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ものづくり中小企業 魅力大盛りサイト

最終更新日:平成31年1月30日

株式会社 今井機業場 【富山県南砺市】
  • 斜陽産業とは言わせない!山奥の過疎地から世界へ挑戦!
  • 製品開発力に定評あり。おむつから宇宙までニットの可能性を広げたコア技術。
  • 社員全員が未経験!若手社員の意見も積極的に採用する。
  • 人がいないから手厚く育てる!驚異の五者面談で人材育成。
繊維業界はオワコン産業って本当?世界に挑む今井機業場の挑戦とは?
繊維業界ってオワコンの斜陽産業だよね?
だって、中国や東南アジアからたくさんの生地が輸入されているし、国内の企業はやばいでしょ?

もしかしてあなたはこんなマイナスなイメージを思ってはいないでしょうか

それはあなたがあまりにも繊維業界について知らなすぎるがゆえの誤解と言えます。
この記事を読むと繊維業界についてイメージが変わるはずです。

洋服やTシャツなど生地も繊維。消防士が火災現場で身につける防火服も繊維。パラシュートの風を受ける部分も繊維。
一言に繊維と言っても、その業界の裾野はかなり広いです。
なんとなく気がついてきたでしょうか?
実は、繊維は私たちの知らないところで進化を遂げています。

例えば、暑い夏の日やスポーツをするときには汗をすぐに乾かしてくれる素材のシャツを着ますよね。冬になって寒くなってくれば汗を吸収して発熱する素材のシャツも欠かせません。最近では手袋をしたままでもスマホが操作できる商品も発売されています。
このような特別な特徴を持った生地は機能性生地と呼ばれています。
現在では昔にはなかった特性を持った機能性生地が開発されていて、知らず知らずのうちに私たちはその恩恵を受けているのです。

こうやって考えると、本当に繊維業界は斜陽産業でしょうか?
自信を持って断言できなくなってきますよね。

このような機能性生地を開発・製造し続け、世界へ挑戦している企業が富山県の南砺市にあります。それが株式会社今井機業場。

富山県南砺市は昔から繊維業が盛んな場所です。
今井機業場は織物業が盛んだった南砺市で1950年に創業しました。現在の社員数は50名前後のいわゆる中小企業です。
会社の周りは山に囲まれて、見渡す限り田んぼが広がっています。冬には雪が50センチ以上も積もることだってあります。

お世辞にも都会とは言えない環境にある今井機業場ですが、実は日本国内だけでなく海外に生地を提供しています。
斜陽産業と思われていた繊維業界に一石を投じ、革新的な生地作りで世界に挑む今井機業場にスポットを当ててみました。

スポーツウェアから人工衛星まで繊維技術を使えば可能性は無限大

「繊維の生地には大きく分けると編物と織物の2種類あります。編物の中には繊維が経(たて)方向につながる【経編】と横方向に広がる【横編】があって、私たちの会社では編物の中の経編の生地を作っている会社です。私たちの作っている生地は髪の毛よりも細い合成繊維を使って、スポーツウェアなどの機能性を要求される機能性生地を作っています。
経編は工業繊維として使われ、大型の機械がないと製造できない分野です。
経編という編み方はヨーロッパで生まれた歴史の浅い編み方です。日本に入ってきたのは100年ほど前なので、比較的新しい繊維です。そういった意味で可能性を秘めた生地です。十分に特徴を検証されていないので、未知の分野もあるんじゃないかと思っています。」
株式会社 今井機業場 イメージ写真

このように会社を説明してくれたのは今井機業場の今井宏社長。
「私たちは年間300〜400点の新しい生地を作っています。生地の糸種と編み組織、糸の張力などの条件を変えて生地を作ります。組み合わせ方によって生地の持つ特性が変わってくるので、用途に応じて開発することが商品開発の難しいところであり奥が深いところですね。
我々が製造している経編の中でも「トリコット」と呼ばれる編地を使ったビジネスシャツが今大ヒットしています。
トリコットにはニット特有の伸縮性とシワになりにくいという特徴があります。今まではビジネスシャツはほぼ100%織物で作られていましたが、この特性が消費者のニーズをつかむことに成功して、国内ではトップのシェアを持つことができました。」

