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中部発きらり企業紹介 Vol.97


五洲薬品株式会社

~人間の血液、体液と限りなく近い成分が自然と備わる海洋深層水のパワーを活かした「オールナチュラル」商品へのこだわり~

ちゅぼっと君

今回は、五洲薬品株式会社の藤井侃代表取締役社長にお話を伺いました。早くから、海洋深層水の研究を重ね、脱水症状時の水分補給に役立つ経口補水液や臓器移植のための保存液などに展開。人間が進化の過程で海から陸にあがったことを考えれば、人間の血液、体液の成分と海水の成分が非常に近いことは、改めて考えれば当たり前のこと。「治療」ではなく、人間の持つベースをつくる「再生医療」を目指し、人間の美と健康に本当に良い商品の開発は続きます。

 

「誰も作っていないものを作る」当時は珍しかった入浴剤


【70周年を迎える「桃源」を含む様々な入浴剤】
 設立は、昭和22年(1947年)8月です。戦前、日本で作った薬を中国で販売していた私の父が、日本に戻ってきてから事業を興しました。
 「五洲四海」という地球全体を表す中国の故事から、「五洲薬品」という企業名となりました。父としては、当時の日本で世界を相手に勝負をしたいという思いからこのような名前にしたそうです。グローバルな精神は、父から私の息子にまで受け継がれており、私の息子も米国の大学を卒業し、今では当社の国際部で活躍しています。 
 当初は医薬品分野からスタートしましたが、昭和22年の富山では、配置薬メーカーが300社近くあり、その競争は大変激しいものでしたので、置き薬を売っているだけでは、経営が成り立たないと感じ、昭和29年に入浴剤「桃源」を販売するようになりました。これは、現在販売されているものでは日本最古の入浴剤です。当時、効能効果のある入浴剤はなかったこともあり、先代社長が目指していた「誰も作っていないものを作る会社」として、薬で培った技術を活かし、開発を進めました。昔は、町中では銭湯に入る人がほとんどでしたが、田舎だと自宅のお風呂に入る習慣があり、入浴剤は田舎での方がよく売れていました。当時、高度成長期で人々が「癒やし」を求めていたこともあり、人々のニーズにも合っていたのだと思います。そうして、「桃源」は皆さんにお馴染みの入浴剤となったわけですが、このように、一つのブランドを育て上げることほど難しいことはないと思っています。当社は来年70周年を迎えますので、もともとの桃源を知っている方が元気なうちに、当時のパッケージの復刻版を出して、懐かしく思っていただくとともに、桃源の良さと桃源は五洲薬品の商品であるということを、再認識していただき、今後も大切に育てていきたいと思っています。

入浴剤の付加価値が医療分野にまで発展

 昭和42年からは、桃源にタンパク分解酵素としてのパパイヤの成分を入れることとなりました。このタンパク分解酵素(パパイン酵素)は、今となっては衣類の垢を分解するための洗剤の成分として一般的になりましたが、当時は、日本で初めての試みで非常に画期的でした。入浴剤を入れると、お風呂に入った人の毛穴の中にある、石けんでとれない垢や、浴槽に付いた垢、風呂釜の中の垢を分解できるような効果がありました。このパパイン酵素は、現在、大腸検査食までに発展しています。病院で大腸検査を受ける前に、この大腸検査食を摂取すると、宿便を分解し、腸の中を綺麗にしてくれるので、腸内の、より細部まで、検査をすることができます。

