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中部発きらり企業紹介 Vol.51

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株式会社ペイントサービス

株式会社ペイントサービス  
〜 抗菌効果を付加した塗装技術で下請け体質から脱却、そして新分野への挑戦へ〜

  今回は、独自技術である抗菌効果の高い銀担持型無機系抗菌剤「光ギンテック」の“塗膜一体化技術”の販路拡大にクラスター活動を通じて取り組むとともに、より緻密で均一な抗菌塗装技術の開発に挑戦している(株)ペイントサービスの村瀬栄次社長にお話を伺いました。
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株式会社ペイントサービス[社屋]

株式会社ペイントサービス[社屋]

 
株式会社ペイントサービス[工場]
株式会社ペイントサービス[工場]
インタビュー

 御社は昭和61年から創業開始されたとお聞きしておりますが、はじめに創業の経緯などについてご紹介いただけますか?

 
説明 村瀬社長
 昭和61年2月、ムラセペイントサービスとして創業。同年11月に有限会社化。平成4年に焼付け塗装工場を併設しました。その後、新分野への挑戦を目指し、平成10年に大同特殊鋼(株)が開発した銀担持型光触媒「光ギンテック抗菌微粒子」(以下、光ギンテック)のコーティング技術の開発を開始。平成18年、光ギンテックの“塗膜一体化技術”に成功し、特許出願を実施するとともに株式会社に改組しました。
 塗装業界は、零細企業が多く分業化が進み、また独自技術もほとんどないため自ら顧客開拓することが難しく、元請けからの受注による下請け体質となっています。当社は、マンションリニューアル分野では自ら営業し直接仕事を受注していますが、当社の売り上げの大部分を占める一般建築塗装は現在、価格競争が激しく厳しい状況にあります。
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インタビュー

 下請けが大多数という一般の塗装業者から、御社のように研究開発を行い、独自技術を開発し直接営業を行って自ら顧客開拓をするに至ったきっかけは何でしょうか?
 
説明村瀬社長
 社の将来を見据え、独自技術を確立しないと生き残っていけないのではないかという想いがあったとき、大同特殊鋼(株)と光ギンテックの塗装技術について共同開発を行ったことが大きな転機となっています。 
 光ギンテックの塗装方法は、当初ハケやローラーによる一般的な工法を採用していましたが、この塗装方法では数日後には抗菌剤である銀微粒子が凝集した箇所が変色し、塗装箇所に色ムラが生じてしまいました。この課題解決に当社は「光ギンテックを塗装するにはハケやローラーではなく、吹き付け技術が必要」と提言したことが始まりでした。
 大同特殊鋼(株)が開発した銀担持型光触媒である光ギンテックは優れた抗菌力を持っていますが、その抗菌効果を最大限に発揮させるためには、いかに抗菌剤微粒子を塗膜表面に均一に固着・分散させるかが課題となります。
 実証試験を病院のICU・手術室・病室・トイレ等で実施した結果、その抗菌効果にバラつきが生じ、特に清掃・メンテナンスが頻繁に行われるトイレ・扉・パーテーション・カウンター等で抗菌効果がなくなっていました。これは、このときの塗装方法は抗菌剤微粒子にバインダー(接着剤)を使用したものであるため、清掃時のアルコール拭きなどにより光ギンテックが剥落したことが原因と判明しました。その問題を解決するため、ペンキ塗装を行った際、塗装したペンキが乾燥する前にホコリやゴミが付着すると、乾燥・硬化後にはそれが取れなくなるというクレームからヒントを得、この原理を応用し、抗菌剤微粒子をバインダーを使用せず静電気の力で未硬化のペンキ表面に付着させ、吹き付け圧力と表面張力で塗膜表面に食い込ませ、抗菌剤微粒子の1/2を表面に露出させた状態で乾燥・硬化させるという“塗膜一体化技術”の確立に成功し、固着化という課題をクリアしました。この結果、抗菌剤が菌に直接アタックし抗菌効果の持続性と耐久性を実現できました。
 また、分散化という課題に対しては、抗菌効果は菌類が抗菌剤微粒子に接触してはじめて発揮されるため、抗菌剤微粒子をより緻密な間隔で均一に分散させ、菌類との接触率を高めていく必要があると考えています。
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システム概要図
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インタビュー

 すでに素晴らしい技術をお持ちですが、それに満足せず、さらなる研究意欲を持っておられるわけですね。現在、経済産業省は、ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(通称:ものづくり補助金)という施策を推進していますが、これは試作品開発から販路開拓等への経費や製品の実証試験等の経費が補助の対象になりますので、これらの課題解決のために活用も可能だと思います 。
 