話を聞いて知れば知るほど奥が深くなる繊維の世界。たしかにアイロンをかけないとシワシワだったシャツが、乾かすだけでシワが無くなっています。私自身アイロン掛けを最後にしたのはいつだったか覚えていません。
糸の種類と編み方の組み合わせを変えることで無限の種類の生地が作れるので、試作品がかかり多くなりそうですね。ベストな条件を探すのが難しいです。

「経編の技術を使えば、かなり応用できる分野があります。例えば、衣料品だけじゃなく、自動車の内装材や紙おむつのマジックテープ部分、建築用資材の養生テープにも使われています。
面白い例で言えば、宇宙です。人工衛星のアンテナって金属の糸を使って作られていて、その糸を使用したニット生地が電波を受信しています。
ロケットで打ち上げられるとき、アンテナは小さく機体に収納されていて宇宙空間で傘を広げるようにババッと開きます。
ここで大切なのは、軽量で小さく折りたたむことができるということ。そこに目をつけて、金属の糸を使ってニット生地のアンテナをつくりましたね。こういった意味でも繊維の技術を使った社会貢献をしている一つの事例ですね。
私たちもニットの技術を衣料品だけにと留めておくのはもったいないと思っています。この技術を幅広い分野に応用して、今までになかった製品を作って社会に貢献したいです。」

ハッキリ言って繊維業界と宇宙業界は全然つながらない業界だと思っていました。しかし、言われてみれば繊維は軽くて形を変えられるし、大きく広げることもできます。繊維技術を応用すれば、全くの無関係の業界でもそのノウハウを使うことができるのです。

「今の日本の衣料品で言えば、90%以上は海外から入ってきています。
国内生産されているものは、機能性の生地のように高機能な生地や技術的に難しいものに限定されています。
たしかに繊維は衰退産業と見られるかもしれないけど、衣料品の技術を使えばまだまだ他の分野ではやれることは無限大だと思っています。
こういったところが業界に対して世間が持つイメージと私たちがもつイメージの大きなギャップですかね。
会社が得意とするなんらかの特徴を全面に出していって、差別化した商品を消費者に受け入れてもらいたいです。
ありきたりな生地を作るのではなく、これからは特徴ある商品を生み出していけるような会社にしたいと思っています。」

今井機業場のある地域にはたくさんの繊維業を行う会社があったようです。しかし、その多くが海外の輸入品の波にもまれたり、後継者不足という理由でなくなったりしていきました。
そんな中、今井機業場が現在も続けられた秘密は商品の差別化にありました。会社の技術を応用できる分野を貪欲に探し、ニーズを引き出す。そして、お客さんや消費者を満足できるような新しい生地を開発したことが理由のようです。

それにしても毎年300以上の生地の開発ってすごいですね。1日に一点以上のスピードです。なぜそんなハイペースで新商品を生み出すことができるのか?どんな社員がいるのかに注目してみましょう。

だれでも気軽に発言できる風土を作った社内の仕組みとは?若手社員が活躍できる驚異の面談術
株式会社 今井機業場イメージ写真
今井機業場は繊維業界の中でも社員の平均年齢が若い会社です。多くの繊維会社の社員の平均年齢が40代を超えますが、今井機業場は30代です。どのような理由で若い社員が集まってきているのでしょうか?
今回インタビューをしたのは、今年で入社4年目を迎える福田樹さん。福田さんは今井機業場に入社した中途入社組です。どのような考えで働いているのか聞いてみました。
「僕はもともと電気関係の会社で3年ほど働いていましたが、新しいことに挑戦したいと思っていました。
会社選びをしているときに、会社のホームページを見て品質を重視した製品をお客さまに提供していることに興味を持ちました。自分の手で作ったものがお客さまの満足に繋がる仕事がしたいと思って入社しました。
入社してみて気がついたことですが、若い社員が多いと感じています。最近では僕よりも若い社員が入社していますね。
友人にも繊維業界で働いている人がいますが、話をしてもこの会社は若いと言われます。そのせいか上司や他の人とのコミュニケーションが取りやすい印象です。」

新しいことに挑戦するという強い想いで入社した福田さん。
今までになかったことに挑戦するという取り組みは多くの会社で行っていますが、それを実現して形にしている今井機業場が魅力的に写ったようです。
実際に働いてみて、どういったところにやりがいを感じることができているのでしょうか?

