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中部発きらり企業紹介 Vol.45

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  会社ロゴ 竹田印刷株式会社  
〜産学官連携により紙への印刷だけでなく幅広い分野での活用可能な撥水技術の実用化を目指す 〜

  今回は、経済産業省の地域新生コンソーシアム研究開発事業を平成19年度に活用し、「超はっ水ナノ分子ペーパー製造技術の開発」を行い、今年度から地域イノベーション創出研究開発事業を活用して当該技術の実用化により新事業分野の創出や既存の印刷事業の新たな付加価値創造に取り組まれている竹田印刷株式会社(名古屋市昭和区)の下川原取締役技術本部長にお話を伺いました。
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インタビュー

 大正13年1月の創業以来長い社歴を有しておられますが、御社のあゆみを拝見すると社業の中心である印刷業から関連新規分野への展開や活動エリアの拡大を主なテーマとして業容の拡大に取り組まれているように思われますが、昭和21年11月の会社設立からこれまでの主なあゆみについてご紹介いただけますか。
 
説明 下川原取締役技術本部長
 当社の前身である武田商店印刷部の創業以来84年の歴史があり、印刷業としては比較的長い歴史を持っている。当社は名古屋を本拠地としつつも東京や大阪への進出を早くから図り、現在では名古屋、東京、大阪の3拠点体制を整備した。おおよその地域バランスは名古屋4:東京4:大阪2となっている。また、海外展開では上海に営業拠点を設け中国に進出した取引先の発注を受けるとともに印刷の前工程をコンピューター等で処理する拠点を大連に設置し、通信によりデータを国内の生産拠点に送っている。関連新規事業分野への進出については、コア技術である印刷技術を活用しヨコ展開を図る拡印刷に取り組んでいる。具体的には印刷の基本的な技術の一つである製版技術を応用して、半導体のパッケージの配線パターンの設計・製版をおこなっている。その他印刷事業で培ったIT技術やデジタル処理技術等を活用してホームページの作成やWEB、DVD、CD―ROM等の作成や受発注システムの構築等の情報処理システムなどのソリューションビジネスを展開している。現在では売り上げベースで商業印刷、出版関連の紙への印刷事業がおよそ80%程度となっている。
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中部発きらり企業紹介画像
本社・中部事業部の外観

中部発きらり企業紹介画像
印刷用のオフセット輪転機を竹田グループ全体として中部、関東、関西で13台保有

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インタビュー

 御社は経済産業省の地域イノベーション創出研究開発事業を活用して「超はっ水ナノ分子ペーパー製造技術の開発」に現在取り組んでおられますが、超はっ水ナノ分子ペーパーとはどのようなものなのか、また、その製造技術を開発する際の課題は何か、実用化された際どのような商品に活用できるのかご説明いただけませんでしょうか。
 
説明下川原取締役技術本部長
 超はっ水ナノ分子ペーパーとは、親水性の水酸基を有するセルロースから構成される普通紙に疎水性官能基を有する膜厚1〜2nmのナノ分子膜を被覆し、撥水機能と耐水機能を付与したものです。超はっ水ナノ分子ペーパーは、撥水性と耐水性があるため紙の上に落とした水滴をボール玉のように転がすことができます。また、実用化に向けての技術開発上の課題としては、コストの削減と品質の確保です。コストの削減を図るためには撥水処理能力のスピードアップが必要であり、処理能力の時間短縮がポイントとなります。品質面においては、むらなく被膜される均一性の確保が重要であり、現在、これらの課題解決をすべく製造技術の研究開発に取り組んでいるところです。この技術が実用化されると、ポスター、チラシ、包装紙、和紙、段ボール等の紙だけでなく繊維や住宅用内装材等にも応用ができ、さまざまな用途での利用ができます。
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(超はっ水ナノ分子ペーパーの構造)
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中部発きらり企業紹介画像

超はっ水処理に係る研究設備

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インタビュー

 この技術の優位性や期待できる応用分野について、もう少し詳しくお話をお伺いできますか。
 
説明下川原取締役技術本部長
 現在、撥水性を得るためにポリプロピレンを主原料とするポリマー素材の合成紙がポスター、カタログに使われているが、石油由来の合成紙は、マテリアルリサイクルができず燃焼処理されるため、化石燃料の使用低減、CO2排出削減といった環境面で問題がある。一方、当技術を使って紙に撥水性をもたせれば、紙自体は植物由来であるため再生利用が可能であり環境面での優位性を持つことができる。また、この技術を活用することにより微妙な
SP 風合いを持つ和紙の用途拡大の他、繊維にこの技術を応用することにより通気性の高い衣料といったことも可能となる。このように紙以外の素材とのマッチングによりさまざまな分野での活用が期待できる。さらに、抗菌性、防汚性を有することにより薬品、食品などのパッケージとしての活用も有望である。 SP
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インタビュー

 印刷業は受注生産であり、業界自体も中小零細企業が圧倒的に多いピラミッド構造となっているため、新規事業分野へ進出しようというマインドは比較的少ない業界というイメージを持っていますが、御社は産学連携による新技術の研究開発や新規事業分野の創出に積極的に取り組まれています今後の経営戦略についてお聞かせいただけないでしょうか。
 
説明下川原取締役技術本部長
 当社は早くから「拡印刷」を目標としており、当社の印刷技術とマッチング可能な“新技術”を得るため、全国各地で開催される大学のテクノフェアや展示会等に参加している。名古屋大学のテクノフェアで高井 治教授が研究された超はっ水ナノ分子技術に行き当たり、印刷に応用して実用化を図るという研究開発プロジェクトもその成果の一つである。今後の経営戦略としては、印刷、半導体に次ぐ第3の柱となる事業の構築を目指しており、紙への印刷以外が売上シェアの30%以上となるような体制づくりを目標としている。超はっ水性ナノ分子技術は、紙と紙以外の分野の両方に応用できるものであり、新たな事業としても大いに期待をしている。
 
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超はっ水ナノ分子ペーパー
超はっ水ナノ分子ペーパーとは、天然素材の紙にナノスケールの分子膜を被覆し、撥水機能と耐水機能を付与したもの
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 本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。なお、取材にあたり、常務取締役の服部信司さんにも時間を割いて最後までご同席していただきました。ご多忙のところありがとうございました。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 竹田印刷株式会社  
中部発きらり企業紹介社長
下川原取締役技術本部長
本   社 名古屋市昭和区白金一丁目11番地10号  
創   業 大正13年1月  
設   立 昭和21年11月16日  
代 表 者 代表取締役社長 斎藤 正俊  
事業内容

カタログ・パンフレット、美術印刷物、書籍等の商業用・出版用印刷物の企画・デザイン・印刷 。
インターネットホームページコンテンツ、CD-ROM等のマルチメディア関連の企画・制作。
半導体向け各種マスクの設計・製造 。

 
資 本 金 19億3,792万円  
従 業 員 571名  
U R L http://www.takeda-prn.co.jp/index.html  
T E L 052-871-6351(大代表)  
F A X 052-872-1488  
取材:平成 20年12日 総務課 情報公開・広報室



 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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