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中部発きらり企業紹介 Vol.50

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株式会社コボ

株式会社コボ  
〜 ホロニックな視点から発想し、異質なものとの連携により、新商品開発から販売までを支援 〜

  今回は、当局が推進するモノ作りエコデザインに連携・協働して取り組まれており、中部知的財産戦略推進計画策定調査検討委員会の委員としても加わっていただいているなど、中部地域のモノ作り企業が苦手とするデザイン戦略、知財戦略の構築により、企業が持つ強みを活かした商品開発を支援している(株)コボの山村真一社長にお話を伺いました。
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株式会社コボ [本社]
株式会社コボ [本社]
 
インタビュー

 御社は昭和48年に設立されたとお聞きしておりますが、はじめに設立の経緯などについてご紹介いただけますか?

 
説明 山村社長
 私は三菱重工業(株)の商品企画部に入社し、イタリア・トリノのカロッツェリアにてデザインを学び、その後チーフデザイナーとしてギャランFTO、ランサー等の企画・デザインを手がけておりました。日本では、デザインといえば“色”や“ものの形”など見た目を表す意味で使われることが多いですが、世界ではデザインというと戦略・企画・計画といった意味で使われています。このように企業戦略としての「デザイン」ということを考えたときに、絶えず動いている時代の変化を読み取り、それを企業活動に反映していこうとすると、部分だけを見ていては不十分であり、物事をあらゆる角度から全体視することが必要不可欠です。それは企業の中の一つの歯車として動いていると、その企業の概念から離れて自由に思考するということは非常に難しいと考え、(株)コボを設立しました。
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インタビュー

 御社は企業の商品開発から流通・販売までトータルな支援をされているということですが、どのようなことをされているのでしょうか?
 
説明山村社長
 現在のような大不況の時代においても、B to Cといわれる自社商品・自社ブランドを持ち、エンドユーザーである消費者との接点を持つ企業は社会のニーズに敏感であり、市場に即応できる優位性を有することにより、活路を見いだしているところもあります。しかし、自動車産業の集積の高い中部地域の中小企業は、企業からの受注型の産業形態であるため、消費者との接点を直接には持たないB to Bが主流となっており、系列内の個々の企業が市場を見据えて商品企画をするという意識が弱いという現状があります。当地域の産業の活性化には、このような企業にB to C の発想を入れ、新商品開発の促進による新事業の創出や、B to Cの視点を持った上で、B to Bの商品開発を推進することが重要となります。
 このため当社は、中小企業に自らのコアとなる技術・ノウハウといった経営資源に対する認識を持ってもらうとともに、それが社会や時代においてどういう位置づけになるのかという全体視することにより価値を創造し、商品企画から販売までトータルに支援をしています。
 例えば、自動車部品の工具メーカーにおいて、自動車産業がハイブリッド車が主流になってきた場合に、工具メーカーは将来それによってどのような影響があるのかわからないケースがあります。ハイブリッド車には、エンジンやシャーシのメカニック部分には従来の技術が使えるとともに、バッテリーのモーター部分で新しい電子コントロールが必要な部分がでてきますので、工具も従来からの機械工具だけでなく、新しい電子工具が必要になってきます。このように、実は自分たちが今作っている工具の先に新しい工具の仕事が発生しているのですが、中小企業はそれに気づいていないことが多々ありますので、当社は企業が実際に持っている技術等の可能性を探り、片方ではマーケットの価値観・ニーズがどのように変化しているか、あるいは10年後にはどのような社会環境になっていくのかを予測しながら、タイムリーに良い商品を送り出すよう提案しています。
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ホロニックな考え方を元に企業戦略を検討
ホロニックな考え方を元に企業戦略を検討
 
インタビュー

 このような提案を行うためには、部分だけにとらわれない全体視という考え方が重要というわけですね?

 
説明 山村社長
 当社は設立して30年ほどになりますが、「ホロニック」という全体から部分を見つめ、そこからまた全体を見直すという考え方を基本にしております。モノ作りの技術を社会に活かすためには、全体視をするとともに、同時に部分も掘り下げていくという、全体と部分を連動させることが重要です。
 モノ作りの要素技術などの企業が保有しているコア技術と環境や安心・安全といったマーケット状況とをマッチングさせる企業戦略が必要であり、例えばある企業が現在とは違った分野に進出する場合には、マーケットの情報を集め、類似する事例等を分析し、後発としても優位に立てるような「デザイン」決めていくことが重要となります。その際には、時系列で新しいテクノロジーと社会の価値観の変化というものを考える事が大切です。
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インタビュー

 山村社長は、中部知的財産戦略推進計画策定調査検討委員会の委員にも加わっていただいていますが、中部地域の知財戦略を推進していくにあたり、どのようなお考えをお持ちでしょうか?
 