「前職では工程がかなり細かく分けられていて、自分で作ったものが何になるのかが見えにくいという事がありました。
この会社では生地づくりのほとんどの工程を行うので、どんな製品ができるのかを見ることができます。そういったところが達成感ですね。
僕は品番変更という生地を作る機械に大量の糸をセッティングする仕事を主に行っています。
入社当時は先輩に仕事を教えてもらっても全然覚えられなくて、間違ったものを作ってしまったという失敗もありましたね。
今では、やっと自分ひとりで最後までできるようになったのが嬉しいです。先輩に仕事を認められたという感じ。やっぱり目の前で自分でセッティングした糸が生地になっていく様子を見るのは面白いです。
入社するまでは今までは意識することがなかったのですが、買い物をしていても、どんな生地を使っているのかなと気になってついつい表示ラベルを見てしまうようになってしまいました(笑)
これからやっていきたいことは、製品開発です。特殊な機能がある世の中にまだない新しい生地を作りたいですね。
先輩たちは仕事の進め方のほかにマネージメントなど幅広い視点を持って仕事をしています。自分はまだまだ足りないところが多くあるので、勉強して成長しなきゃならないと感じています。」

今井機業場では、一人の社員が多くの製造工程を担当するので、自分がやった作業が一枚の生地になっていく様子を見ることができます。もともと髪の毛よりも細い糸が、どんどん編み込まれ形が変わっていく様子をみるとやはり達成感を感じることができるようです。
福田さんは現在、生地製作の工程を任せられるようになってきています。まわりの社員たちから働きぶりを評価されて一人前だと認められているようです。
洋服を買う際に、生地や服のタグが気になるようになっているのはもはや職業病ですね。

実は大学などの教育機関で繊維を専門的に学ぶところは日本にほとんどありません。そのため、入社したほぼすべての方が右も左もわからない未経験の状態から仕事を覚えることになります。
実は今井機業場には本人、先輩、現場のリーダー、部長、メンターの5人で行う五者面談を毎週実施しています。
面談と聞くとダメ出しが多くて苦手に感じるかもしれませんが、その雰囲気は和やかそのもの。
「慣れないうちは五者面談は苦手でした。何を話せばいいのかわからなかったです。
でも、続けていくうちに現場の課題や自分の考えを伝えて聞いてくれるということが分かってきたので、発言できる場所としてありがたいと思っています。
以前に、現場の問題として機械上部の2〜3mの高さで作業を行う際の足場がグラついて危ないという話を面談でしました。その場にいたみなさん理解してくれて、翌日には足場を固定してスムーズに作業ができるようになりました。
誰に言えばいいかわからない、こういった些細なことも積極的に話をしています。」

どんな会社にも取るに足らない小さな問題がたくさんあるもの。まぁいいやと思っていると、それが積み重なっていつかは大きな問題につながってしまいます
言わなくてもいいやということに慣れてしまって、社員からのアイディアや問題を引き出すことができません。
五者面談を毎週実施することで、社員たちにとって話しやすい環境と会社がそれを受け入れる風土ができているように感じました。

人口が減っているエリアでヒトを大切にしたら、会社が若返った!
少しずつですが今井機業場が人について関心をもって接しているということが分かってきました。

若い従業員が多い秘密を今井社長に聞くと、人材育成に力を入れていることが理由と答えてくれました。
会社で従業員がいきいきと働いてもらえるように、様々な取り組みを行っています。

「これから会社を成長させていくためには人が大切になってきます。会社があるこのあたりの地域では、若い人が少なく人口が減っているので、新しく人を採用することは難しいです。そこで、社員一人ひとりのレベルをあげて高い水準で仕事のパフォーマンスを発揮できるように人材育成に力を入れることにしたんです。そうしているとなぜか少しずつ若い人が集まるようになってきました。」
今の時代、どこの業界も人材不足と言われていますが、繊維業界も例外ではありません。たしかに今井機業場のまわりには田んぼばかりなので人の採用がかなり難しそうにも感じていました。
しかし社員がノビノビと働くことができるようにしていたら、結果として自然と若い社員が集まってきて若返ったなんて不思議な話ですね。