説明村瀬社長
 中小企業が研究開発を行ったり、販路開拓を行うのは自社の資金や人材・知識では限りがあります。これは中小企業共通の悩みです。東海ものづくり創生協議会のアドバイスやこうした補助金は実にありがたい存在です。
 ものづくり補助金については抗菌剤微粒子をより薄く・均一に塗膜に吹き付けるための“均一・分散塗装システム”の開発に活用したいと思っていますし、先日申請いたしました。
 販路としても、塗装ができる物・箇所であればこの“塗膜一体化技術”による抗菌効果を発揮させることが可能なので、抗菌効果が要求される病院・介護施設・食品工場の壁や天井をはじめ、幅広く応用できると考えています。さらに施工方法が通常の塗装方法と変わらないため、建物全体といった広範囲に抗菌効果を付与できることも特長です。またリフォームの際に建物全体に抗菌効果を付加させるためには、扉やパーテーション、トイレなどに抗菌効果のある製品を購入するよりも、通常の内装費・塗装費にいくらかプラスするだけで抗菌効果を持たせることができるので、コスト面からも優位性があります。  
 光ギンテックの安全性や抗菌効果はSIAA(抗菌製品技術評議会)・名城大学薬学部・食品分析センターをはじめ各種の公的機関により高い評価が実証されています。加えて当社は抗菌効果についてお客様の信頼を得るため現場で実証することが特に必要と考え、光ギンテックを用い実際に施工した現場で効果持続性や耐久性を検証しています。施工前と施工後の菌数のカウントによる抗菌効果の比較検討を行うなど、定量的な抗菌効果を積極的にPRすることにより、販路を獲得していきたいと思っています。
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本技術の特徴
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春日井市におけるトイレ便器への施工風景
春日井市におけるトイレ便器への施工風景
 
 
インタビュー

 塗装ができる物・箇所であれば、この抗菌効果を発揮させることができるというのは応用の幅が広そうですね。

 
説明 村瀬社長
 光ギンテックの“塗膜一体化技術”を活用した新しい事業展開として、「多人数が使用する機器」への接触感染防止とし機器メーカーに対し技術ライセンスの提供と機材・資材の供給を考えています。今年のはじめに実施した春日井市の小学校のトイレ便器への施工効果として、匂いバクテリアの激減により、75%が「匂いが消えた」、82%が「掃除が楽になった」と春日井市は評価し、本年度中に残りの市内の小中学校全54校への施工を予算化するとのマスコミ報道がありました。
 自動車業界に対しては、自動車の内装材をあらかじめこの技術でコーティングしておけば、抗菌効果とともに光触媒の効果で脱臭効果も期待でき、車内環境改善策として有効だと思っています。
  また、平成13年に(財)北里環境科学センターによりインフルエンザウィルスへの有効性が実証されていることから、この技術を多く人が集まる建物や新幹線等の公共輸送機関の内装に活用することによりインフルエンザへの対応にも有効であると思います。また、飛行機の内装への活用は国内へのインフルエンザウイルスの侵入阻止にも大きな貢献ができるものと考え、飛行機の内装部材を扱っているメーカーなどとの連携を模索しています。これには中部経済産業局にもご相談しながら新分野への挑戦をしていきたいと思います。
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インタビュー

 この地域での航空宇宙分野の産業集積を高めることに、中部経済産業局は力を入れています。このため、御社の取り組みが航空機産業への新規参入のモデル事例となるように期待しています。最後になりますが、今後の御社の方針をお聞かせいただけないでしょうか?
 
説明村瀬社長
 この光ギンテックの“塗膜一体化技術”は、塗装業としての本業の上乗せ技術です。あくまでもベースに塗装があり、その塗装表面を抗菌加工する技術です。従って塗料メーカーやゼネコン業界などではできない塗装業者の独自技術です。このような機能性を付加した塗装技術の開発により塗装業界に新しい付加価値を創出し、下請け体質からの転換を図り収益改善に繋がればと考えています。 また、この技術を活用した広範囲に建物・施設全体を抗菌対策する技術開発に向け、空調業界と連携し、フレッシュエアーを送るシステムを開発する等、様々な業界と連携し病原菌や黴、インフルエンザウイルスをはじめとする抗菌対策を考えることは社会的ニーズだと考え、これが膨大なマーケットに成長すると信じています。国産初のMRJジェット機の内装に使われて機内が抗菌対策されたら新型ウィルスの感染防止に役立てるのかな!と「夢」見ています 。
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。独自技術の研究開発に意欲的であり、それを武器に航空機産業など新分野へ挑戦する御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 株式会社ペイントサービス  
村瀬 栄次 社長
村瀬 栄次 社長
本   社 愛知県江南市大海道中里135番地  
設   立 昭和61年2月  
代 表 者 代表取締役社長 村瀬 栄次  
事業内容

建築塗装工事 ・鋼橋塗装工事 ・高所特殊塗装工事 ・防水塗装工事 ・防水施工 ・吹き付塗装工事 ・樹脂接着剤注入施工 ・コーキング工事 ・ボンデ鋼鈑焼付塗装 ・増改築工事 ・看板工事

 
資 本 金 3000万円  
従 業 員 25名  
U R L http://www.supercoat-ag.jp/  
T E L 0587-59-6561  
F A X 0587-59-7368  
取材:平成 21年12日 総務課 情報公開・広報室

 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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