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中部発きらり企業紹介 Vol.43

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リサイクルテック・ジャパン株式会社
〜徹底した手解体によるマテリアルリサイクル100%への挑戦
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  今回は、高度な運営ノウハウにより廃棄遊技機のリサイクル・リユースを事業化し、マテリアルリサイクル率99.8%のゼロエミッションを実現した名古屋市認定のエコ事業所で、本年、「Japan Venture Awards 2008」シニア賞を受賞したリサイクルテック・ジャパン株式会社(名古屋市港区)の高取美樹社長にお話を伺いました。

御社は平成15年に会社を設立されたとお聞きしておりますが、はじめに、会社設立の動機とそれまでの社長のご経歴についてご紹介いただけますか
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リサイクルテック・ジャパン(株)[本社]

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高取社長:
  私は、もともとは銀行員で10年ほど勤めた後、家内の実家である木質系リサイクルで日本一のフルハシ工業(株)に入社しました。フルハシ工業(株)に入社した昭和50年代中頃は、製材不況と第2次オイルショックが重なり、この不況を乗り越えるためには、新たな事業展開が必要とされている時でした。私は、かつての銀行員時代
 
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に築いたネットワークを利用して、多くの方に相談し、その結果これからは“環境”をテーマにした事業が求められるという一つの答えに辿り着きました。そこで、オイルショックの影響もありましたので、石油に代わるエネルギーで省エネ効果の高い木質燃料ボイラーをリースするビジネスモデルを考えました。内容は、ボイラーメーカーや大手総合商社と連携し、フルハシ工業(株)が木質燃料ボイラー用の木材チップを供給する仕組みで、ユーザーの染色メーカー等からは大変好評でした。
  その後、フルハシ工業(株)を14年間勤めた後、平成10年に大手電機メーカー各社が出資して設立されたグリーンリサイクル(株)の初代社長に就任しました。グリーンリサイクル(株)は、2001年4月に施行された家電リサイクル法によって回収・再処理が義務づけられた家電製品のリサイクル会社で、それまでの木質系リサイクルの経験を買われ社長に就任したわけですが、日本で初めて名古屋港の港湾区域にリサイクル工場を設置するための許可を取ったり、家電製品のマテリアルリサイクル率を上げたりと色々苦労しました。
そのような時、これまでの木質系や家電などの幅広いリサイクルに関する取り組みを耳にした県や県警から、廃棄遊技機の不法投棄・不適正輸出などの社会問題に対応するため、何とかリサイクルできないかという要請を受けました。そこで、平成15年3月に廃棄遊技機のリサイクルを行うリサイクルテック・ジャパン(株)を設立したわけです。
 
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これまでの経験によるリサイクルの
解体手順や運営ノウハウ


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徹底した手解体による素材の選別
 

  高取社長の幅広いリサイクルに関するノウハウによって、御社では、遊技機のマテリアルリサイクルを始められたということですが、御社のリサイクルシステムについてご紹介いただけますか。  
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高取社長:   社では、メーカー側に戻された廃棄遊技機を扱っておりますが、廃棄遊技機には、液晶やIC基盤などの高級電子部品やアルミ、木、プラ
スチック、真鍮などの金やレアメタルを含む非常に多くの素材や部品が使用されています。また、遊技機ははやりすたりが早く、半年から1年ほどで次から次へと更新される製品でもあります。
  そこで、当社では、この多種類の部品を素材ごとに効率よく回収するため、グリーンサイクル(株)での経験から、徹底した手解体を基本とした解体手順方法をまとめ、合理的なリサイクルシステムを確立しました。具体的には、人の手を使って、綺麗にしかも徹底的に分解し、モーター・液晶・LEDなどの使える部品はパーツごとにリサイクルしているほか、プラスチックについては、造粒機を導入し、リサイクルペレットを製造して原料化を図っています。最近では、ペレット化したものを原料にドル箱などに再生して、パチンコホールへ供給しています。また、木質系の木枠・ベニア・スロット筐体については、肥料製造会社との共同研究により木材を粉体化し、堆肥原料として出荷しています。これらの結果、パチスロ機で100%、パチンコ機で99.8%のマテリアルリサイ
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クル率を達成しました。ちなみに、パチンコ機の残り0.2%については、エネルギーとしてサーマルリサイクルをしています 。
 
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御社の遊技機のマテリアルリサイクル率がほぼ100%達成できるのは、機械などの設備ではなく、人の手によるものだということですが、それは
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A〜DにレベリングされたIC基盤
SP 、最後の最後まで機械に放り込まず分類することが、リサイクル率やさらには経営面でも効果的だということでしょうか。
 