それでは社員がノビノビと働くことができるようにするために、どんなことを行ったのでしょうか?
「我々の会社では、数年前から年に三回の社内報をつくって発行しています。社内報では、我々の生地を使ってくださるお客様の声を社員にフィードバックしたり社員紹介を行ったりしています。実際にお客様にインタビューしているので、生地を作った社員たちにとって仕事に対する責任も出てくると思っています。社員紹介では、会社ではなかなか見せないプライベートの様子なども書いてあるので、意外な一面を知ってもらえるということでコミュニケーションのいいきっかけになっていますね。」
会社で見せる顔とプライベートの顔が違うという人は珍しくありませんが、そういった一面を知る機会はあまり多くはありません。
会社では真面目な人も実はプライベートは違ったなんてことを知ると、グッと親近感がわいてきますよね。そういった意味で社内報はお互いを知る良いきっかけになっています。

「他には、お客様の工場へ見学もしています。やっぱり自分たちで作った生地が、どんな人の手でどんな工程で最終製品になるか知っていることが仕事をする上で大切だと思っています。
わたし達の会社では最終製品ではなく、生地という中間製品を作っているので実際に完成するスポーツウェアや洋服をみると社員のモチベーションがアップします。」
やっぱり自分で作った生地が服になる様子を実際に見たいはずです。出荷された生地がどんな工場に納品されて、どんな工程が待っているか知っているだけで仕事の取り組みかたも変わるはず。料理を作るだけでなく、どんな人が食べてどんなリアクションをするのか知るようなものでしょう。「いい服だね!」と一言いってもらえるだけで作る人のやる気は格段に変わってきます。

株式会社 今井機業場イメージ写真
さらに今井社長は続けます。社員が働きやすい環境にするために社内設備にもアレンジしました。
「社内環境ももちろん整えています。デザイナーにお願いして社内のラウンジを新設してもらいました。きれいでオシャレな雰囲気にして、社員たちの休憩の場にしています。テレビを置いたりソファーを置いたりしてそれぞれがゆっくりできるようになっています。」
ラウンジを見学しましたが、どこかのオシャレカフェのような、どこかのIT企業のようなそんなイメージ。ナチュラルテイストでまとめられた家具とゆったりと座れるチェア。ついついコーヒー片手に読書をしたくなるような空間のラウンジで、社員さんの昼食を食べたり、休憩したりくつろげる空間になっていました。

社員という存在は会社にとって最も大切です。今井機業場では今井社長を先頭にして従業員ファーストの取り組みを行うことで、ヒトを大切にした結果、従業員の若返りだけでなく、類まれなる開発力という武器を手にすることができたと感じました。それが良い循環になり、会社の成長につながっていることは明らかです。

繊維業界では海外の繊維メーカーの荒波に押され、四苦八苦している国内企業は多数あります。しかし、自社の強みを理解して新商品を開発し差別化に成功した今井機業場はこれからも一目を置かれる存在といえるでしょう。その分野は衣料分野に限らず、衛生分野、建設分野、宇宙産業まで可能性は無限大。人を大切にして育てるという文化があるため、次はどんな分野に進出するのかこれからがますます楽しみになってきますね。

まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事を読むまでは「繊維業界=衰退産業」と思っていたあなたもそのイメージが変わったのではないでしょうか?

繊維業界といって、最初にイメージするのが洋服です。たしかに洋服の生地は大量生産できる海外からたくさん輸入されています。
しかし、洋服といってもTシャツ、スーツ、スポーツウェア、肌着などかなり多くの種類があります。

今井機業場では、トリコットと呼ばれる機能性生地を武器に今までになかった特別な性質を持った生地を次々に開発しています。
海外メーカーやその他の国内メーカーと差別化を図って、世界に挑戦しているのです。
それに加えて、生地をつくる技術を応用して宇宙産業までに進出しているから驚きです。

人を大切にして、ノビノビと働くことができることを一心に考えた結果、新しいことに挑戦したいという前向きな社員が集まり会社が若返っています。
いったん良い方向に回りだした会社は、その半径を大きくし新たな領域に進出するでしょう。
今井機業場は、その領域でもきっと活躍し結果を残すことができると感じています。
繊維業界の注目企業として今井機業場はこれから目を離すことはできませんね。

 

会社概要
会社名:
株式会社今井機業場
法人番号:
7230001008847
代表者:
代表取締役 今井 宏
住所:
野口工場 〒939-1844 富山県南砺市野口888番地
URL:
http://imaikigyo.ecweb.jp/別ウインドウ

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 地域経済部 地域経済課 地域人材政策室 
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2731
FAX番号:052‐950‐1764
メールアドレス:chubu-jinzai@meti.go.jp

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