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中部発きらり企業 Vol.85

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株式会社イマオコーポレーション 株式会社イマオコーポレーション
時代に応じた商品開発で「人に優しい商品」を提供する

 今回は、株式会社イマオコーポレーションの今尾任城社長にお話を伺いました。同社は工作機械用部品、治具の製造・開発、そして、海外から企業・消費者向け商品を輸入・販 売するなど幅広く事業を展開しています。また、ものづくりの現場におけるスピードアップ、高精度化に対応するため、戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン事業)を 活用し、さまざまなニーズに対応する商品開発に取り組んでいます。
 
株式会社イマオコーポレーション
 
【株式会社イマオコーポレーション [本社]
インタビュー
御社のこれまでの沿革及び事業内 容等について教えてください。
 
説明 今尾社長
 私は4代目になりますが、祖父で初代社長の今尾信一が昭和10年に岐阜県各務原市で今尾鋳物所として創業しました。創業当初は小さな鋳物工場だったのですが、父が2代目として社長に就任した時に会社の将来性を考えて自社製品を製造・販売するメーカーへの転進を図りました。最初は自社の鋳物技術で作ることができたガスコンロや靴の底ガネなどを作り、その後、自社製品の技術が認められ取引先から工作機械などで使用する鋳物製のハンドルやレバーの製造を勧められ、昭和42年に機械部品の製造に進出することになりました。当時、この分野は、各機械メーカーがオリジナルのハンドル等を作っており、ハンドルを一つ作るだけでも型づくりから行っていたので、時間とコストが非常にかかっていました。そこで当社で標準化、汎用品化することにより、ハンドルなどを一つだけでも購入できるように商品化しようと考えたのです。
本社内ショールーム  
【本社内ショールーム】  
徐々に自社生産の商品数を増やしていきましたが、もっと取り扱う商品数を増やしたいと思い、海外の展示会に出向き、同 業のメーカーにアプローチして代理権を取得し、販売する商品を増やしていきました。現在では、自社製品にドイツ、イタリア、アメリカからの輸入製品を加え約950種類の商品を取り扱うようになりました。事業拡大に 対応するため、昭和51年に協力会社から現在の美濃工場を取得し、さらに昭和57年には、各務原市の本社が手狭になったため、現在の関市に移し、生産、販売体制を強化していきました。昭和58年には現在の主要商品の一つである機械加工用標準治具の製造を始めました。
 
用途・目的に合わせ部品を組み替えることができる標準治具
  【用途・目的に合わせ部品を組み替えることができる標準治具】
始めるきっかけは、海外の展示会で「標準治具」が出展されているのを見かけ、是非とも自社で開発・製造をして みたいと思ったからです。当時、機械加工 作業を行う場合には、作業内容に合わせて治具を一つ一つ設計する専用治具が主流でした。当社では、治具を部品化しその部品をおもちゃのブロックのように組み合わせることにより、多種多様な作業内容に合わせるようにしました。治具部品をバラバラにすることによって再利用でき、各作業内容に合わせた治具をつくることができるのです。この標準治具に関しては平成21年 度において戦略的基盤技術高度化支援事業を活用した研究開発も行いました。
標準治具の開発・製造と並行して、昭和61年にはドイツ企業から工作機械のカバーや機械の架台等に使う、アルミ構造材の代理店契約を結び販売を行っています。また、同じ年に、当時、世に出たばかりのCADの販売について米国の企業と代理店契約を結びました。それを契機にCAD関連の開発、自社でのソフトウェア開発を行うようになり情報産業分野に進出することとなりました。現在では、汎用 CADをお客様の用途に合わせカスタマイズもしています。
アルミ構造材  
【アルミ構造材】
 
例えば、企業・技術者が持つ設計の方法、手段などのノウハウをCADに蓄積させ、半ば自動的に作業を行ってくれる自動設計等のソフトウェア開発などを手掛けています。これらの事業に進出した頃までは、"インダストリーサポートビジネス"を行ってきましたが、 バブル崩壊後、業績が非常に厳しくなりました。その後、業績は回復してきたものの製造業に特化していては、製造業が不振に陥ったときにバブル崩壊後と同様の事態を招きかねないと心配し、平成6年にギフト、ノベリティ商品の輸入販売事業に進出しました。
 