高度経済成長が生んだミネラルウォーター


【ミネラルウォーターや電解質補給水】
 昭和50年代は、関東一円の工業地帯を筆頭に日本が経済成長を遂げている中で、工場排水がどんどん川に流されていました。生活用水は河川の水がもとになっていたのですが、その川に、工場排水を流していたので、生活用水の質は非常に悪くなりました。その水の消毒のために、大量の塩素を入れていたのですが、今度は、その大量の塩素のために、東京の生活用水は発がん性までも取り沙汰されるようになってしまいました。我々としては、せっかく薬を作っていても、そのような水で服用されてしまっては意味が無いとの思いがありましたし、我々のいる富山にはこんなに良い水がある、せめて病院では良い水を使ってもらいたい、という強い思いからミネラルウォーター事業が始まりました。当時は、今のように3000億のミネラルウォーター市場になるとは思ってもみませんでした。案の定、昭和52年から平成5年までまるっきり売れませんでした。当時、水にお金を出すなんていう考えはなかったですからね。サンプルを渡せば、おいしいね、便利だねと言ってくださる方が多かったものの、なかなか売れませんでした。
 それが、平成5年前後、水不足で四国の高松のダムが涸れ上がり、現地の喫茶店という喫茶店が営業できなくなってしまいました。また、飲用水だけでなく、水洗トイレを流す水も不足する事態が起きました。ちょうどその頃から、コンビニでミネラルウォーターが取り扱われるようになり、徐々に人々の生活に浸透するようになっていきました。しかも、当時は2Lの水が300円という高価格であったにもかかわらず、売れるようになっていったんですね。それまで非常に小さかったマーケットが、平成5年以降は倍々ゲームで伸びていきました。そうこうしているうちに様々な企業の商品を全量受託生産するようになっていき、24時間工場を稼働しても、全く間に合わないほど忙しくなりました。現在は、水の価格そのものがどんどん安くなっていますので、ラインの一部を経口補水向けに切り替えています。

「陸の水」と「海の水」をブレンドできる随一の技術で作った「人間を健康にできる水」


【多段式電気透析装置】

 このように、始めは硬度が低く、おいしいけれど栄養素が少ない「陸の水」を販売していました。一方、「海の水」は、硬度が高く、おいしくないけれど、陸の水にはない様々な成分があっておもしろい、何とかおいしいだけでなく、「人間を健康にする水」をやりたい、との思いを持っていました。そのような中、世界で進んでいた海洋深層水の研究が日本ではあまりされていなかったことを受け、1985年より科学技術庁が主導しアクアマリン計画として、日本海側では富山県、太平洋側では高知県、沖縄県で研究が始まりました。大陸棚に面する海岸では、数十~数百kmほど先まで行かないと海洋深層水に行き当たらないのが一般的な地形ですが、富山湾はすぐに深くなるので、富山県は研究地に適していたのだと思います。そのときすでに海藻を海洋深層水で育てると育ちが良いことは知っていましたので、海洋深層水には必ず何か秘密があると思い、その研究には真っ先に手を挙げました。
 平成8年から12年まで、富山県の公設研究機関、富山大学、五洲薬品等で、海洋深層水を我々が口にしても問題ないものであるか、安全性、安定性など様々な分析を行いました。そして、平成12年になって、海洋深層水のための「多段式電気透析装置」を導入することとなりました。多段式透析装置の脱塩分離技術により、海洋深層水を脱塩水や、ミネラル濃縮水、濃塩水、等張水、に分離する過程で塩、にがりなども出来上がりました。海洋深層水分離の産物はそれぞれに、素晴らしい要素がありましたので、当社の商品のバラエティが非常に広がりました。例えば、塩。市販の食塩は塩化ナトリウム分のみですが、当社の透析装置でできた塩は9割が塩、残りの1割は多種のミネラルです。料理に与える効果も異なることから、今ではレストランからの引き合いが多くあります。また、熱中症対策商品などにもこの塩を配合しております。
 このように、一番始めは、富山ならではの北アルプスの雪解け水を生かした硬度20程のカルシウムの多い「陸の水」のみでしたが、海洋深層水の研究によって、海の水に多いミネラルのマグネシウムと陸の水をブレンドさせた硬度250の「海のミネラル水」ができました。ミネラル豊富な「海の水」の長所と味がまろやかな「陸の水」のそれぞれの長所を活かすべくブレンドできるのは、海の水、陸の水を両方もっている当社だけです
 料理についても、その素材や目的により、水を使い分けることで、より一層おいしくなることも分かっています。例えば、肉料理は硬度の高い水を使用する方が、旨味が肉の中に封じ込められ美味しくなりますし、おでんのように、ぐつぐつ煮込む和食料理は硬度が低い水を使用する方が、出汁がしみこみやすいです。当社では、「海の水」と「陸の水」をブレンドできる技術を活かし、硬度50のコーヒー・紅茶の香りを引き出す軟水、硬度150の焼酎、ウィスキーの水割りに適した水、硬度300の健康に良い硬水、硬度600のスポーツや汗をかいた後の水分補給に最適な硬水、代謝や排便を促すダイエットに適した硬度1500の超硬水などの「ミネラヘルシーシリーズ」も展開しています。コーヒー一つを取り上げても、硬度50程の水で入れると、おいしいですが、より硬度が高い水で入れようとすると、前述の「肉料理」と同じ原理で、豆の中に成分が封じ込められてしまいます。逆に日本の軟水でやると、旨味だけでなく、苦み、酸味もすべて出てきてしまうため、豆によっては適切ではないこともあり、非常に奥が深いです。最近では、水の硬度を調整し、旨味だけを出し、苦み酸味を抑える技術も備わってきたので、今後はアンテナショップでの提供にも挑戦していきたいと思っています。


