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中部発きらり企業紹介 Vol.99


高砂工業株式会社

~ お客様のニーズに合わせて一品一様、一つとして、同じ炉はない ~

ちゅぼっと君
今回は、高砂工業株式会社さんに伺いました。同社の誇る様々な試験炉を駆使し、お客様のニーズに合わせた炉を一から共同で製作し提供することで築き上げられる顧客との信頼関係。お客様が生み出した製品に付加価値を付けるべく新たに挑戦する真空炉の分野。さらには、通常であれば投棄、埋め立て等の処理がなされる廃棄物の「再利用」を可能とする熱処理システム。中部地域における唯一無二の熱処理メーカーとして、今後の展開に注目です。

陶磁器の一大産地土岐で始まったオールドセラミックスの連続焼成炉

陶磁器、亙瓦、タイルを焼成するトンネルキルン
【陶磁器、瓦、タイルを焼成するトンネルキルン】
 当社の設立は1953年です。設立から40年程は、陶磁器、煉瓦等オールドセラミックスの焼成炉をメインに製造し、取引先としては、地元企業がほとんどでした。 土岐は陶磁器の一大生産地で、焼物のシェアは現在でも6割を超えています。また、瀬戸物の産地である瀬戸も近く、創業者が、陶磁器や瀬戸物、笠原地区のタイル、 三州の瓦を連続的に焼成できる炉を作り、地域企業と取引することはできないかとの観点から始まりました。
 陶磁器、瓦、煉瓦と様々な産品の焼成炉を製造しているので、 例えば、お茶碗だと東海地方や九州、瓦だと三州といったように、産品によって販売地域、販売先が変わり、日本全国に取引先があります。東海地域との取引は全体の半分ほどです。

時代のニーズに合わせて変革し続ける


【武藤 則男 取締役 開発部長】
 焼成炉のシェアはオールドセラミックス関係で、7割ほどを占めます。オールドセラミックと一言で言っても、お客様に必要とされるものは、時代によって瓦だったり、煉瓦だったりと変わります。 ある産品がトレンドとなるころに、新たにその市場に参入してくる企業もありますが、そういった企業は、お客様のニーズが変わるのと同時に衰退し、なくなっていくことが多いです。 燃料に関しても石炭ガスから液体燃料、ガス、電気と時代とともに変わってきています。当社が長年生き残ってこられたのは、時代の流れに合わせて市場のニーズや燃料の変化を 踏まえた研究開発を続け、変革を遂げてこられたことが大きいと思います。

お客様のニーズに合わせて一品一様、一つとして、同じ炉はない

お客様の要望にきめ細かく対応するための試験炉の一部
【お客様の要望にきめ細かく対応するための試験炉の一部】
勝股 忠明 営業副本部長
【勝股 忠明 取締役 営業副本部長
 当社は、陶磁器等を焼成するトンネルキルンから始まり、電子部品や車の部品の他、車に搭載されるリチウムイオン電池を焼成する連続設備を取り扱っています。
 お客様のニーズはそれぞれ異なるので、既製品をそのまま販売することはしません。オーダーメイドで、共同開発、製造と対応するように心がけています。 当社には様々な試験炉があるので、お客様から相談を受け、試験炉で何度も試験をしていただき、納得いただいた上で納品させていただけるのも当社の強みであると思っています。 お客様のオーダーにきめ細かく対応できるよう心がけているので、一度できたお客様との信頼関係は厚く、高砂さんなら、何とかやってくれるだろうと言って、ご相談いただくことも多いです。 例えば、少量を処理する装置を発注していただいたお客様が、その後、量産化を迎えるにあたって大量生産のスペックにしてもらえないか、とのご相談もよく受けます。 お客様の求められるスペックが高度なものですぐに対応できない場合には、試験を重ねながら少しずつハイグレードのものを試作し、ゴールを目指すので、オーダー頂いてから、 納品まで3年近くかけて研究を重ねることもあります。
 装置の図面を描き、設計、製造、メンテナンスまでの機能がすべて当社に備わっているのも、お客様からの要望にきめ細かく対応できる秘訣だと思っています。

技術とノウハウをパッケージにして販売する海外展開

現地の産業発展にも貢献
【現地の産業発展にも貢献】
 これまでは、タイ、マレーシア、インドネシア等の東南アジア、バングラディッシュ、イランでは、産業が繊維から発展し、お茶碗等を製造するセラミックス産業が盛り上がってきていることから、 オールドセラミックスの焼成炉の引き合いが多くあります。現地に進出している日系企業にももちろん納めますが、やはり、現地で成功するには、 ローカルの企業をターゲットにビジネスを展開する必要があります。ローカル企業に販売する際には、東海地方の陶磁器に強い専門家を送り込んで、 機器の使い方等のノウハウをパッケージにして販売することもありました。販売方法も、韓国、台湾は直貿、東南アジア系は商社を通じてなど、 各国にマッチする販売方法を採るように工夫しています。最近では、自動車会社の海外進出に併せて進出する自動車関係の材料メーカーに熱処理装置を納品することもあり、 当社の売上の3分の1が海外向けとなっています。

