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中部発きらり企業紹介 Vol.95


株式会社パイオニア風力機

~ 決して量産ではない、ニッチな世界で目指すは、1人1人に満足してもらえる製品作り ~

ちゅぼっと君

今回は、株式会社パイオニア風力機の戸次貴裕社長にお話を伺いました。同社は他社には決してマネできない随一の技術を持つ、クリーン環境機器総合メーカーです。エアーシャワーやエアー吸着マットを主力商品に据えつつ、何よりもお客様の声を大切にする同社は、ユーザー1人1人の「こうなるともっといいのにな・・」の要望にきめ細かく対応されてきたので、特殊寸法はもちろん特殊な洗浄機械など、商品のバリエーションはどんどん広がっています。

 

 

お客様からの直接の声から生まれる商品

エアシャワーとエアー吸着マット
【エアシャワーとエアー吸着マット】
 父である現会長が昭和44年に創業し、最初は集塵機を作っていました。当時、日本が高度経済成長をしていく中で、住宅としての木造建築が増え、建材製造の際に出る木くずを集める必要から、木工関係の企業を中心に多くのニーズがありました。また、当時、雪深い地域で、冬に家内工業として蛇口磨きが行われており、そのバフ掛け作業で生じる粉塵を吸い込むバフダスターという商品を製作し、納品していました。このように創業当初から、お客様と関わる中で、こんな商品を作れないかと相談され、それらに対応する形で商売をしていました。昭和50年代には、複数の化学薬品を扱う企業からの要望で、クリーンルームダスター(エアシャワー)が生まれました。

展示会は「1秒」が勝負。お客様の「目」にアピールし、「何だ、それ?」と思ってもらえたらこっちのもの


【エアー吸着マットと異物吸引の仕組み (株)パイオニア風力機HPより】
 エアー吸着マットも会長の発想です。会長は当時、名古屋の地下街を歩いていた時に、店先に置いてあるマットを見て、うちの商品で作れないかと考えたそうです。それがエアー吸着マットの始まりです。私は2000年入社ですが、私が入って、少し経ったあたりから、その試作開発品が完成しました。そして、3年後にやっと第一号機が売れ、開発から製品が売れるまで非常に長い年月がかかりました。製品を作るまでも、もちろん大変ですが、良い製品が完成した後、その素晴らしい性能を、どのようにお客様に分かっていただくか、見せられるかにも非常に苦労しました。例えば、エアー吸着マットについて言えば、ごみを吸い込む「瞬間そのもの」をお客様に見ていただかなければ意味がありません。展示会では、1秒が勝負だと思っています。お客様が見た瞬間にタイムラグなく、吸い込む瞬間を見せなければ意味がありません。エアー吸着マットは、マットを足で踏んだ際にゴミが吸い込まれる仕組みになっています。なので、お客様がこちらを見た瞬間に、マットを踏むように心がけています。お客様に、「何だ、それ?」と思ってもらえたら、こっちのものです。ちなみに、当社では年間約20回展示会に出展しています。展示会では、他との差別化を図るために、いかに目に留めてもらえるか、目立つのかという観点から、敢えてPCを使わない、カラフルな手書きのPOPも活用しています。
 エアーシャワーに関しても、昔は、マネキンを中に入れて、髪の毛をなびかせて、風が吹いているのを「見せて」PRしていたそうです。エアー吸着マットもエアーシャワーも、お客様の「目」に訴えるのが一番なのです 。

お客様に評価していただいているからこそ、絶対に妥協はしたくない

エアー吸着マット
【エアー吸着マット 踏んだ部分のゴミが吸い込まれる】
 従来のマットは、靴等の汚れは取れても、マットそのものには汚れが付着しているものがほとんどでしたが、当社のエアー吸着マットは、汚れを吸い取ってしまうため、マットの上も綺麗なままです。ゴミそのものが、その場からなくなるので、お客様にはそこも評価していただいていると思っています。購入するか否かを本当に悩まれている方には、デモ機をお貸しして、実際に使いたいと思っている場所で、お使いいただいた上で検討いただくこともあります。最終的に重要なのは「お客様がどのようにお使いになるか」だと思いますので。
 エアーシャワーについても、安かろう悪かろうの製品ではなくて、効果のあるエアーシャワーをお届けするのが、我々の使命だと思っています。エアーシャワーメーカーなので、風が弱くて安いものを作ろうと思えば、いくらでも作れると思いますが、そこはプライドが許しませんね。

