの原因になります。 いたずら盛りの犬を、安心して留守番させられることを目標に開発しました。
 今、一番ご購入いただいているのは、市販のトイレシートを、トレイと四辺に段をつけた「いたずら防止プレート」で挟むタイプのものです。「いたずら防止プレート」を、ステンレスの一枚板でつくることに、こだわりました。シンプルな構造で洗う手間がかりません。

 このプレートはステンレス板の中央部分をタレパン(タレットパンチングプレス)加工でメッシュ状に穴をあけ、四辺の端を曲げ加工によって直角に折り曲げて、枠のような段を付けています。 最初の工程であるタレパン加工では一方方向から打ち抜くので、密度高く穴をあけ、かつ、プレートが反らない・歪まないようにするのは高い板金技術・ノウハウが必要です。 また、四辺に段を作る曲げ加工は容易ではなく、曲げる時点でプレートの歪が大きいと正確に収まり良く折り曲げできませんので、当社の精密板金技術が活かされた商品と言えます。


「いたずら防止プレート」は反り・歪みが少なく開口率が高い

自社サイトでは、イラストや漫画を多用し、YouTubeでの商品説明、LINE@などのSNSでの顧客とのコンタクトなど、ユニークで斬新とも思える販売方法をとっていますが、販売の仕方で苦労・工夫した点はありますか。

 お客様にとっては、ペット用品に数万円、というのは決して安くないお買い物だろうと思います。また、トイレ用品ですので気軽に返品交換をしていただけるものでもありません。 商品説明の不足や誤解で嫌な思いをしていただきたくないので、あえてボタンひとつで購入できる大手ECサイトを主な販売手段とせず、情報を十分に載せた自社サイトをご覧いただき、SNSやメールなどで購入意思の確認を行っています。 注文確定までに商品についての過去にいただいたネガティブな評価もお伝えしますし、愛犬との相性をご心配されているケースでは、商品と同じものをお送りしてお試しいただいてから購入いただくこともあります。
 お客様と密に連絡をとることは、商品をよりよくするために大いに役立っています。たとえば、パンチングの開口率は高い方が喜ばれること(ステンレス部分が少ない方が、犬の足に汚物が着かない)、 トイレトレイが軽いと犬がひっくり返してしまうので重さの調整にニーズがあること、目に見えて犬が接する表面だけではなく裏面もなめらかにすることが喜ばれること(洗浄しやすい)など、様々な改良アイディアが生まれ現在の商品に至っています。
 実は、携帯電話番号やSNSで24時間受付としていることについて、同業者などからは対応が大変じゃないか心配されることがあるのですが、BtoBの取引は日中に問い合わせがあるのとは対照的に、 トイレトレイの問合せは、お客様が皆さん就労後にお買い物されるのか夜間や休日に偏っています。よってBtoBの仕事に影響することは少ないですし、私はもともとおしゃべり好きで、夜間や休日に電話やSNSで対応するのも苦ではありません。 YouTubeで自分の顔をだしていることもあり、親しみをもって連絡をくださる方が多いです。
 数万円するペット用品は、万人に受ける商品ではありません。広告にコストをかけるよりも、ネット検索できちんと表示されることや、満足いただいたお客様の口コミやSNSでの拡散の方が、同じお困りごとを抱えている方につながっています。 SNSなど、多様な人と気軽に繫がれるツールができたことが、時代の流れにあっていてこの商品にとって幸いだったと感じています。


商品特設サイトはYouTubeやSNSを活用

発売から10年を迎えますが、販売実績はいかがですか。BtoBの仕事との違いはどんなところですか。

 おかげさまで、年々販売個数を増やして累計859個(2019年11月取材時点)となり、最近では当社の年間の売上の4分の1ほどを支える大事な事業に育ちました。
 当社のBtoBの取引は、完成品よりも部分工程の加工が多く、最終製品を使う取引先の反応が見えにくい仕事が多いですが、トイレトレイは自社サイトから販売を通じてお客様と直接つながっていて、直接評価をいただくため、やりがいを感じます。

BtoB事業への影響はありましたか。

 トイレトレイ自体も当社を支える事業に成長しましたが、BtoBの新規取引先獲得への貢献の方が大きいかもしれません。取引先に納品するものの加工は秘匿情報もあって見せられない部分がありますが、自社商品のトイレトレイの情報は好きにサイトで公開できます。 ですので、自社サイトで公開している加工技術の動画や、あるいは個人向けのような小口の仕事をやっているという事実が、試作・小口・単工程加工などの仕事を頼みやすくしているのだと思います。
 現在の取引先は自社サイトをきっかけに取引が始まったところがほとんどで、数十社にのぼります。かつては1社からの大口の仕事をやっていましたが、今は、大口の取引から月に1度とか年に1度の小口や単工程加工のみの取引など、多くの取引先と様々な取引をしています。 幅広い業種と取引していますので各業種の需給の波にも対応がとれますし、自社サイトで得意とする加工の情報をアピールしていますので、お客様にも喜ばれ、弊社にとってもありがたい仕事に特化できているように思います。


自社サイトでは、得意加工を動画で紹介

今後の展開はどう考えていますか。

 トイレトレイを知って購入いただいたお客様からは、「イライラせずに愛犬と向き合えるようになった」との感謝の声を多くいただいています。今後もお客様のニーズに寄り添って商品を改良し、愛犬と笑顔で過ごせるご家族を増やしていきたいと思っています。
 トイレトレイでは、設置場所や犬種によって特注対応や、オーダーでペットグッズの製作を頼まれることもありました。個人様相手の特注対応の経験値もできてきましたので、例えば、お風呂の排水溝の蓋などは、メーカーによってサイズが様々ですが、衛生面・洗浄のしやすさなどトイレトレイと同様の課題がありますので、ステンレスの特性や自社の加工技術を活かせたらと思っています。
 自社製品に限らず、BtoBの分野でも「タレパン工房」と称しているとおり、小回りよく、取引先から相談していただきやすい工房として、当社の技術を活かした課題解決に力を発揮していきたいです。


犬の足跡型に打ち抜いたお風呂の排水溝の蓋

ステンレス製カトラリーレスト「あにまるぱんち」
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