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ものづくり中小企業 魅力大盛りサイト

最終更新日:平成31年1月30日

株式会社 曽田製作所 【石川県小松市】
  • ニーズに合わせて事業をシフト。農機具作りから始まった部品メーカー
  • 加工実績を積み重ねると、ブルトーザーの心臓部を支えていた
  • 技術のノウハウが会社に蓄積できる全員正社員作戦
  • 製品の品質は全社員で支える見事なチームワーク
まるで精密機械!ショベルカーが細かな作業ができる理由はここにあった!
テレビなどでショベルカーがツメの先端に筆をつけて習字をしている映像を見たことがありますか?
運転手がたくさんのレバーを操作して、筆を数センチ単位の細かな動きをさせて難しい文字を書いていますよね。
ショベルカーの大きさからは想像できないような繊細な動きです。

神ワザとも言える芸当ができるのは運転手の操縦スキルはもちろん必要ですが、ショベルカーが細かな動きをできるように作られているからなんです。
大きな車体なのでパワー重視のショベルカーと思うかもしれませんが、実はかなり複雑な動きができます。
こんな動きができるおかげで、世界中の工事現場でショベルカーが大活躍しています。

ここで質問!
なぜショベルカーがこんなに細かい動きができるのでしょうか?

もちろんいろんな答えが帰ってくるかもしれませんが、重要な要因の一つはショベルカーを作っている一つ一つの部品の精度が高いということ。
自動車と同じようにショベルカーはとてもたくさんの部品からできています。そのすべての部品が高い精度と高い品質で作られているから、人間が行うような繊細な作業をすることができるのです。

世界に向けてショベルカーやブルトーザーを作っている会社が石川県小松市にあります。小松市にはその影響でブルトーザーなどで使う部品を作る部品メーカーがたくさんあります。ということで、早速小松市に足を運ぶことにしました。

株式会社曽田製作所 イメージ写真
兼六園やノドグロで有名な金沢市から車で1時間。小松市に到着。
自衛隊の小松基地があるので、頻繁に頭の上を「ゴォー」という爆音とともに戦闘機が飛んでいます。ついつい空を見上げて、戦闘機を見てしまいます。
今回訪問したのはショベルカーの部品を作っている「株式会社曽田製作所」。
1935年に創業して80年を超える部品加工の老舗です。社員数は約80名。
工場から金属の加工音が漏れ聞こえていました。ちょっと緊張しながら本社の中に足を踏み入れます。

受付を済ませて案内された部屋は創業当時の写真がたくさん並べてある応接室。待っていると、「こんにちは!」と声を掛けてくれたのが創業から三代目の曽田忠寛(そだ ただひろ)社長です。作業服に身を包んで、寡黙な技術屋さんな印象です。

ということで、今回は小松市にある金属加工メーカーの曽田製作所をご紹介します。

気がつけば金属加工の会社にシフト!時代にあわせた事業展開を行う

まずは、会社について教えて頂きました。

株式会社曽田製作所が創業したのは1935年。曽田製作所が創業したよりも前から小松市ではショベルカーなどが作られていました。
ということは、曽田製作所は創業当初から建設機械の部品を作っていたと勝手に想像していましたが、実はそうではありません。曽田製作所はその時代に合わせて事業内容を次々と変えていったという歴史があったのです。

「創業した頃はこの辺りって田んぼと畑しかなくて、農家ばかりだったと聞いています。
そのため創業時は田んぼ仕事で使う機械の需要が多かったので地域産業である撚糸機(ねんしき)と呼ばれる機械や農業機械の修理もしていました。
戦争が終わった頃から、日本中で高速道路や線路が建設されるようになったので、ブルトーザーの需要が高まってきました。そんなときに建設機械メーカーからブルトーザーの足回りの消耗品を請け負うようになりました。そんな仕事をしていくと今度は消耗品を作るだけでなく、部品の熱処理の依頼も受けるようになりましたね。」
会社を創業したのは現在の社長のおじいさん。その頃は農機具を対象にお仕事をしていたようです。ブルトーザーが日本中でたくさん必要になったことがキッカケで建設機械関連の仕事が始まりました。

「もちろん、ずっと会社が安定していたわけではありません。 一時は熱処理の仕事がガクッと減ったこともありました。
熱処理というのは素材に熱を加えて固くしたりするために行うのですが、時代とともに素材自体の性能が上がって熱処理の必要性が少なくなってきたんですよ。月に500トンくらい焼いていた部品が、5分の1の100トンくらいに激減です。
これはまずいなと思って、機械加工の分野に本格的に進出したんです。それが今に繋がっています。
数年間の部品を作り続けていると品質が安定し信頼を得られるようになり、ブルトーザーのトランスミッションの受注を頂けるようになりました。品物には高い品質が要求されるので、やっと会社の技術が認められたと感じましたね。
いまではブルトーザーのトランスミッションの部品や、鉄道車両向けの軸受などたくさんの部品を作るようになっています。
振り返ると農機具や熱処理、機械加工などいろんなことをやってきました。時代の変化を捉えながら、その時その時に合わせて業務内容を変えてきました。」
株式会社曽田製作所 イメージ写真
トランスミッションというのはエンジンのパワーをタイヤなどに伝えるための重要な部分。
このトランスミッションの性能が悪いとエンジンのパワーを伝えられなくなるのでパワーがロスします。機械の中でも非常に重要なパーツで高い精度と強度が求められます。まさに心臓部とも言える部品です。