CFRPからカーボンファイバーを取り出す高砂工業の熱処理技術


【開発課 中村 寿樹 主任】
 当社の従来の技術である「焼成」を活用した、廃棄物の再生利用を可能にする新しい熱処理システムを開発しています。当社の製品であるガス加熱ロータリキルンで、 食品残渣や下水汚泥等を連続炭化させて、再利用するものです。  最近では、車や航空機などに使われる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からカーボンファイバーを取り出すことも可能であることが分かってきました。 中部経済産業局の基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)を活用し、過熱水蒸気中で、CFRPを処理すると、強度劣化なく、繊維のみを取り出す実証実験を行いました。 CFRPは繊維に樹脂が付着している構造で、過熱水蒸気中に投入すると、プラスチックが熱分解します。炭素繊維を取り出せるだけでなく、プラスチックが燃えて生じたガスをエネルギーとして 炉を動かすことが出来るため、炉の稼働コストを削減することもできます。一般的に、リサイクルを目的とする炉は、その稼働コストがかかるとなると、売れなくなってしまうことが多いのですが、 このキルンであれば、コストを削減しながら、廃材のリサイクルを可能にする点が、有利であると考えています。カーボンファイバーは通常通り、製造すると高価ですが、 このキルンを活用しリサイクルすることによって、5分の1程度の価格で再生する事が出来ます。現在市場に出せないか研究開発を進めているところです。繊維を取り出すところまでは、 確立していますが、リサイクルした繊維が何に使えるのかを自動車関連会社とも検討しているところです。CFRPは航空機にも使われる将来性のある材料です。 このCFRPがコストをあまりかけることなく、再利用できるということで、その使い道次第では、このキルンは非常に大きな可能性を秘めているのではないかと思っています。 先日、参加した局主催のベトナム環境ビジネス商談会でも、この産業廃棄物の処理システムを現地で紹介しました。経済発展を遂げつつあるベトナムでの展開を目指していますが、 まだなかなか製造から一歩先を行った「リサイクル」まで、現地のマインドが追いついていない感じがあります。行政にもサポートいただきながら、今後とも進めていきたいと思っています。  CFRP以外の下水汚泥や一般ゴミ、廃タイヤ等をリサイクルする仕組みは既に実用化されています。下水汚泥を処理する目的で、同キルンは下水道事業団に採用されていますし、 インドネシアでは、タバコの廃材をリサイクルして、肥料として再利用する取り組みに活用されています。処理する廃棄物によって、炭化されてできるものは異なるため、 これからも用途のバリエーションはますます広がっていくと思っています。
【様々な廃棄物を炭化させることで可能となる再生利用】

お客様の製品に付加価値を付けたい、真空炉への新たな挑戦


【高砂工業の新たな柱 真空炉 TVHシリーズ】
TVO真空油焼入れ炉・TVD真空洗浄機・TVT真空焼戻し炉

【熊谷 弘樹 営業部長代理】
 工業炉のカテゴリーで真空炉の製造を始めて今年で3年目を迎えます。当社は金属熱処理関連の装置の製造を始め、特に自動車関係・航空機関係がそのお客様になります。 取り扱う真空炉(TVHシリーズ)は、真空洗浄機・真空浸炭炉・真空焼入れ炉・真空焼戻し炉等です。
 2000年~2009年まで携わっていた真空炉・真空洗浄機の請負製作の経験を活かし、その後自社製品としての開発期間中には、お客のニーズを調査し、お客様の要求を取り入れた装置を開発しました。 その最大の特長は省エネルギーと処理時間の大幅短縮・更に品質向上になります。

 今後は、この「真空炉」を当社の売上の半分を占める新たな柱としていきたいと考えています。工業炉は、お客様のニーズを聞き、一緒になって一から積み上げていくものですが、 真空炉は出来上がった商品にいかに付加価値を付けて頂けるかがポイントであると思っています。日本金属熱処理工業会にも加盟し、積極的な活動を進めているところです。
また、中国、韓国等の海外展示会にも参加し、既に、中国、台湾のローカル企業からの発注もあります。
デザインについても、従来の炉のイメージを覆すような、おしゃれな見た目になっています。真空炉の業界で、デザインにこだわる製品は当社ならではです。環境に配慮しつつも、 おしゃれな設備空間を演出する、今までにない新しいタイプの「炉」として、国内、海外問わず、前向きな事業展開を続けていきたいと思っています。

会社概要

社: 高砂工業株式会社
代表取締役社長 鈴木達也
法人番号: 2200001021378
社: 岐阜県土岐市駄知町2321-2
事業内容:

熱処理炉、熱処理システムの設計、開発、製造、アフターメンテナンス

業: 1953年(昭和28年)
代表者: 代表取締役社長 鈴木 達也
資本金: 2億円
従業員: 300名
URL: http://www.takasago-inc.co.jp/
TEL: 0572-59-1234
FAX: 0572-59-2033


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