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中部発きらり企業 Vol. 73

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株式会社タカイコーポレーション
IT活用により社内のみならず協力会社とも情報共有化し、工程納期の見える化を推進 

今回は、株式会社タカイコーポレーションの3代目社長に昨年8月に就任した岩田誠氏にお話を伺いました。同社は、特殊ネジを中心に3万アイテムを取り扱う精密機械部品メーカーで、協力会社を含めたクラウド型購買・工程管理システムの構築により、顧客ニーズに対応した生産効率の向上を実現し「中部IT経営力大賞2011」の大賞を受賞しています。
(株)タカイコーポレーション[本社]
(株)タカイコーポレーション[本社]
インタビュー

御社のこれまでの沿革について教えてください。

 
説明 岩田 社長
 昭和23年に創業者の高井周衛がミシンネジを製造する高井製作所を設立したのが始まりです。高井周衛は戦前に夜間中学に通いながら名古屋の金属加工会社に勤めて加工技術を磨き、戦後に美濃市で独立し事業を立ち上げました。やがて自動車部品も手掛けるようになり、大量生産の波に乗って事業が拡大していきましたが、昭和52年に2代目社長として就任した高井孝市朗は、会社が成長し続けていくためには何が必要かと考え、コスト競争で厳しさを増す大量生産から、多品種少量生産へと事業転換しました。当時、まだ普及の限られていたNC旋盤を早々に導入し、精密加工を売りとして、様々な部品を製造し始めました。NC旋盤を導入してすぐに、当社しかできないということで大手メーカーから精密部品の生産を頼まれ、自信と成長につながりました。当社のプレス金型用ネジ部品をきっかけに金型用部品等を取り扱う東京の商社との取引が始まり、商社を通じての多品種少量の販売が本格化していきました。商社から多様な要望を受け、仕事をこなしていく中で技術やノウハウが磨かれていきました。事業拡大に伴い、昭和62年に現在の場所に工場を移転し、設備を増強しました。現在、第5工場まで稼働に至っています。マシニングセンタや冷間鍛造機など精密加工に必要とされる設備の充実を惜しまず進め、モノ作りの基盤強化を図ってきました。
NC旋盤が立ち並ぶ工場内 コイル材料供給装置と冷間鍛造機
NC旋盤が立ち並ぶ工場内

コイル材供給装置と冷間鍛造機

SP
ネジ径2mmのブランジャ
ネジ径2mmのプランジャ
インタビュー
御社の主要な製品について紹介してください
 
説明 岩田 社長
 現在、当社は特殊ネジを中心に3万アイテムもの精密機械部品を取り扱っています。FA位置決め部品、FA搬送用ボールローラ、スライドガイド、金型用ショルダーボルトなど、幅広い製品を作っています。主力製品はFA位置決め部品のプランジャで、国内トップシェアです。バネを内蔵した部品で、先端ピンが内部に沈み込む構造となっており、プレス金型や治具の位置決め等に使用します。プランジャを作り始めたのは、2代目社長がヨーロッパで生産されていたプランジャを見て、当社でも作れるのではないかとチャレンジしたのがきっかけで、出来上がったものを商社に持ち込むと、商社側にもニーズがあり取引が始まりました。技術を積み重ねていき、品質を高め、お客様の評価をいただきながら主力製品として花開いていきました。アジア市場には、低コストのプランジャも登場していますが、精度の高さで差別化を図っています。金型の小型化、省スペース化のための機械設備のダウンサイジングが進んでおり、これに対応する小型のプランジャも取り揃えています。最小でネジ径2mmのプランジャを提供しており、世界でも当社でしか作っていないサイズです。商社との付き合いの契機となったプレス金型用ネジ部品のスクリュープラグは、国内で生産されているものの8割が当社の製品です。昨今では、搬送用ボールローラが、半導体業界で大量に使用され、伸びてきています。プレス成形で作れば安くできますが、切削加工にこだわり精度の良い製品を提供していることが、お客様から好評を得ている理由だと思います。
各種ブランジャ スクリュープラグ ポールローラ
各種プランジャ