そんな重要なパーツであるトランスミッションの部品を曽田製作所は製造しています。
これまでに小さな仕事を確実に行いコツコツと実績を積み上げてきて、それが大きな信頼に繋がり、重要な仕事を担当したというわけです。
会社も人も同じでまわりから認められるためには、小さな日々の積み重ねが大切ですよね。会社が真面目に仕事に取り組んだ結果と言えます

受け継がれる技術の秘密は社員の長期雇用
曽田製作所は創業80年を超える老舗企業ですが、技術はどのように継承しているのでしょうか?
教えてくれたのは曽田総務部長。現在の社長のお母さんに当たる人物で会社の歴史には精通しています。
「従業員は正社員だけなんです。その他のメーカーのように派遣社員や外国人の実習生は採用していません。
世間では人材不足で人が足りないと言われています。もちろん当社も同じです。これまでの苦い経験があり、やはり技術をつないでいけるのは責任感のある正社員にかぎるというところにたどり着きました。
お客様からの信頼を得る為にしっかりとものづくりを理解して技術を積み重ねて継承していってほしいと考えているから、今では正社員だけなんです。」

言われてみれば、そのとおりです。人が足りないからと言って、外国人研修生や派遣社員を採用していても、技術の継承なしではいつかは会社を去ってしまいます。そうなれば、会社には技術は蓄積されません。

特にトランスミッションの部品は精度が命。社内にはその精度を達成するために、品質保証の専門の部署を置いているほど。
しっかりとした技術を身に着けることが高品質の部品を作ることにつながるわけです。

次は会社で働く社員についてインタビューをしてみました。

高い精度のウラ側にはチームワークが不可欠。全員一致で高品質を追求する働き方
インタビューをしたのは、会社で最も若い高尾一輝(たかお かずき)さん。
入社して2年目で映画や買い物が好きという高尾さんは、見た目はどこにでもいる普通の20代の青年です。
話してみると、責任感が強くものづくりが好きなエンジニアでした。
さっそく、高尾さんから見た会社のことを聞いてみました。

株式会社曽田製作所 イメージ写真
「僕はNC旋盤2台とマシニングセンタ1台を使って、トランスミッションの部品と軸受部品を作っています。
会社に入った動機は、高校で参加した体験授業でした。
内容は実際に会社に出社して、朝8時から5時まで1日作業をするというもの。そのときにこの会社にきて、NC旋盤とかを使って部品加工を行いました。
何度か会社に来て仕事をしていると、話しやすくて頼りになる人がたくさんいるなぁと感じたのでそのまま入社しました。その他の会社は考える必要もなかったです。即決でしたね。」

高尾さんが作る製品は高い精度が求められるトランスミッションの部品。大きな機械を前にして、セッティングをする姿はベテランの風格さえ感じることができました。
いまは高校生に働くことを知ってもらうために、職場体験を行う高校も増えています。高尾さんもその授業がキッカケで機械加工の世界に飛び込んだようです。
それにしても、会社を選ぶときに他の会社を一切考えなかったというのは正直驚き。
人手不足の今の日本の中で、就職先を決めるときにはたくさんの会社からオファーがあってもおかしくありません。
いったい高尾さんにとってどんなところが魅力的に感じたのでしょうか?突っ込んで聞いてみました。

「魅力は会社のチームワークの良さです。
曽田製作所では材料加工から手入れや検査や出荷までそれぞれのチームに分かれて一連の作業をすべて行っていますが、そのチーム同士の連携が強いと感じています。
例えば、自分で作った部品に不具合があったら、次の工程で手直しや再加工が必要になって手間がかかりますよね。
みんな次のチームに余計な手間を掛けないように、気をつけながら仕事をしているんですよ。
そうやって仕事をしていくと段々チームワークがよくなったんだと思います。
過去にも僕の不具合を次の工程で見つけてくれて、お客さんに納品せずに社内でストップしたなんてことありました。
あのときは助かりました。」

チームワークがいいと言ってもその内容は様々。曽田製作所は部品を作るためにたくさんの人が参加する必要があるので、【高品質を達成する】という目標のもとお互いを助け合うというチームワークが磨かれていったのです。
自分の仕事を責任を持って次の人に渡す。受け取った方も完璧に仕事をこなして次のバントまわす。その結果、社内にはそんな文化が根づいているようです。

しかし、そんなに高い精度を要求されてばかりだと部品を作るときのプレッシャーはないのでしょうか?その辺りは高尾さんはどのように感じているのでしょうか?