お客様の要望に対応したエアー吸着マットの多彩なバリエーション


【石目調塗装の施されたエアー吸着マット】

 エアー吸着マットは、特許をとっています。靴底を水で洗い流す機能のものであれば、他企業も作っているようですが、当社の商品のように吸い込むタイプは他にありません。当社が、何度も改良を重ね、苦労したからこそ、他社には真似できないノウハウの蓄積を得られたのだと思っています。
現在は、エアー吸着マットについて寄せられるお客様の要望に対応するべく、バリエーションを広げていっています。例えば、「マットの厚さはうすい方がもっと違和感がないよね」との声はよく寄せられますし、「マットの上に重量物が載せられると、もっといいよね」という工場の方のニーズにも対応するべく開発を進めています。開発を進めた結果、標準タイプでは45ミリであった厚さも、30ミリまで薄くすることができていますし、18ミリまで薄くすることを目指しています。耐荷重に関しては標準タイプは200キロであるところ、1tまでの対応が可能となりました。耐荷重500キロのニーズは多くあります。また、「玄関に置くので、マットのボールの色を変えたい、社名を入れたい」という要望もあります。「清潔な環境の工場である」という対外的アピールのために、工場玄関に導入される 企業さんもいます。また、最近ですと、 店舗入り口などにも置いていただけるよう石目調の塗装をしてみたりと、バリエー ションはどんどん広がっています。
マットの用途が、発展していくケースもあります。例えば、工場で荷物を簡単に移動させるため、床との摩擦を少なくするデッキを使用することがありますが、そのデッキの掃除のために、エアー吸着マットのブラシを長くし逆向きにして使用している例があります。また、段ボールの紙粉を取りたいとの要望から、荷受け室の床にカーペットのようにマットを使用するケースもありました。それらを使っていただいている工場で、他社のお客様の目にとまり、どこどこの企業と同様のものが欲しいとの相談をいただくこともあります。

日本での信頼を武器に、海外へ進出

 海外に関しては、アジアに進出している日系企業からのニーズが非常に高いです。も のづくりに真剣に取り組んでおられる日系企業の「日本と同じ環境でものづくりがし たい」との思いに、当社の製品が合致しているのだと思います。その結果、ほとんど のASEAN諸国に納品しています。また、展示会には、多くの商社や海外の現地工場の 人が見に来られるので、日系企業だけではなく、フィリピンの現地食品メーカーに 使ってもらった例もあります。みんな日本向けに商品を売りたいと思っているので、 それなりの工場環境の中で製造しないといけないという思いも芽生えてきているよ うで、日本で評価されている商品は、海外からも定評があるのだと思います。 既に、エアー吸着マットに関しては、海外特許があります。現在、代理店は中国にしかありませんが、今後は、代理店も含め、海外のメンテナンス需要に迅速に対応できるような体制を整えつつ、日本での評価を武器に、海外にもさらに挑戦していきたいと思っています。

使ってくださるのはユーザーさん、その声を大切にしたい


 当社は、もともと代理店制度はとっておりません。ですので、商社さんが間に入る際には、話を一番最初に持ってきてくれた商社さんを優先することにしています。ですが、使っていただくのはユーザーさんです。故障した場合であっても、直接そのユーザーさんから状況を聞かないと分からないと思うのです。そして、その声は次へのステップになると思うのです。また、年に約20回もの展示会にも出ています。展示会でユーザーさんと接し、「パイオニアさんの製品はここがいいよね!」「こういう物ができるといいね!」という直接の声を聞いて、ものづくりをしていきたいと思っています。
 もちろん成功ばかりではなく、失敗もありますが、間違いなく言えるのは、お客様に育てていただいている会社だということです。いろいろ言ってくださる熱心なお客様の思いを、今すぐにではなくとも、いずれ、必ず実現していきたいと思って製品作りをしています。良い物は費用をかければできますが、高すぎると売れなくなってしまいます。かといって安くしてしまうと商品の性能が悪くなってしまうし・・そのバランスは重要ですね。ファンになってくださるお客様がいると、やはり妥協すべきではないなという気持ちを再認識できます 。

