PRODUCT逸品

株式会社岩田鉄工所(岐阜県羽島市)

伸助さん(電動伸縮杖)伸助さん(電動伸縮杖)

商品の特徴

ボタン一つで長さが自由に変えられる魔法の杖

手元のボタン一つで長さの調節が可能で、階段や平らな道など場面や身長に応じ、誰でも自分に適した長さで使うことが出来ます。各パーツは軽量素材を多用し、380gと通常の杖と変わらない軽さでありながら、垂直荷重は100kgまで耐えられます。リチウムイオン充電式電池を内蔵し、1回の充電で約250回伸縮(往復)可能。
仕様
重量   :約380g
全長   :60~100cm
垂直耐荷重:100kg
入力電源 :AC100v 50hz/60hz
充電時間 :約4時間
価格
22,000円~25,000円(税込)/名入れサービスあり
販売サイト
   
http://itk-pro.com/  ※「こづえちゃん」「のび太くん」も販売中
PROFILE企業プロフィール

株式会社岩田鉄工所

企業名 株式会社岩田鉄工所
代表者 代表取締役 岩田 勝美
所在地 岐阜県羽島市正木町新井319番地
創業年 1954年
設立年 1979年
資本金 1,000万円
事業内容 精密部品製造・油圧機器・医療機器・航空宇宙機器・IT機器部品等生産
電話番号 058-392-4525
ホームページ http://www.itk.co.jp/index.html
販売サイトURL http://itk-pro.com/

株式会社岩田鉄工所(岐阜県羽島市)

1954年創業。油圧機器、航空宇宙機器、IT機器部品等の精密部品の製造・販売を手掛ける。あらゆる素材の精密加工を可能にする技術を活かし、医療機器・電子部品実装機等の高精度、高付加価値部品の製造にも参入。また、中小企業の技術力を結集した「岐阜航空機部品クラスター」の一員として、航空機のエンジン部品の共同受注にも取り組む。
自社商品については、電動伸縮杖「伸助さん」の開発から、その後も電動回転式草取り機「抜けるんです」、携帯正座イス「らくちん楽座」など、ユニークな商品名で商品を次々と世に送り出す。従業員36名。

工場の様子1
工場の様子1
工場の様子2
工場の様子2
INTERVIEW創り人にきいてみよう

今月の創り人

代表取締役

KATSUMI IWATA岩田勝美さん

「伸助さん」はどのようにして生まれたのでしょうか。

東京大学の准教授と筋電義手の開発を始めた2008年の暮れ、立ち上がり補助機を作ろうということになり、2ケ月ほどでネジの伸縮機構を使った試作品を納入し試してみましたが、とても使える物ではありませんでした。このネジの伸縮機構を応用した何か面白いものはないかと、研究室で准教授や研究生との雑談の中から「杖」のアイデアが出てきました。

開発が成功した要因は。

2008年9月に起きたリーマン・ショックは生産財を直撃しました。12月頃から売り上げが3割以下になり、空いた設備や時間を新製品の開発に向けることが出来ました。開発で最大の問題は軽量化でしたが、いろんな人に“困りごと”を発信しているうちに「カーボン」にたどり着き、目標の400グラムを切ることができました。

「伸助さん」はどんな特徴のある製品なのですか。

高齢者の生活を楽にする道具を考える中で、長さが固定された従来の杖では階段の昇降時に不便なことに着目しました。「昇る時に短く、降りる時に長く簡単に調節できる」ことが一番の特徴です。自分自身で調整できることで誰にでも使いやすい商品となっています。

「伸助さん」を発表されて売れ行きはどうでしたか。

新聞記者と普段からつきあいがあったことから、まず地元の新聞社を呼んで紹介してもらいました。これを日経の経済記者が見つけて「日経MJ」で紹介されたところ、今度は東京のテレビ局のディレクターが見つけて「がっちりマンデー」で紹介されました。 そこから他のテレビ局や地元のメディアが一斉に取り上げるようになり、一気に売上が上がりました。日頃から地元のマスコミとの付き合いを大切にしてきたお陰です。

その後の売れ行きの推移はどうですか。

当初は、全く予想していませんでしたが、子どもやお孫さんが購入する贈答品として売れました。しかし、その需要が一巡したため、現在は自分用として購入される人が多く、販売量もピーク時に比べてかなり減少しましたが落ちついています。
実は、販売を増やすために杖を使う人が多く訪れるであろう「かんぽの宿」でPRを行ったこともありました。しかし全く売れませんでした。「かんぽの宿」に来られる方は、温泉に入るために訪れる人であり、一本2万円もする杖が売れる訳がありません。 中小企業が自分で商品を販売する難しさを改めて知ることができました。

「伸助さん」の他にも、様々な製品を作っておられますね。

普段から常に新しい製品のアイデアを考えています。趣味のようなものですが、考えて作るのが非常に楽しいんですね。現在、自社商品の販売サイトである「ITK(アイ・ティー・ケー URL:http://itk-pro.com/)」では、「伸助さん」を含めて20商品ほど販売しています。
一つ一つの商品開発を通して学ぶことも多いです。例えば、「マイクジョーダン」という商品は、マイクの高さを舞台袖からボタン一つで調節できるというものです。これは、式典などで挨拶が続く際、一回一回スタッフがマイクの高さを調節しているのを見てアイデアが浮かびました。試作を重ねて商品を発売したのですが、残念ながらそれほど売れませんでした。
なぜ売れないのかと考えていると、ホテルなどではスタッフがマイクの高さを直すことが困り事ではなく、スピーカーへの「おもてなし」を意味するということを知りました。つまり、舞台袖で、ボタン一つでマイクの高さを変えることが、かえって礼儀を欠いていると捉えられるのです。後から「しまった」と思いました。
現在は来賓挨拶が多い式典を行う省庁関係からの引き合いが増えてきました。このように、本質に「困り事があるか」を考えることが大切なのだと学びました。

今後の新商品開発について教えてください。

新商品の売上は高くありませんが、直接一般のお客様に使っていただける様子を見るととてもうれしく思います。商品を開発して実際に市場でヒットするのは「1000個作って3個」と言われるほど難しいことですが、新商品を通じてメディアが取材に来てくれますし、会社の広報にもつながっていると思います。今後も開発を続けていきたいですね。

貴社の今後の展望を教えてください。

売れる商品をつくるには開発費用をかけなくてはなりません。新商品開発は、本業の業績があるからこそできるものだと考えています。
現在の売上の7割は工作機械分野で、残り3割が航空機、医療分野となっています。

2006年に(株)岩田鉄工所の研究・開発チームからなる会社「(株)アイ・ティー・ケー」を立ち上げました。岩田鉄工所の精密部品の加工技術を生かし、様々な研究・開発に取り組んでいます。特に将来性のある医療機器等、様々な分野の商品開発に力をいれていきたいと考えています。すでに、他社ではできないチタンの精密加工技術に注目した大手企業から引き合いも来ています。
これまでに培った高い技術力を活かしながら新しい商品開発や産業分野にもチャレンジし、自分達にしか出来ない難しいモノづくりを追求することで、お客様を笑顔にしていきたいと思います。

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