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中部発きらり企業紹介 Vol.48

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株式会社あいや

株式会社あいや  
〜抹茶を食品加工用材料として世界に提供(弱点を強みに規制を付加価値に変える経営を実践)〜

  今回は、平成19年度元気なモノ作り中小企業300社に選ばれた企業で、経済産業省から平成19年10月に地域産業資源活用事業計画、平成20年12月に農商工等連携事業計画の認定を受けたほか、地域団体商標によるブランド確立により地域活性化を目指す、石臼挽きという伝統の抹茶製法に拘りながらも、抹茶の栽培段階からの徹底した品質管理や製品トレーサビリティにより、食品加工用の高品質な抹茶の大量生産・即納体制を確立された株式会社あいや(愛知県西尾市)の杉田芳男社長にお話を伺いました。
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インタビュー

 御社は明治21年に創業されたとお聞きしておりますが、はじめに創業の経緯やこれまでの沿革についてご紹介いただけますか?
 
説明 杉田社長
 当社は、明治21年に初代杉田愛次郎が茶と藍製造・卸業の杉田商店を興したのが始まりです。初めは、茶畑の栽培、茶の精製、茶の卸売り、藍玉を商う「農業」を主体とする事業を行っておりましたが、西尾はお茶の栽培に適しており、近くを流れる矢作川によって長年にわたって運ばれた土砂が碾(てん)茶を栽培する土床に最適であること、抹茶を挽くために必要となる石臼に最適な花崗岩の産地が近いこと、名古屋という大消費地が近くにある
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社屋 (株)あいや[本社]
(株)あいや[本社]


SP ことから、昭和10年には業態の中心を農業から商業・工業へと変化させ、抹茶の精製・卸売りに特化するようになりました。昭和39年には株式会社あいやを設立しました。しかし、昭和40年代頃になると、抹茶自体が他のお茶と比較しニッチな上、抹茶の産地としても西尾は宇治茶等の他のお茶の産地ブランドに劣後しており、飲用としての抹茶の販売に苦戦するようになりました。また、飲用の抹茶は販売量の拡大が困難であることもあり、食品加工用の抹茶の生産・販売に徐々にシフトさせ、昭和40年代後半には、食品加工用の抹茶が当社売上の過半数を占めるまでとなり、現在では、重量換算で飲用抹茶が10%、食品加工用抹茶が90%となっています。 SP
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クリーンルームには1300台の碾き臼を設置

クリーンルームには1300台の碾き臼を設置

安全・安心を第一にした品質管理の徹底
安全・安心を第一にした品質管理の徹底
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インタビュー

 御社は、120余年の伝統のもと石臼挽きという抹茶製法に拘りながらも、茶葉の栽培段階から徹底した品質管理や製品トレーサビリティにより、食品加工用の高品質な抹茶の大量生産・即納体制を確立されたと伺っていますが・・・。
 
説明 杉田社長
 当社は、120余年の伝統と最新設備・技術により、碾茶から最高の色、味、香りを引き出すため、地元産の花崗岩でできた碾き臼による石臼挽き製法に拘っています。このため、1台の碾き臼では1時間に40グラム程度しか製造できません。そこで、当社では合計1300台の碾き臼を工場に設置することで大量生産・即納体制を構築しています。さらに、碾き臼を管理調整する目立て職人を5人擁し、最高品質のミクロン単位の超微粒子を作るために日々技を磨いています。
  また、当社は国内抹茶シェアの45%を占めていますが、抹茶業界では初めてといわれるような最新設備や製造技術を導入して品質管理等のノウハウを確立してきました。1985年には、抹茶業界初となる品質管理室を設けるとともに、安全、安心、衛生を第一に湿度・温度が一定に保たれたクリーンルームの抹茶工場を完成させました。2007年、2008年には2年連続でAIB国際検査統合基準(前提条件と食品安全プログラム)において、抹茶業界では初めてとなる最高評価をいただきました。また、2008年は抹茶業界初ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証も受けています。
 このような品質管理の向上の取り組みは、食品加工用原料の
SP メーカーとして多くの食品メーカーと取引このような品質管理の向上の取り組みは、食品加工用原料の メーカーとして多くの食品メーカーと取引をしていく中で、ノウハウを磨き確立させてきたものです。
  また、オーガニック(無農薬・有機栽培)による生産などにも取り組むことで、食品安全規制の厳しい欧米にも進出することができ、早くから「Matcha」という名称を海外に浸透させ、食品や飲料素材として世界各地の食品メーカーに提供することができました。現在、年間生産量の10%弱が欧米への輸出になりますが、今後は20%を目指して取り組んでいきたいと考えています。
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インタビュー

