中部における対日投資の促進に向けて
−平成11年度外資系企業対日進出要因等調査-
第2章 国内外資系企業へのヒアリング調査
2−1 調査目的、実施時期、調査方法および調査対象企業
@ 調査目的:
東海地域、北陸地域、東京都内の外資系企業に対してヒアリング調査を実施し、中部地域の外資系企業にとっての 魅力、PRすべき点(比較優位資源等)、課題について明らかにする。
A
実施時期: 平成11年11月上旬−12月中旬B 調査方法:
ヒアリング調査にあたっては、第一優先として外国人役員、第二優先として外国人スタッフ、第三優先として日本人役員、第4優先として日本人スタッフという優先順位を設けて調査対象企業に対し面談を依頼した。
C調査対象企業: 30社(外国人17社、日本人13社)
内訳: 中部圏内企業
東海地域: 愛知県 10社(外国人7社、日本人3社)
岐阜県 2社(外国人1社、日本人1社)
三重県 2社(日本人2社)
北陸地域: 富山県 1社(日本人1社)
石川県 3社(日本人3社)
福井県 2社(日本人2社)
中部圏外企業
東京都 10社(外国人9社、日本人1社)
2−2 国内外資系企業ヒアリング調査結果からの見解
2−2−1 東海地域ヒアリング調査結果
・名古屋は外国人にとって生活がしやすい地域
・外国人から見て優秀なスタッフが多い
・市場機会があり、競争相手が少ない
東海地域の主な特徴(メリット)としては、ビジネス環境については製造業が集積、交通の便が良い、世界と比較すると市場の発展の遅れから、多くの市場機会が存在しており、また、競争相手が少ないといったことが挙げられている。また、
岐阜県のソフトピア(VRテクノセンター)と三重県については、投資コストが低く、両県知事が外資系企業誘致活動に積極的であることがわかった。
特筆すべき点としては、人材面と生活面に関して日本人と外国人とで意見が若干異なっている点である。人材面について日本人からの意見では、バイリンガルスタッフが不足していると回答が多かったが、外国人からは、バイリンガルスタッフに満足していると回答した方が多く見受けられた。また、生活面について日本人からの意見では外国人にとっては生活面で問題点があると指摘を受けたが、外国人からの意見では、生活面に関しても生活しやすい、交通の便が良い、生活費が安い、外国人が友好的である等、満足しているという意見が多かった。中部に住む外国人は中部地域について良いイメージを持っていることがわかった。
改善すべき点としては、英語情報の充実、税金の優遇措置、潜在顧客と会えるような環境の整備、英語以外のインターナショナルスクールの整備、自治体にバイリンガルスタッフを置く、ことなどが必要とされた。外国人からは企業情報(リス
ト等)に関する要望があった。その他ソフトウェアに関する熟練スタッフの不足。ソフトウェア関係の技術トレーニングが必要といった意見もあった。また、自治体等の外資系企業誘致活動に対するアドバイスについては一対一の対話型のアプロ
ーチが必要という意見が多かった。
最後に、東海地域の外資系企業から同地域への進出を検討している外資系企業へのアドバイス、および公的機関に対する要望についてまとめたものを以下に列挙する。
@ 東海地域立地外資系企業から中部で事業開始を検討している外資系企業へのアドバイス
・長期的な視野でビジネスを行う。
・保守的で信用がないとビジネスは難しいため、JVパートナを見つけて参入したほうが成功しやすい。戦略的な提携を検討
する必要あり。
・財務力が必要。
・法律・ビザ手続きを確実にクリアすべき。
・中部の情報は顧客に聞くとよい。
・外国人コニュニティがあるのでそれを活用する。
・大使館等からの支援をうける。
・JETROの情報が役に立った。
・自動車関連企業の場合はJAMAから情報を得るとよい。
A 東海地域立地外資系企業から公的機関に対する要望
・英語による情報提供
・英語で対応できる関係諸機関
・各機関の手続(法律ビザ申請等)の迅速化
・インターナショナルスクールの充実(英語以外の言語も必要)
・JETROのさらなる充実
・ハローワークの外資系コーナーの設置
・人材採用・トレーニング支援
・税の優遇措置
2−2−2 北陸地域ヒアリング調査結果
・北陸地域の主な特色北陸地域の主な特色
・都会以上に勤勉な労働者(特に女性)
・自然環境が良い
・補助金、税の減免あり
北陸地域の主な特徴(メリット)は、労働者の質が都会に比べ高く(特に女性)、労働力の確保が容易であること。自然環境の良いこと。東京・大阪まで2〜3時間の距離であるということ。等が挙げられる。
ヒアリングを行った企業6社すべてが日本のパートナー企業の存在による進出であり、内4社は助成金等、県・市からの援助を受けていた。
石川県の3社企業は関東・関西地域に製造拠点を持っており、事業拡大に伴っていくつかの候補地から現在の場所を選択していた。選択の主な要因は、安価な土地、助成金、交通の便(空港・高速道路)であった。
問題点としては、空港・港の便数が少ないこと。ほどんどの企業は大阪・神戸港を利用していた。雷が頻繁に起こり、機械が止まってしまうといった問題が多く発生している
公的機関に対する要望しては、空港・港の便数を増やすという要望が多かった。
2−2−3 東京都内ヒアリング調査結果
東京立地企業の中部に対するイメージ
・中部は保守的でビジネスが困難な地域
・「テスト市場」として最適な地域
・トヨタ・三菱が存在
調査対象となった10社のうち9社は外国人から意見聴取を行うことができた。東京進出の主な進出理由は、マーケット規模の大きさ、大企業との取引経験から近隣地域に立地するためといった理由で進出した企業がほとんどであった。どの企業もコスト面でのデメリットをあげており、政府からの税金の減免措置等を求めている。メリットとしては各省庁があるため、政府支援が受けやすいといったものであった。
また、中部地域については保守的でビジネスが困難な地域といったイメージやテスト市場として最適な場所といった意見があがった。その他としてはトヨタ・三菱の存在、東京・大阪の中間に位置しており、地理的なメリットがある。生活には適していないと回答した企業もあった。