ノベリティ商品
 
【ギフト、ノベリティ商品】
一般消費者向け商品に関するノウハウは無かったのですが、 機械部品、治具などを輸入販売していた経験はあったのでスムーズに進出することができました。一流ブランドを取り扱うことは難しいものの、デザイン部門の人材を活用し、ヨーロッパを主流に日本ではあまり知られていないがデザイン性の高い商品を探して販売しています。
 
インタビュー
戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン事業)を活用して取り組まれている「多面拘束型ピン方式による高精度位置決め技術の開発」についてお聞かせください。
 
説明 今尾社長
 3年程前から物を売るだけでなく、お客様のニーズや困った事を聞き取り、それを反映した製品開発に取り組んできました。部品加工をはじめとする製造業においては国際競争力の激化により、「欲しい物を」「欲しい時に」「欲しいだけ」生産する、「変種変量生産」になっています。しかし、変種加工に対応できる熟練技能者が退職により大幅に不足しており、工作機械メーカーではこれに対応するため、加工のスピードアップや高機能・高精度化の開発を進めましたが、工作機械の性能向上だけでは、熟練技能者不足を解消するのは難しく、加工物や加工治具を繰り返し精度良く、容易に工作機械に取り付けることが求められていました。今回の研究では、位置決めに使用するピンとブッシュという部品に改良を加え、弾性変形等の技術を活用することにより高精度化位置決めが可能になるため、様々な部品加工の高精度化に対応できると思っています。すでに同じ方式を使用した位置決め方式の製品はあるのですが、既存品は、ベースプレートにピンを固定し、サブプレートにブッシュを埋め込み、この2枚のプレートを合わせることにより位置決めをしています。今回の製品は、プレートがなくピンとブッシュの単体が製品となるため、お客様は既存のプレートにピンとブッシュを取り付けるだけで使用でき、精度を保ちながらいろいろなアレンジができることが最大の特徴です。平成21年度の戦略的基盤技術高度化支援事業とその後の2年間の補完研究により、ようやく製品化に目処がつきました。平成24年11月に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で行われるJIMTOF2012(日本国際工作機械見本市)に出品する予定になっており、日本を含め海外にも販売をしていきたいと思っています。現在のところ、使用可能回数10万回以上において、位置決め繰り返し精度は10μm以下です。今後も研磨技術などを研究し最終的には、1μm以下にしたいと考えています。
【ピンとブッシュを使った位置決め方式よる治具と仕組み】
ピンとブッシュを使った位置決め方式よる治具と仕組み
 
インタビュー
最後に現状の課題と今度の展望などをお聞かせください。
 
説明 今尾社長
 現在、国内生産品と輸入品の売上げの割合は、5:5です。今後もメーカーとして自社開発には力を入れていきたいと思っており、特に標準治具関係は、まだまだ需要が見込まれるので、さまざまなニーズに応えられるよう製品開発に取り組んでいきます。また、当社の製品は、基本的に手を使って動かすものが多いのですが、特に人が触るもの、操作するものは使いやすさが重要です。従来、機械工場では、男性が作業することが多かったのですが、最近は女性の方も多くなり、どなたでも操作していただける環境が求められています。生産財においても操作のしやすさがポイントであり、見た目だけでなく、使いやすさを重視し、なおかつ、デザインにも気を配っていきたいと思っています。新しい製品を開発するチームには女性を配置し、女性の目からのデザイン案を出してもらい製品化を目指していこうと考えています。このような人材の育成・登用は会社の大きなテーマであり、社内で人材育成勉強会を行っています。社員が自分の力を伸ばし、それを評価し、やる気を出してもらえる、評価と効果を組み合わせた制度を構築し人材育成に取り組んでいきたいと考えています。社員の満足度の向上を図り、社員とその家族の幸せを実現することが会社の存在価値であり、社員の満足度の向上が顧客満足度の向上にもつながっていくと考えています。
 
 

本日はお忙しいところ取材にご協力いただきありがとうございました。常に時代に応じた事業展開や社員満足度向上のための人材育成への取り組みに感銘を受けました。御社の更なる躍進と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
 
《《《 会 社 概 要 》》》
SP
今尾 任城 社長
今尾 任城 社長
会 社 名 株式会社イマオコーポレーション
本   社 岐阜県関市千疋2002
創   業

1935年(昭和10年)10月

      1961年(昭和36年)3月
代 表 者 代表取締役社長 今尾 任城
事業内容

標準機械部品・治具製造販売
アルミ構造材製造販売
情報サービス他

資 本 金 9000万円
従 業 員 240人
U R L http://www.imao.co.jp/
T E L 0575-28-4811
F A X 0575-28-4800


 

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