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中部発きらり企業 Vol.84

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有限株式会ミサト 株式会社クリエイト・プロ  
柔軟な発想とフレキシブルな生産体制で「あったらいいな」を形にして提供する

今回は、株式会社クリエイト・プロの神尾弘哉社長にお話を伺いました。同社は、顧客のさまざまなニーズに対して柔軟な発想とフレキシブルな生産体制で対応し、自動車用電子機器の検査装置など、高度な信頼性を求められる製品を安定供給しています。最近では、急激な社会構造の変化や環境負荷低減への要請に対応すべく、戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン事業)を活用し、次世代自動車を有効に活用する新たなシステム開発にも取り組んでいます。
 
株式会社クリエイト・プロ [本社]
 
【株式会社クリエイト・プロ [本社]
インタビュー
御社の創業の経緯等について、お聞かせください。
 
説明 神尾社長
 私は、もともと自動車関連会社の技術営業の仕事をしていました。43歳の時、既存の枠組みに囚われずに自由な発想で仕事をしたいと思い、1996年に小牧市内で創業しました。最初はそれまでの経験を生かし、自動車に搭載されているECU(電子制御ユニット)の検査装置を手掛けました。今の自動車は、いろんな部位にコンピュータが組み込まれていて、それが正常に作動しなければ走ることができません。プログラムを組んで、エンジン等を制御しながら走っているのです。このため、プログラムが正常に働くか、ひとつひとつ検査をする必要があるのです。私が自動車関連会社に勤めていた時に困った経験が基になっているのですが、この分野において、自動車メーカーの技術部門が開発を行う時、本来であれば下請事業者に対し、詳細な図面や指示書を作成して検査装置等を発注するのですが、技術開発は時間との戦いなので、技術者はそのような図面等を作成する余裕がなく、必要最低限の内容の指示書と図面で発注内容を理解し、検査装置等を作ってくれる会社を探していたのです。こうした技術者のニーズをこまめにくみ取り、フレキシブルに対応するように心がけてきました。

各種ECU検査装置  
【各種ECU検査装置】
 
おかげさまで、技術者の方々から評価を頂き、創業から5年間は、順調に受注量を伸ばすことができました。受注が増えるとともに従業員も増えていきましたので事務所が手狭になり、4回ほど移転を繰り返し、2003年に初めて自前の事務所と工場を建て、この地に落ち着きました。工場を建てたことにより、安定操業できる仕事を探しましたが、設備面やコスト面から新規参入は非常に厳しい状況でした。結果として、他の会社では量産ラインに乗らない少量品、主にOBD(自動車に搭載されるコンピュータが行う自己故障診断)システムの関連製品等を受注、現在では、EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリット自動車)関連にも事業を広げています。  
 
 
  【各メーカーのOBD診断装置】
通称:スキャンツール
インタビュー
そのOBDやEV・PHVの関連製品について、御社の強みや特徴等を教えてください。
 
説明 神尾社長
 OBDとは、自動車に故障等が無いかチェックするシステムのことで、今の自動車は、OBDを搭載する事がISO(国際規格)で決められています。もともとはカリフォルニア州の排気ガス規制から始まったもので、ECUの故障により排気ガスの濃度が上がることを規制するためのものでした。ECUは自動車メ
スキャンツールにつなぐケーブル  
【スキャンツールにつなぐケーブル】
 
ーカーが自社の車の性能等に応じて設計しており、OBD診断装置(通称:スキャンツール)もメーカーごとに異なります。私たちは、ECU検査装置関連の製品開発を手掛けるほか、ECUとスキャンツールをつなぐ専用のケーブルや、スキャンツールとケーブルを収納するカバン等を作っています。スキャンツールは自動車のディラーや整備工場でしか使用しないものですが、現在、国内メーカー全社に対応できており、圧倒的なシェアを誇っています。  こうした仕事が認められたのでしょうか、3年前に三菱自動車から、店頭に設置するアイ・ミーブ用EV充電器のコンペ参加のお話しをいただきました。コンペの結果、当社の製品が選ばれ、ここからEV・PHV関連の仕事に携わるようになりました。今は、店頭に設置する大きな充電器だけでなく、一般住宅向けにコンパクトで使いやすく、家や車に合わせてお気に入りの色が選べるような商品も製造しています。  
 
アイ・ミーブ用EV充電池 びっしりと配筋されたDスルーアンカーフレーム
 【アイ・ミーブ用EV充電器】

 【コンパクトで使いやすい、カラフルな一般住宅用EV充電器】

 
 