前向きな投資となった経産省の新連携事業

 新連携事業を活用して、研究開発等を行った商品は、メインの商品にはまだなっていませんが、1つの柱としては十分育っています。新連携事業への応募は、展示会に出展した際、中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)のマネージャーさんに声をかけていただいたことがきかっけです。後日、実際に中小機構にお伺いしました。最初は、お金を出すなどとおっしゃっていたので、正直、怪しんでいたのですが(笑)、詳細のお話を聞いて、当時、海外での特許を取りかけていたところだったので、特許の面でも活用させていただけるかなと思い、取り組むことにしました。新連携事業では、エアー吸着マットに重量物を載せたり、ブラシの変更をするための金型等の研究に活用しました。また、時期的に、新連携事業に認定されてから、リーマンショックが起きました。不景気になると、多くの企業が広報費用を削って対応することとなると思いますが、新連携事業があったことで、当社は、不景気になってもPR力を落とすことなく、社員の首も切ることなく、乗り越えることができました。これは、非常にありがたかったと思っています。それから、展示会や海外で、「日本国の認定がある」と、PRできる点も、もちろん心強いですね。

同じ日本なのだから、支え合っていきたい

 東北仙台営業所は東日本大震災後に開設しました。それまで、東北は関東営業本部が担当していたのですが、昔から熱心なファンでいて下さるお客様が、仙台で工場を新築されたばかりで、被災されたのです。弊社は震災2週間後に実際に現地に赴き、現地調査し、後日対応もしましたが、何かしらの拠点が必要だろうと考え、設立に至りました。また、震災を受け、東北の各県に対し、何かしら使っていただけないかと思い、エアー吸着マットの寄付も行いました。青森・岩手では病院で、福島では工業高校、宮城では市役所で使っていただいています。やはり同じ日本ですから助け合いたいですよね。

ビジネスは大変な時にどう楽しむか

 ビジネスをやっていく上で大切なのは、大変な時にどう楽しむかだと思っています。私は、もともと別の企業で働いていました。2000年に、この会社に来ることになった際も、父である当時の社長から電話がかかってきて、「楽しいことがたくさんあるよ」と言われたのが、きっかけとなっています。実際には大変なことも多くありますが、それを楽しくするのは自分自身であって、大変な時にも、いかに楽しく自分で考えられるか、短い人生、いかに楽しく生きるかが重要であると思っています。学生向けの企業説明会の際も、会社説明をするというよりは、若者に向けた意識改革の場として捉え、自身が見聞きした、知っていて損はない内容を代弁することにしています。若者の意識を改革していかなくては、晩婚化、未婚化が進んでいる日本がダメになってしまうと思っているので。そのように、学生さんたちと話していく中で、窮地に立たされた時にでも、しっかり自分の両足を踏ん張って、乗り越えられるような人材を採用できればと思っています。現在、工場では24歳から69歳までの社員が働いています。当社を信頼して長い間頑張っていただき、定年を迎えたにもかかわらず、まだまだ働きたいとおっしゃる方には、働いていただきたいと思っています。そういった方々は正真正銘、モノづくりの好きな方ですから。

量産ではなくニッチな世界で、モノづくりに熱心な方々のために製品を作り続けたい

 開発、販路拡大については、これから、いろいろやりたいと思っています。ゼロからのモノづくりは、時間が掛かりすぎて、スピード感がなくなってしまい、非常に大変です。他方で、すでにある製品を変えていくことについては、いくらかやりやすいですから。ひとまず「出したら売れる」ものを、作り出していくことに挑戦したいと思っています。当社は、量産工場ではないので、更にニッチな世界で挑戦していきたいと思っています。「たくさん売りたい」ではなく、他にはない、ニッチな世界で、みんなが「えっ?」と思う製品を創り続けていきたいと思っています。国内において、士気高く、モノづくりに取り組んでいる方々のために、他にはない製品を、これからも創り出していきたいと思っています。 

会社概要

社: 株式会社パイオニア風力機
代表取締役 衣笠貢司
法人番号: 5180001028712
社: 愛知県名古屋市緑区浦里3丁目25番地
事業内容:

クリーン環境機器の総合メーカー
開発・設計・製造・施工までの一貫体制

業: 1969年(昭和44年)
代表者: 代表取締役社長 戸次 貴裕
資本金: 3,000万円
従業員: 43名
URL: http://www.paionia.co.jp/外部リンク
TEL: 052-892-6855
FAX: 052-892-8803


このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

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