 抹茶の海外市場を早くから開拓した御社ですが、御社の海外事業に関する取り組みが経済産業省の平成19年度地域産業資源活用事業として認定を受けられましたね。
 
説明 杉田社長
 平成19年10月に、「世界で最も厳格な残留農薬基準を持つ欧州市場へ向けた無農薬有機栽培抹茶の製造・販売事業」が地域産業資源活用事業として認定されました。この事業は、厳選された原料調達に不可欠な無農薬栽培碾茶農家や岡崎の花崗岩加工業者と連携し、三河地域の資源を用いて西尾の抹茶を世界へ展開していくものです。米国では、すでに大手製菓メーカーとの取引がありましたが、欧州市場は健康や無農薬有機栽培に対する
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食品加工用原料として益々高まる需要

食品加工用原料として益々高まる需要
SP 志向が非常に強く、参入が難しい状況です。そこで、以前からオーガニックによる抹茶生産に取り組んできた当社はこれをチャンスと捉え、旧下山村の農家と連携し、抹茶の原料である碾茶の無農薬有機栽培法を確立し、欧州で最も厳格なオーガニック認定機関であるIMOの認証を取得しました。一層本格的な欧州市場への展開を目指すために、地域産業資源活用事業に力を入れていきたいと考えています。 SP
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旧下山村(豊田市)ではてん茶の無農薬・有機栽培を実施

下山村(豊田市)ではてん茶の
無農薬・有機栽培を実施

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インタビュー

 また一方、最近では、平成20年12月に農商工等連携事業の認定を受けられていますが、どのような取り組みでしょうか?
 
説明 杉田社長
  これは、抹茶業界初となる「粉末状退色防止抹茶」の製造・販売事業です。認定該当製品の「粉末状退色防止抹茶」は、原料を茶葉100%とする従来の抹茶と比較しても遜色のない“味・香り”と独自の技術に基づいた退色防止機能を備えた、当社の長年に亘るノウハウを基に作られた製品です。
 これまで抹茶は熱を加えると退色する性質があり、加熱してもきれいな緑色を保つ抹茶の開発が食品加工業界から熱望されてい ました。本製品は、抹茶を特殊な油脂で急速に包み込むことによって加熱による退色が少なく、かつ抹茶本来の香りを保持し続けるという特色を有しており、菓子メーカーから画期的な新製品との評価も得ています。
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インタビュー

 最後になりますが、今後の御社の方針をお聞かせいただけないでしょうか?
 
説明 杉田社長
 まずは、農商工等連携事業でご説明しました抹茶の緑色を保ち、食品加工材としての付加価値を高め、使用可能な食品を増やすために退色防止技術の確立に向けて邁進したいと考えています。もう一つは、現在、米国発の経済不況により大変厳しく、特に米国での販売には大変苦労しているところです。しかし、欧州では、健康や食の安全を求めるニーズが非常に高く、当社のオーガニックに拘る取り組みが益々強みになってくると思います。飲用だけでなくあらゆる食材に利用されることも期待できます。欧州であいやのブランドが認められ、お菓子などの食品として逆輸入されるようになれば最高ですね。
 また一方で、西尾抹茶を世界中にPRしていきたいと考えています。その一つとして地域団体商標による地域一丸となったブランドの確立が必要だと思います。当社では、社会貢献、文化活動も企業の大切な使命であると捉えています。抹茶に対する理解を深めていただくために、抹茶の歴史等を紹介する抹茶資料展示室を設け、見学者の受け入れを行っています。このような取り組みを通じて地域活性化に貢献できればと思っています。
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抹茶資料展示室

抹茶資料展示室

ギャラリー
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。西尾茶を全世界へ普及させる事業活動を通して「Matcha」の伝道師として地域の活性化や御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 株式会社あいや  
杉田 芳男  社長
杉田 芳男  社長
本   社 愛知県西尾市上町横町屋敷15番地  
設   立 明治21年5月  
代 表 者 代表取締役社長 杉田 芳男  
事業内容

抹茶をはじめとする茶類の製造・御販売

 
資 本 金 3,000万円  
従 業 員 83名  
U R L http://www.matcha.co.jp/  
T E L 0563-56-2223  
F A X 0563-56-2227  
取材:平成 21年日 総務課 情報公開・広報室

 

 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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