PRODUCT逸品

株式会社亀山鉄工所(岐阜県各務原市)

FLUGELFLUGEL:フリューゲル(スチール製エンクロージャースピーカー)

商品の特徴

金属加工のプロならではの発想と技術で、音源に忠実な音を実現

金属加工のプロならではの発想で、日本初の金属製のエンクロージャーを使ったスピーカーを開発。木製スピーカーの弱点である素材自体の吸音・吸湿、経年劣化による気密性の低下などの問題を、金属の特性や加工技術で解決し、従来のスピーカーには出せない安定感、定位性、音色、そして音の広がりを実現。ひとつひとつ手づくりだからこそ可能な、息を呑むほどに繊細な音を再現性した、演奏者や音の製作者にも採用されうるハイレベルのスピーカーです。
サイズ
サイズ:173mm×320mm×270mm
重量:10kg
素材:熱間圧延鋼板
カラー
ブラック、ベージュ、ブルー、ホワイト
価格
40万円(ペア・税抜価格)
特設サイト
FLUGEL:フリューゲル(スチール製エンクロージャースピーカー)
PROFILE企業プロフィール

株式会社亀山鉄工所

企業名 株式会社亀山鉄工所
代表者 代表取締役社長 高井 史樹
所在地 岐阜県各務原市金属団地218 
創業年 大正年間
設立年 1961年(昭和36年)
資本金 1,000万円
事業内容 板金(特に大型薄板板金の設計から組立てに至る一貫生産など)
電話番号 0583-89-3488
ホームページ 株式会社亀山鉄工所
特設サイト FLUGEL:フリューゲル(スチール製エンクロージャースピーカー)

金属加工のプロならではの発想と技術で、日本初の金属製のエンクロージャーを使ったスピーカーを開発

 大正年間に岐阜市で創業した亀山刃物製造所を母体に、戦中は航空機部品、戦後は農機具やバスの部品を製造。昭和36年に株式会社亀山鉄工所に改組した後、昭和56年に各務原市金属団地へ移転、板金設備を拡充。工作機械・産業機械向けの大型板金を得意とし、顧客の要望に応じた設計、加工、塗装、組立にわたる一貫生産体制で、日々発展しつづける産業界の需要に対し、より高品質・より高精度な製品を提供し続ける。
 生産財である工作機械は景気に敏感に反応するため、需給の波が激しい業界である。自社の業績が業界全体のトレンドに大きく左右される側面があるなか、既存の事業に軸足を置きつつ、自社でできるチャレンジとして、今まで培った技術(板金・鉄加工)を活かして商品開発に取り組む。
 創り人の熱意で製作が決まったFLUGEL:フリューゲル以外にも、社員の日々の現場での改善活動から生まれた様々なアイデアを活かした自社商品を検討している。

工場の様子
工場の様子(曲げ工程)
工場の様子
工場の様子(溶接工程)
板金の技で製造したオブジェ
板金の技で製造したオブジェ
INTERVIEW創り人にきいてみよう

今月の創り人

開発部


HIGASHIDA KAZUMI
東田 和巳さん

開発部


TAKAAKI ADACHI
足立 貴昭さん

なぜ、スピーカーを開発することになったのですか。

 顧客の要望に応じた製品を製造するのが自社の業務ですが、「他社の製作図面で製品の一部を生産するだけでなく、自社製品を持ちたい」という思いが以前からあり、過去に何度かトライしました。 しかし、いずれも制御系、電子・電気系のアイテムであったため、会社全体を巻き込めず、継続できなかった反省があります。
 社長から話があった時、自社の製造技術をメインにスピーカーのスパイク(インシュレーター)等を考えました。しかし価格・利益等を考えると物足りず、板金製スピーカーエンクロージャーの開発に至りました。
 携わっているメンバーが、オーディオファンであったため、オーディオ関連であれば製品の良し悪しの判断がしやすく、また、自身で木製エンクロージャーを自作した経験があるため、ある程度の案があったことも要因のひとつです。


創り人と試作品

FLUGEL:フリューゲルにはどんな特徴があるのですか。

 下記5つの特徴が特徴といえます。納得いく形状にするため試行錯誤を繰り返しましたが、材料の切断・曲げ・溶接・塗装が自社で可能なため、試作スピードが速いことが自社の強みとして活かされたと考えています。