スクリュープラグ

ボールローラ
SP
FAワッシャの在庫管理
FAワッシャの在庫管理
インタビュー
多品種少量の生産体制などについて教えてください。
 
説明 岩田 社長
 当社の売上げは、大手商社や機械部品を扱う老舗メーカーといった固定のお客様との取引がメインです。大手商社のカタログ販売を通じ、1個からの注文にも対応するとともに、注文当日に出荷する等の短納期を実現する体制を整えています。これをこなしていくことで取引が維持でき、当社の優位性を保つことができます。注文件数は、1日当たりおよそ1000件で、100個以下の注文が多く、1個のみの注文も少なくありません。半製品(製造・加工工程の途中にある製品)の状態で在庫を持ち、注文に応じて長さや径を指定寸法に加工をして出荷します。注文件数が多く、多品種で型番も複雑化しているため、間違いが生じないように、商社サイドでは早くから注文情報の電子化を進めていたため、当社もコンピュータを導入し、受注・生産工程・販売管理を行う社内基幹システムを構築しました。受注があると、まずは在庫があるかないかをシステムにより振り分けます。在庫があるものは出荷票、在庫がないものは製造指示書が発行され、各担当者が責任を持って対応します。当社は、生産管理部門を置いておらず、各担当者が加工作業をしながら、工程管理、在庫管理等もこなしています 。
社員一人一人が加工作業・工程管理・農在庫管理等をこなす 社員一人一人が加工作業・工程管理・農在庫管理等をこなす
社員一人一人が加工作業・工程管理・在庫管理等をこなす
SP
IT活用により生産効率向上
IT活用により生産効率向上
インタビュー
中部IT経営力大賞2011」の大賞受賞に結びついた取り組みについて教えてください
 
説明 岩田 社長
 当社では、岐阜県内を中心に多数の協力会社と連携してモノ作りを行っています。多品種の膨大な発注と短納期をこなしていくには、協力会社との密なネットワークが不可欠なのです。そこで、協力会社にも工程管理システムを導入いただき、メールによるデータ交換を行い、社内基幹システムへの反映により工程管理等を行ってきました。しかしながらメール送受信と社内基幹システムへの入力作業がタイムラグを生み、情報がリアルタイムでなく、多数の協力会社の進捗状況を把握するには十分ではありませんでした。より効率化を図るための解決方法が見つからず、IT経営応援隊ぎふの開催するセミナーや専門家派遣を活用し、解決の糸口を探しました。この結果、Webブラウザを利用したクラウド型の購買・工程管理システムの構築へと繋がりました。これまでのメールの送受信と社内基幹システムへの入力作業を省き、Webブラウザという導入コストのかからない共通のソフトインフラを利用して、協力会社と情報を共有化し、リアルタイムの進捗状況の管理が可能となりました。協力会社には、既存の工程管理システムを利用いただいてきた下地がありましたので、新システムへの移行もスムーズに進めることができました。現在、13社の協力会社が新システムに参加いただいています。工程納期の見える化により、社内と協力会社の納期に対する意識が高まり、納期厳守率100%を達成することができました。今後の課題としては、在庫の最適化やピッキングミスの防止等です。これからもITの活用による業務効率化を推し進め、更なる顧客満足度の獲得を目指していきたいと思っています。
システム図
SP
インタビュー
御社の今後のビジョンなどについてお聞かせください。
 
説明 岩田 社長
競技用自転車の開発これまでは商社からの要請や注文待ちの仕事が中心でしたが、今後、単純な製品については、コストの面でアジアに対抗していくのは難しいと感じており、当社から新しい製品を企画・開発し提案していくことを、これまで以上に積極的に取り組んでいく必要があると思っています。そのためにも、培ってきた精密加工技術をベースに、意匠や特許の取得も視野に入れ、開発できる人材の育成に力を入れていきたいです。国内の新規顧客や海外との直接取引を開拓していくため、ホームページのリニューアルやメールマガジンの発行など地道に取り組み始めており、ホームページを見たということで韓国や台湾の企業から直接引き合いがきています。今年9月には中国上海で開催されるビジネスマッチングに参加する予定で、中国での代理店を確保し直接販売していくことで、ある程度の市場を維持していきたいと思っています。最近の話としまして、競技用自転車に使用するネジの仕事の依頼を受け、1年程の審査を経て、非常に良いと評価され受注に至り、この仕事をきっかけに、全く新しい分野への挑戦として、今年1月に競技用自転車開発室を立ち上げました。新素材として注目されている炭素繊維で自転車のフレームを作れないかと考えています。岐阜工業高等専門学校と共同研究の契約を交わし、産学連携で製法について検討中です。いずれは炭素繊維の加工技術を蓄積し、別の分野にも応用していくことができればと思っています。チャレンジなくして成長なしです。
SP

本日はお忙しいところ貴重なお話しを聞かせていただきありがとうございました。多品種少量生産へ事業転換し成功を納めてこられた背景には、社員一人一人の方が責任を持って加工から工程・在庫管理まで行うことで、製品に対する思い入れと誇りが養われてきたことにあるのではと感じました。御社の更なる躍進と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
SP
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
  SP SP  
会 社 名 株式会社タカイコーポレーション  
岩田 誠 社長
岩田 誠 社長
本   社 岐阜県 美濃市 棚洞3189番地の1  
創   業   昭和28年1月  
設   立 平成2年5月  
代 表 者 代表取締役社長 岩田 誠  
事業内容

金型用標準部品・FA用標準部品・特殊ネジ製品・搬送用部品等の製造

 
資 本 金 1000万円  
従 業 員 70名  
U R L http://takaicorp.co.jp/  
T E L 0575-33-0826  
F A X 0575-35-2368  
取材:平成 23年6月14日 総務課 情報公開・広報室


 
 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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