中国広東省東莞市の工場  
【中国広東省東莞市の工場】  
インタビュー
中国への海外展開についてお聞かせください。
 
説明 神尾社長
 創業から5年ほど経った頃、中国の上海市で、自動車のセキュリティー関連機器の充電器を自社含め数社で生産するお話しをいただきました。その時に中国の今後の可能性を感じたため、本格進出する決意をし、中国の南部にある深蝨ウ市に近い広東省東莞市常平鎮に従業員250名が働ける規模の工場進出をしました。日本では、我々のような中小企業が大きな工場を建てて、多くの技術者を雇うことはできませんが、中国には、日本の企業からいろいろな事を学びたい若者がたくさんいます。工場を大きくし、多くの若者を雇うことが可能だったのです。既に多くの家電メーカー、コピー機メーカー等が中国に進出しており、インフラ面も整備されていましたので、工場の進出はスムーズにできました。2年後には、トヨタ、デンソーなど主要な自動車及び部品メーカーが中国の南部に進出してきました。当初は販路開拓等でたいへん苦労しましたが、今、考えれば、とても良いタイミングで進出できたと思っています。
 
 
EVカーシェアリング用無人ステーション車両検査システムの開発をしている研究施設
 
【EVカーシェアリング用無人ステーション車両検査システムの開発をしている研究施設】
インタビュー
戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン事業)を活用して取り組まれている「EVカーシェアリング用無人ステーション車両検査システムの開発」について、お聞かせください。
 
説明 神尾社長
 2年ほど前だったでしょうか、次世代自動車地域産学官フォーラムのメンバーの方々と交流している中で、故障診断システムとEVの充電器を掛け合わせることで、新しいビジネスにつながらないか話し合っていたところ、中小企業基盤整備機構中部支部の方に相談に乗っていただく機会があり、サポイン事業についていろいろ教えていただき、今回の研究開発に取り組むことを決意しました。カーシェアリングにおいて、現在の多くのステーションは無人で営業されており、充電等は利用者が行いますが、自動車の傷や安全性、故障については定期的に人を巡回させて確認しているため、人件費等が運用コストを押し上げ、カーシェアリングの普及の妨げとなっています。ステーションにおいて、充電時に無人で傷等の検査と車の安全性・信頼性の確認ができるようになれば、運用費の大幅なコストダウンが可能となりカーシェアリングビジネスの拡大とEVの普及につながると考えました。
水食器洗浄機用給湯ユニット  
【研究施設内の実験車両】
 
また、EVカーシェアリングが広まれば、駐車場問題等の解消に加え、移動の効率化や環境負荷の低減につながると考えています。現在、車載機情報と安全・事故・故障診断に関する研究を続けていますが、EVカーシェアリングに対応した車両点検項目に関係するデータをECUから読み取るのはたいへん難しい作業です。自動車に数多く搭載されるECUのプログラムは、各自動車メーカーの管理下にあり、広く開放されているものではありません。しかし、昨年度の研究でOBDから多くの情報を取得することができましたので、一歩前進できたと思っています。まだ、OBDで取得できないデータの取得方法やEV充電器を経由した無人検査システムへのデータ伝送方法など、多くの課題が残っていますが、ひとつずつクリアーし、事業化を目指していきたいと思っています。
 
インタビュー
最後に今度の展望などをお聞かせください。
 
説明 神尾社長
  中小企業は、どうしても仕事を待つ形になりがちです。以前は、ピラミッドの頂点である自動車メーカーから仕事が流れてきて、その仕事をこなすだけで十分に経営が成り立ちましたが、今はそのピラミッドも崩れてしまい、仕事を待っているだけでは受注することができません。自分たちの経験やノウハウを生かしながら新しいものにチャレンジしていく必要があると思います。当社も今までの事業で築いた自動車と検査機器とを通信でつなぐ技術について、カーナビ、GPS、住宅関係のセキュリティーなど、世の中のニーズを敏感にキャッチし、新たな活用の可能性を探っていきたいと思っています。
 
太陽光発電システムの架台
 
【三菱自動車「i(アイ)」をイメージしたスマートキー】
三菱自動車「i(アイ)」用スマートキーのデザインの協力もさせていただきましたが、工業デザインや製品デザインにも力をいれています。他社との差別化を図る上でもこの分野には、今後も力を入れていきたいと思っています。 そして、「あったらいいな」の声を形にして提供し続ける会社でありたいと思っています。
 
 

本日はお忙しいところ取材にご協力いただきありがとうございました。フレキシブルな生産体制でひとつひとつのオーダーにきちんと対応しつつ、常に新たなニーズに挑戦する姿勢が、また次のビジネスにつながることを期待しています。御社の更なる躍進と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
 
《《《 会 社 概 要 》》》
SP  

  会 社 名 株式会社クリエイト・プロ 大津 尚彦社長
神尾 弘哉 社長
本   社 愛知県小牧市大字河内屋新田792番地1
創   業

1996年(平成8年)9月

代 表 者 代表取締役社長 神尾 弘哉
事業内容 EV/PHV関連機器の開発 ・製造、自動車用ECU検査機器/検査ハーネスの開発設計・製造、ワイヤリングハー ネスの設計・製造、プラスチック成型部品の設計・製造
資 本 金 1000万円  
従 業 員 68人  
U R L http://www.c-pro.co.jp/  
T E L 0568-71-1919  
F A X 0568-71-1920  


 

 


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