【特定保健用食品キレアウォーター】

 その後、当社の陸の水、海の水をブレンドする技術と薬の技術を掛け合わせることで、「お通じ改善」までの機能を持つ水「キレアウォーター」を開発し、トクホまで取得することが出来ました。腸内環境改善のトクホは今までもありましたが、北アルプスの天然水と富山の海洋深層水に高純度乳果オリゴ糖の調和で、お通じを良好にすることまでを表示できる特定保健用食品は、まさに他にはない商品となりました。


経産省の地域資源活用事業、サポインで広がる海洋深層水の研究

 様々な要素を含む海洋深層水については、平成19年に病理組織診断や臓器移植の保存液に海洋深層水が使えないかという研究も富山大学とともに行いました。従来、病理診断の細胞保存には体液に近い浸透圧に調整した精製水に0.9%の食塩を溶かした生理食塩水を基にしたものを使用していましたが、我々は海洋深層水から等張液という保存液を作ったのです。等張とは体液に等しい浸透圧のことです。臓器移植の際に、臓器を生理食塩水に保存すると早期に細胞が崩れてしまうのが一般的であったのですが、われわれが開発した等張液に入れると15日以上細胞が存命できることが判明しました。海洋深層水には、当初から何らかの秘密があるとは思っていましたが、ここに来てようやく、生理食塩水にはない、海洋深層水のミネラル等の成分が、効果的なのではないかということが分かり始めてきました。さらに、平成19年8月には経産省の「地域資源活用型研究開発事業」に採択され、「海洋深層水分離加工技術より製した分離水による創傷ケア製品開発」の事業として、海洋深層水分離加工技術を利用した創傷ケア製品の開発を、当社が管理法人となり、富山大学、鹿児島大学、和歌山県立医科大学、浜松医科大学、富山市民病院、福祉村病院と連携して行いました。病院等で患者の傷口等を洗う際、通常は生理食塩水を使用していましたが、それをわれわれが開発した等張液に代えて、試しました。すると、生理食塩水とは異なり、しみないだけではなく、傷口が早期に治ることが分かってきました。実際に、海洋深層水の何の成分が、傷口の再生に効いているのかを調べるため、ミネラル以外にも微量含まれる有機成分を調べたところ、海洋深層水にはアミノ酸の一種、「GABA」が含まれていることも判明したのです。海洋深層水は、我々の血液、体液と近い成分が自然と備わっており、この等張液の効果は恒常性維持能(ホメオスタシス維持能)として発揮されていたのです。

【経口補水液で水分・電解質が補われる仕組み】

この等張液は、夏の脱水症状の対策として開発された経口補水液に派生しました。血液、体液と類似したバランスのもので通常の水よりも格段に早く吸収することができます。脱水症状の際には、汗と一緒にミネラルも出て行ってしまう。そこで、水だけを取り入れると、血液が薄まろうとすることから、折角摂取した水分が尿となり排出され脱水症状から回復できなくなります。脱水症状回復のためには、血液体液と近い成分のもので補わなければ意味がありませんので、その点でも非常に効果の高いものとなっています。これは、決して治療ではありません。本来、元気であった細胞を基に戻してあげるのです。その人の代謝バランスや免疫力を元に戻す、その人の細胞、臓器を元に戻す、これが再生医療の基本だと思っています。脱水症状の時に飲むドリンクは様々な企業から出ていますが、当社の製品は天然成分を最大限に活用したもので子供にも優しいです。
今では輸液の開発にまで繋がっています。海洋深層水を元に作られた等張液は、赤ちゃんがお母さんの胎内で育つ時の羊水と近い成分だとも言えます。人間は、羊水の中で細胞が育ち臓器が作られるので、等張液が、人間の血液や体液と非常に近い成分というのは改めて考えれば、当たり前のこととも言える気がします。平成27年度はさらに、細胞培養液として再生医療にも活用できないかと、経産省の「戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン事業)」に応募し採択をいただき、研究を進めています。その培養液としての研究を進めていけるのは、まさに、経済産業省の支援事業のおかげであると、心から感謝しています。