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高取社長:
  これまでの経験で、“そうだ”と確信しています。もちろん、手解体により人件費は上がりますが、それ以上に選別の徹底による収入増と処分費等が大幅に節約されるために費用対効果が高く、採算もとれてビジネス的にも成り立ちます。
 
SP 具体的には、人の手、人の目によって純粋なものを選別することによって、高付加価値を生み出すことができます。一つの例が、IC基盤のレベリングです。当社では、金やレアメタルを多く含んだIC基盤をA〜Dのレベルに選別して、お客様が簡単に資源ごとに素材を抽出できるような形で納品しています。これは、お客様から大変喜ばれており、機械設備で混ぜ合わせず手作業を徹底した成果によるものだと思います  
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「Japan Venture Awards 2008」
シニア賞受賞

 

環境・リサイクル事業に積極的取り組まれている御社ですが、創業・ベンチャー国民フォーラムが実施している、日本全国で新事業に果敢にチ  
ャレンジされしかも優秀なモデルとして表彰制度「Japan Venture Awards 2008」で本年シニア賞を受賞されたとお聞きしたのですが・・・。   
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高取社長:

  有望ベンチャー企業として表彰していただいたことについて、大変うれしく思っています。特に、今年のフォーラム・コンセプトは「社会的に

価値ある起業」ということでしたので、これまで環境・リサイクル分野での取り組みが社会的にも有意義であったということが認められたと思っています。 当社では、この他にも名古屋市が環境に配慮した事業者の自主的な取り組みを支援するエコ事業所認定制度において、本年7月にエコ事業所として認定されました。また、愛知県のエコタウン事業の一つである「遊技機個体管理・リサイクルシステム」事業に積極的に参画しています。このエコタウン事業は、愛知県遊技業協同組合が事業主体となって実施しているもので、廃パチンコ台・廃パチスロ台の不法投棄を防止するため、遊技機の製造番号を使ってデータベース化し、追跡調査ができるシステム(遊技機トレーサビリティ)を構築するとともに、廃パチンコ台について
SP は、指定リサイクル業者が有価で買い取り、パチンコ台の部品等へ再使用・再生利用するものです。  
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最後になりますが、今後の御社の方針についてお聞かせいただけないでしょうか。

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自動車には多くの制御基盤が使用
(写真はABSのIC基盤)

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高取社長:
  当社では、木質系・家電など幅広いリサイクルに関するノウハウをもとに、遊技機リサイクルに取り組んできました。特に、手解体を中心としたリ
 
SP サイクルシステムは当社の強みでもあります。そこで、今後は当社の強みである手解体と選別の目を活用して、遊技機以外の“IC基盤”にも力を入れてみようと考えています。例えば、自動車のABSなどの制御装置には、多くのIC基盤が含まれています。ただ、これらは解体に手間がかかったり、解体のノウハウが少ないことからほとんどシュレッダーにかけられています。これは、非常にもったいないことです。自動車の制御装置の他にも、カラオケ機器、携帯電話、ガスのマイコンメーターなど様々な製品にもIC基盤は存在しますので、これらの分野への展開に期待しています。
  現在、当社では遊技機を年間30万台〜40万台リサイクルし
 
SP ていますが、日本で年間に廃棄される遊技機は400万台から500万台と言われています。しかも、その半分は中国に輸出されています。遊技機だけでなく、廃棄処分で海外に出される製品は数え切れないほどあると思いますが、私は、今人手をかけてしっかりと資源を国内で循環するシステムを構築する必要があると思います。自らの事業経験からしてもビジネス的に成り立つと思います。最近、都市鉱山という言葉がよく使われるようになりましたが、私は以前からその重要性を認識し、リサイクル施設も都市周辺に立地するべきだと考えてきました。当社の工場が名古屋市内の交通の要衝に立地しているのはそのためです。我が国において、都市鉱山からの資源回収の必要性は今後益々高まると思います。当社では、時代の流れに対応するため、東京、大阪の都市周辺に工場を増やすことも視野に入れています。  
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 リサイクルテック・ジャパン株式会社  
中部発きらり企業紹介社長
高取美樹 社長
本   社 愛知県名古屋市港区善南町27番地  
設   立 平成15年3月  
代 表 者 代表取締役社長 高取 美樹  
事業内容

廃棄遊技機及び工場廃材の分解・分別によるリサイクル・リユース原料の取出し及び再生事業電子部品の買取り。物流機器の販売。

 
資 本 金 7751万8500円(平成19年12月現在)  
従 業 員 106名  
U R L http://www.r-t-j.co.jp/  
T E L 052−389−2277  
F A X 052−382−5811  


取材:平成 20年10日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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