取材:2022年7月
明治40年に創業した同社は、「安全で住みよい豊かな社会」の実現を目指し、消防車輌事業、防災事業(消火器、消火設備等)、産業機械事業、環境車輌事業の4つの事業分野を展開。災害から人々の生命・財産を守り、かけがえのない地球を守るための様々な製品を提供しています。
着るだけで腰への負担が「楽」になる
消防車輌事業を実施していた関係で、救急隊員に腰痛持ちが多いことを知っていたため、救急隊員の腰を楽にしたいとの思いから、腰部のサポートウェアの開発をスタートしました。しかし、開発過程での紆余曲折の結果、瞬間的に腰に負担のかかる動きをする救急隊員向けではなく、常に腰に負担がかかる前屈姿勢をし続ける職業の方向けの製品が完成。当時、グループ会社で介護事業を運営していたこともあり、まずは介護従事者向けに「rakunie(ラクニエ)」を平成24年より販売開始しました。「rakunie(ラクニエ)」はその後も改良を重ね、現在では、介護業界以外にも、農業、建築、運送、製造等、腰痛に悩む人の多い業界に導入され、評価されています。
火災を消すための泡生成技術を活用
「rakunie(ラクニエ)」によって生まれた介護業界との繋がりを活かし、他にも介護業界で役に立つ製品が開発できないかと市場調査を行ったところ、入浴支援は介護職員にとって非常に負担が多いことが分かりました。また、浴槽への移乗をサポートする製品や、入浴そのものを支援するロボットはあるが、洗身に着目した製品が少ないことに気づいたため、同社が持っている消防車の泡生成技術を転用した泡シャワーの開発に着手しました。そして、平成31年に「KINUAMI(絹浴み)」が完成しました。「KINUAMI(絹浴み)」は、人の手では泡立てられないような濃密な泡を作ることが可能で、その泡には保温効果もあり、介護される高齢者からは、「寒くない」「泡が気持ちよく入浴が苦にならなくなった」との評価をもらっています。また、介護者側からは、「泡立てる手間が削減できた」「強くこすらなくても洗える」「こすりすぎが原因の乾燥肌が改善し、入浴後の保湿剤の塗布が楽になった」という点が評価されています。
超高齢社会を歩む日本において、介護業界の人手不足は問題の1つとされています。介護者及び被介護者の負担軽減や健康に寄与し、安心して暮らせる社会を実現するため、自社の技術やノウハウを活かした製品開発に同社は取り組み続けます。
企業名 | 株式会社モリタホールディングス |
---|---|
HP | https://www.morita119.com/ |
お問合せ先
- 中部経済産業局 地域経済部 航空宇宙・次世代産業課
- 〒460‐8510
愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐4091
メール:bzl-healthcare-chubu■meti.go.jp
※「スパムメール対策のため、@を■に変えてあります。メールを送信するときは、■を@に戻してから送信してください。
最終更新日:2025年4月25日