説明山村社長
  知的財産というと、構造特許や製法特許についての関心が高いが、中国・アジアとの知財問題のトラブルをみていくとほとんどが意匠・商標登録です。これは、いわゆる色や形といったデザイン・ブランドという話ですが、これらの権利を適切に保護しないと、模倣されたデザインなどに対して係争を起こしても、結論が出るまで相当経費と時間がかかり、大きなダメージを受けます。
  中部地域は、モノ作りの技術に関わる知財については蓄積された経験がありますが、デザインやブランドの問題への対応については企業や弁理士等に充分なノウハウがあるとは言えない傾向があります。これは非常に危険だと考え、第2期中部知的財産戦略推進計画の中に、対応すべき課題として、戦略としてのデザイン・ブランドの重要性というものを盛り込んでいただきました。これは他の経済産業局にはない新しい目玉だと思っています。
  特に意匠については、戦略的意匠というものが大事であって、ただ単に6面図を書いて出願すれば良いというわけではなく、その形をある程度踏襲しなければ特性が活きないというような戦略的な意匠登録が重要です。このように、次世代のモノ作りには知財戦略は必要不可欠であり、成功事例を示すこと等により、知財戦略の重要性を普及啓発していく必要があります。
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九谷焼と金属を融合さえた新商品の企画開発
九谷焼と金属を融合させた新商品の企画開発
 
インタビュー

 御社は地域産業の活性化にも取り組んでいると聞いていますが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?

 
説明 山村社長
  例えば、九谷焼を軸にしたデザイン戦略があります。従来から伝統工芸品としてあった九谷焼の置物や花瓶に、何か実用的な機能を付加して訴求力を高められないかという発想から、ワイングラスに九谷焼を利用してはどうかという提案をしました。これは産地の職人の絵付け技術を活かし、カップ部分が九谷焼、足の部分は金属という異素材を組み合わせたワイングラスになり、50億円近く売り上げていると思います。また、環境への配慮から無鉛の釉薬の研究を行っていた九谷焼と、同じく無鉛の江戸吹きガラスが融合し、カップ部分が江戸吹きガラス、足の部分は九谷焼といった環境問題という社会ニーズを踏まえた商品開発を行いました。
  他の例ですと、有松・鳴海の絞り繊維を応用したものがあります。ジャパンブランドとして、海外に日本の持っている技術を発信していくという企画の中で、伝統産業と最先端技術を融合して何かできないかと考え、絞り繊維に酸化チタン(光触媒)を織り込む事を提案しました。絞り繊維の無数の突起に酸化チタンをつけると、そこを空気が通る際に高い抗菌・殺菌・消臭効果があることが確認できました。この技術をランプのシェードに使ってみると、煙突効果により室内に空気の対流が発生するため、室内の空気をきれいにする空気清浄機の機能を発揮することとなり、ドイツのアンビエンテやフランクフルトで話題になり、ヨーロッパで売れ始め、有松・鳴海絞りの一つの看板になりつつあります。
   
九谷焼と江戸吹きガラスの融合による新商品開発
絞り繊維を活用による空気清浄機能を有するランプシェードの企画提案
九谷焼と江戸吹きガラスの融合による新商品開発
絞り繊維の活用による空気清浄機能を有するランプシェードの企画提案
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インタビュー

 地域資源の活用は地域活性化を図る有効な施策として経済産業省としても力を入れている分野ですので、支援制度を活用していただき他のモデル事例となるような取り組みを期待しています。最後になりますが、今後の御社の方針をお聞かせいただけないでしょうか?
 
説明山村社長
  一番大事なのは連携、特に異質なものとの連携がひとつのキーワードで、今、農商工連携など横の連携が大事と言われていますが、全くその通りで、違った業界の人たちと組んでいくことにより、新しい発想が生まれ、企画が生まれます。
  九谷焼の例のように、伝統産業も今だけを見ていると守りの産業といわれるが、よく将来を見据えると未来の産業になり得ます。そこに内在している技術が新しい風に吹かれることで、新しい商品として次々と変化し、イノベーションを繰り返していく、このように活動領域を広げていくことが重要であると思っています。 
  2つ目は、グローバリゼーションと言うことで世界戦略が重要です。現在は情報化社会で、情報が世界中に一瞬で広がりますので、話題となるソリューションを起こせば良くも悪くもすぐに反響が広がっていきます。これは逆に大いに利用し、認識するべきで、知財戦略と同様に世界戦略を見据える事が必要であると考えています。
  最後に、企業戦略としての「デザイン」というものを経営者の方に理解してもらうことが大切です。デザインというと見た目の好き嫌いの話になりがちですが、実は経営の戦略にはなくてはならないものです。B to Bのモノ作りが得意な当地域の中小企業に、B to Cの視点を持った商品開発を促す等、マーケットのニーズに合致した企業戦略をホロニックな視点で提案し、支援していきたいと思います。
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。ホロニックな考え方を土台に、ものづくりのすべてのステージでアイデアを展開する御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 株式会社コボ  
山村 真一 社長
山村 真一 社長
本   社 愛知県名古屋市昭和区川名本町2−58−4  
設   立 昭和48年7月  
代 表 者 代表取締役社長 山村 真一  
事業内容

経営戦略のデザイン企画
商品デザイン・デザインコンセプト

 
資 本 金 1000万円  
従 業 員 25名  
U R L http://www.cobodesign.co.jp/  
T E L 052-763-7166  
F A X 052-763-7169  
取材:平成 21年10日 総務課 情報公開・広報室

 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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