「たしかに不良品を出すのは怖いです。
機械で自動で加工していても、ごくまれに設定されたように動かない場合があります。正確に数値を入れたのに、言うことをきかないんです。作る物によっては、加工のときに歪んだり傷がついたりするのです毎回チェックする必要があります。
でも仕事で頼りになる先輩や上司がいるので不安に感じることはあまりありません。
先輩たちは、機械加工の技術の他にも、部署のことなどいろんな知識を持っているので頼りになるし、わからないことがあっても丁寧に教えてくれます。」

わからないことがあったらすぐに聞ける環境があれば難しい仕事にも挑戦できます。
高尾さんの周りには頼りになる人がたくさんいるから、プレッシャーを強く感じることなく仕事に取り組むことができているようです。

最後に高尾さんの仕事で感じていることについて聞いてみました。
「車や新幹線、トラックなど身近なものの中には一般の人が知らないような部品がたくさんあります。
僕たちの会社ではそういったものを作っているので、実際にはつくった部品を見ることはありません。
でも、部品を精密に作らないと動かないんですよ。ちょっとでもズレたら最悪本体が壊れてしまいます。
そういったものを自分たちが作っているという自覚を持てるのはちょっとした自慢です。
地味な作業ではありますが、一つ一つが全て必要なので仕事は気を抜けません。」

高尾さんが私に見せてくれた部品は見たこともないような変な形をしていました。正直どこに使われる部品なのか全く検討がつきません。ブルトーザーを動かくためにはこういった部品が1,000種類以上あってその全てが必要で1/100ミリ単位の精度が要求されると教えてくれました。
「ね?すごいでしょ」と言わんばかりの高尾さんの表情は自分が作った製品に責任感とプライドを持っているような印象でした。
もともと高尾さん自身、もともとそんなに責任感の強いタイプではなかったらしいのですが、自然とこのような考えが身についたと語ってくれました。

ものづくりを通して社会とつながり社員が成長。そんな会社が目標です
インタビューの最後に社長に会社のことを詳しく聞いてみました。
「私たちの会社は自社製品を持っていないので、会社名が世の中に出ることは100%ないでしょう。
設計も自分たちでは行わないので、お客さんに求められることは正確に高い品質の部品を作ることです。

求められることをただこなすだけでなく、自分の作った部品がどこに使われるんだろう?と意識することは仕事をするためには必要です。
世界に羽ばたくショベルカーのどこかに自分のつくった部品がつかわれるので、ショベルカーを見るのが楽しみになるはずです。あぁこれが自分のつくった部品が使われている機械なんだ!と感じてほしいです。
実際に私も自分の会社で作ったものが使われている様子を見るとやっぱり誇りに思いますよ。
だから自分たちは手抜きはできない!やっぱり仕事は誠実さが大切なので、この考えを守ってこれからも伝えていきたいですね。
大きなものを動かすための部品を作って動いたときの感激を知ってほしいですよ。」

素人の私に部品を見せてもらっても正直なんのためのものか全くわかりませんでした。しかし、その部品は機械を動かすためには無くてはならない大切な部品です。 部品が組み込まれた完成したブルトーザーをイメージすることが良いものを作る秘訣と教えてくれました。

「私たちの会社はその他の部品メーカーと比較して、武器といえるような特殊な技術は少ないかもしれません。
あえていうなら、トランスミッションの部品を作り続けているという実績とお客さんからの信頼でしょうか。それがあるから難しい仕事や新しい仕事に挑戦できています。
会社の存在意義としては、人が成長する場所でしょうね。
社員さんが人として成長していけるような会社にしたいとおもっています。
ものつくりは人が成長するための手段の一つだと思っているので、仕事を通してなにかその人が成長するきっかけになればいいですね。
当然、既存のお客さんの仕事は改善をしてより良くしていく必要がありますが、それをベースとして曽田製作所としての色を出していきたいです。」

技術で差別化を図ることが難しいのならば、小さな実績の積み重ねで信頼を獲得する。簡単なことのように思えますが、長い時間と忍耐が必要でしょう。しかし、曽田製作所は創業以来ずっとそういった考えで仕事をしているので会社の文化として根付いています。
作っている製品はたくさんの人の目に触れることはないし、名前すらも知られていませんが、ブルトーザーやショベルカーは小さな子供でも知っています。

日本はものづくりが盛んな国なので、機械加工の会社はたくさんあります。
曽田製作所もそういった意味では、国内にたくさんある機械加工会社の一つでしょう。
しかし、よくよく聞いてみると創業から時代のニーズにあわせて、農機具の製造から機械加工に事業をシフトしてきたという歴史がありました。
その歴史の中で、少しずつ確実に前進し、現在では世界で動いているブルトーザーやショベルカーの心臓部の部品を作ってきた実績と高品質を任せられる信頼を獲得するまでになりました。

誰にも知られることのない部品ですが、なくてならない重要な部品。
小さな部品を通して、世界を支える。それが曽田製作所という会社です。

 

会社概要
会社名:
株式会社曽田製作所
法人番号:
6220001012074
代表者:
代表取締役 曽田 忠寛
住所:
〒923-0031 石川県小松市高堂町ロ75番地
URL:
http://sodaseisakusyo.co.jp/index.html別ウインドウ

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 地域経済部 地域経済課 地域人材政策室 
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2731
FAX番号:052‐950‐1764
メールアドレス:chubu-jinzai@meti.go.jp

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