有効成分の働きまでもさらにプラスにする海洋深層水

【自然派化粧品など】

 前述したように、海洋深層水は、傷を治すとの観点から、にきびにも有効なナチュラルな化粧品にも展開できると考えています。しみない、傷口を洗い流してくれる、回復を早める、この3要素は非常に有能であると思うのです。一般的に、化粧水の大半は、水でできていますがそのほとんどは精製水です。その精製水を等張液にすることで、配合する有効成分の効き方が変わってくるのです。ベースとして、我々の血液、体液が本来持つミネラルやアミノ酸がバランスよく含まれているところに、有効成分が加わるので、効果が非常に違ってきます。やはり、「人間が形成された羊水に限りなく近いもの」が、われわれ人間のベースを再生するには一番有効であると思っています。

「自然」にこだわる製品が人々に受け入れられる時代

 これまで、社会的要因を踏まえつつ、商品開発・販売をいろいろとしてきました。全てに利益が上がっているわけではありませんが、当社は一貫して、人間が本来持つベースに働きかける「オールナチュラル」の商品にこだわってきました。他社の製品と主要目的は同じでも、当社の「自然」にこだわる製品がみなさんに受け入れられるようになってきたのだと思っています。ミネラルウォーターで「水」をやり続けてきたからこそ、海洋深層水の研究に挑戦したいと、かねてから思っていました。先見の明で海洋深層水に目を付けたからこそ、関連する特許を取得することができ、現時点では他社の追随はなく、当社独自のものとなっています。

人間の起源「海」が秘める限りない可能性

【本社】

 人間は進化の過程で海から陸にあがったことを考えれば、人間の血液、体液の成分と海水の成分が非常に近いことは、もはや当たり前のことと言えます。しかし、最初からそれが分かっていて、やってきたわけではありません。研究を重ね、次から次にテーマが見えていく中で、今まさに、ここに辿り着いたと言えるかと思います。その海洋深層水に着目した我々が取り組んでいるのは、治療ではなく、単に人間のベースを作る、再生医療です。臓器移植時は、海水に近いものを使う目的から生理食塩水を使っていました。では、本物の海洋深層水だとどうなるのか?という素朴な発想が、ここまでつながっています。今回のサポインで取り組むオミックス解析も限りない可能性を秘めています。ここから、当社の目指す「人間の美容と健康」に本当に役立つ商品が生まれていけばいいと思います。海には人間のDNAがあるという大学の先生もいます。人間は、これだけ宇宙に行っているのに、海の研究は全然進んでいません。あまりにも身近すぎて、たかが海だろうと考え、誰も手を付けていないのかもしれません。

我々は、人間の起源である海は限りない可能性を秘めていると信じてやみません。サポイン事業の中で、海洋深層水を使用した培養液と化粧品の開発を進めていきたいと思っています。等張液や経口補水の成果から、海洋深層水に絶対に優位性はあると確信していますから、それをどう形にするか、人間の美容と健康のためのどのような製品ができていくのか、楽しみながら取り組んでいます。

会社概要

社: 五洲薬品株式会社
代表取締役 衣笠貢司
法人番号: 8230001000927
社: 富山県富山市花園町1丁目1番5号
事業内容:

医薬品、医薬部外品、化粧品、機能性食品飲料、ミネラルウォーター、海洋深層水素材等「美と健康」をテーマにした幅広い商品の企画開発から製造販売

業: 1946年
代表者: 代表取締役社長 藤井 侃
資本金: 30,000千円
従業員: 120名
URL: http://goshu.co.jp/外部リンク
TEL: 076-424-2661
FAX: 076-422-4571


このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

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