  1. 音の立ち上がりが早く原音に忠実です。これは金属製のエンクロージャーであることが一番の要因ですが、自社では金属加工を生業としており得意分野です。
  2. 音にメリハリがあります。これは箱を構成している6枚の板がそれぞれ平行ではなく、定在波が存在しにくい構造であることによります。板金を曲げることにより平行面をなくしていますが、精度の高い曲げ技術により実現できました。
  3. 密閉性が高く箱内部の音が必要以上に外に出ません。経年劣化のあるシール剤を使用せずに歪みの少ない溶接技術を駆使して密閉性を担保しています。
  4. ネジ類が外部に出ておらず外観が綺麗です。フレーム構造で外板をネジで固定してありますが、工作機械のカバーを製造技術を応用し、特殊なボルトを溶接することにより実現しました。
  5. 部品を交換して音の変化を楽しむことができます。中低音の厚みを強調するためバスレフダクトを使用していますが、これをサイズの異なるバスレフダクト(オプション部品)に交換することができます。

開発風景

平行面をなくした構造

開発で苦労されたところはどんなところですか。

 「剛性を高めること」と「軽量化すること」は相反する事項を両立させることに苦労しました。また、剛性を高めることにこだわると面白みのない音になるなど、方向性を見誤ることも経験しました。
 原点に戻り求める音を追求した結果、構造・形状が決まり現在の形になりました。当然、多くの方の協力をいただきました。

開発にあたっては、様々な専門家とも連携されたようですね。

 最初は大手スピーカーメーカーの代理店オーナーに聞いていただきました。評価は散々でしたが、再度試聴していただく機会をお願いし、改良を目指しました。それがスタートでした。
 それ以外に音の作り手であるトランペット奏者、バイオリン奏者、吹奏楽団指揮者等、様々な方の意見・アドバイスをいただきました。 スピーカーを楽器としてとらえてのアドバイスなども参考にさせていただきました。音の「作り手」と「聞き手」では音に対する表現方法は異なりますが、共通しているのは「原音に忠実であること」が重要であると理解できました。

開発が成就して発売に至りましたが、現状、今後の目標はいかがですか?

 販売していただけるオーディオショップが数店舗でき、サンプル器の試聴では高い評価をいただいていますが、販売実績については知名度がないためか苦戦しています。10セット販売することが当面の目標です。 BtoCのビジネスモデルは初めてでノウハウがありません。今後、販売のための試行錯誤を行い、実績を出したいと思います。
 「良いものでなければ売れない 良いものであっても売れなければ意味がない」。開発と販売の両輪が確立して会社が躍進するものと考えます。それを忘れずに開発に取り組みたいと思います。また、チャレンジし続けることが、次のステージに繋がると考えます。

INTERVIEWボスにきいてみよう
 

代表取締役社長

FUMIKI TAKAI高井 史樹 さん

どのような経緯で、スピーカーの開発に至ったのですか。

 従来から、各チームの係長級が定期的に集まる機会があり、現場の改善活動などに積極的に取り組んできました。例えば、工場内の機械の稼働率の見える化については、メカ、ITなど得意とする社員を集めて独自開発し、工場内で表示したり、集計をメール配信する仕組みを作り上げました。幸い他社からも導入の希望があったため外販もしています。

 このように、現場の改善活動の延長線上での開発、商品化を様々検討するなかで、たまたまメンバーの中にオーディオを趣味とする2人がおり、彼らが金属製のスピーカーに気づいてくれ、チャレンジする価値があると思いました。思い入れのある分野ならば、開発にあたって困難があっても、きっと自力で道を切り開いてくれるという期待もありました。

自社商品開発をし、その影響はいかかですか。

 FLUGEL:フリューゲルもそうですが、自社商品開発自体を始めたばかりで、社内の体制づくり、販路開拓なども手探りで行っているところです。社員の成功体験にもなるので、売り出したばかりのFLUGEL:フリューゲルを成功させたいと思っています。一方で、人材獲得難の中、新規採用活動で学生が関心を持ってくれたりと、早くも副次的な影響も感じています。

今後はいかがでしょうか。

  当社は大企業ではないため、大がかりな設備投資をして新分野の仕事を始めるのは現実的ではありません。
  しかし、自社製品を持つこと、社員とともにチャレンジすることは、この業種の将来像を見通したときに大事になると思っています。
  既存の事業に軸足を置きながら、現業の強みを活かせる分野で、これからも自社商品開発に取り組んでいきたいと思っています。

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