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中部発きらり企業紹介 Vol. 58

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マルイ クレイアンドセラミックス株式会社

マルイ クレイアンドセラミックス株式会社
 

品質の安定化と安全性を追求し、「高品質」なモノ作りを実践

 


 今回は、平成20年度に地域産業資源活用事業計画の認定を受け、独自ノウハウを駆使して開発した窯業原料新素材や繊細な転写技術による高品質洋食器のブランド化を進め、海外への市場開拓にも取り組んでおられるマルイ クレイアンドセラミックス株式会社の伊藤眞一郎社長にお話を伺いました。
マルイ クレイアンドセラミックス(株)本社工場
マルイ クレイアンドセラミックス(株)[本社工場]
 
インタビュー
 はじめに御社の設立の経緯などについてご紹介頂けますか?
 
説明 伊藤社長
 当社は陶磁器関連を中心に事業展開をしているマルイグループの一員ですが、そのルーツは昭和13年に私の祖父である伊藤清が薪や炭などを商う伊藤商会(株)を創業したのが始まりです。その後、昭和37年に伊藤商会(株)から独立する形で、窯業原料及び釉薬の製造を行う(株)マルイ陶料所を設立し、(株)マルイトウリョウへの社名変更を経て、平成元年に現在の所在地に新本社と新工場を新設しました。そして、平成13年に陶磁器(飲食器)窯業原料メーカーの(株)マルイトウリョウと高品質洋食器メーカー の(株)マルイの2社が合併してマルイ クレイアンドセラミックス(株)となり、現在に至っています。
 なお、洋食器メーカーで原料から最終製品の製造まで自社内で行うという企業は全国で数社と珍しく、新商品の開発が行いやすい環境にあるといえます。
 当社が扱う製品は、主に窯業原料と洋食器ですが、その事業割合は窯業原料を主とする素材部門が約7割、洋食器部門が約3割となっています。また、当社はセラミックス研究所を持っており、窯業原料、釉薬、機能性セラミックス素材の研究・開発も行っています。基本的には食器、陶磁器について、より良いものをつくるための研究開発を行っていますが、それら以外の用途への応用可能性についても模索し、研究を行っています。
SP
一括生産・マルイポーセリンを用いた洋食器
マルイポーセリン」を用いた洋食器
インタビュー
 御社が独自に開発したという窯業原料の「マルイポーセリン」について、特徴や開発のきっかけ、販路開拓に向けての取組について聞かせて頂けないでしょうか?
 
説明 伊藤社長
 磁器の最高級品であるボーンチャイナと同様な白さと質感を出せる窯業原料の研究に長年にわたり取り組み、「マルイポーセリン」という安価で、しかも品質の安定した窯業原料の開発に成功しました。この「マルイポーセリン」の特徴は、ボーンチャイナと同等の白さと透光性を有し、CO2排出量もボーンチャイナ焼成時と比べて約30%削減可能、また通常磁器の約1.4倍の強度を持ち、焼成時の歩留まり率や加工のしやすさも向上させた上で、価格は半分程度という優位性を持っています。
 ただし、このマルイポーセリン自体の競争力には自信があるのですが、まだボーンチャイナほどのブランド力がなく、しかも固定化した市場であることや、高級陶磁器の需要が落ち込んできているという市場環境の問題があります。従って、マルイポーセリンのブランド力の向上と陶磁器以外の用途への活用について取り組んでいるところです。
SP
インタビュー
 洋食器について、独自の転写技術を持ち、欧州市場で人気のあるデザイナーを擁して海外での展示会に出展するなど、海外への販路開拓にも意欲的に取り組んでおられますが、この洋食器部門の展開についてはどのように考えられているのでしょうか?
 
説明 伊藤社長
 当社が得意としているのは白い洋食器で、デザイン的には植物、特にバラをモチーフとしたものが多く、色使いが繊細で華やかということが特徴・強みとなっており、市場的にもそれに特化しています。基本的には純然たる和物は目指しておらず、日本人が作った洋食器がコンセプトとなっています。デザインや絵柄については独自の転写技術(20版の高密度シルクスクリーン)を持っていて、より版数を多く、より解像度を高くすることで、手書きに近い繊細な表現を可能にしています。
 現在の海外への販売先としては、韓国、中国が主であり、自社製品のブランド化と海外への販路開拓を進めるために、地域産業資源活用事業計画の認定を受け、高品質な高級ブランドの商品を生産し、ヨーロッパ、ロシア、ドバイといった海外の富裕層をターゲットとしたヨーロッパ向けのブランド戦略を 推進する一方で、リーマンショック後の経済状況の変化に対応するため、現在世界の経済成長をけん引している中国をターゲットとする戦略 も進めています。また、輸出自体が落ち込んでいるためギフト関連の国内市場での展開にも力を入れています。
高品質洋食器ブランド「TeaCha」  
上絵の写作業と熟練者によるハンドペイント
高品質洋食器ブランド「TeaCha」
 

熟練技術によるハンドペイントと独自の転写技術

SP
窯業原料などを展示した本社内ギャラリー
窯業原料などを展示した本社ギャラリー
 
データ分析による多岐にわたる品質管理
セラミックス関連の分析、研究開発と多岐にわたる品質管理
インタビュー

 自社製品のブランド化と海外への販路開拓という事業展開の構想が地域産業資源活用事業計画の認定を受けるということに結びついたわけですね。確かに現在は世界的な不況にあり、経済を取り巻く環境は大変厳しいものがあると思いますが、当局としても、このような産地の技術をはじめとする地域産業資源を活用した企業を支援することは重要だと考えていますので、今後も微力ながらそのような企業の支援を行っていきたいと思います。最後になりますが、今後の御社の方針をお聞かせ頂けないでしょうか?

 
説明 伊藤社長
 当社は「品質」ということにこだわりを持っています。 窯業原料の例でいうと、天然鉱石を原料として使うので、鉱山で掘る位置が10cm違うだけでも採掘した鉱石の組成は違うものとなります。いつも成分の違う原料を入荷し、いつも同じ素材を作り上げることは非常に難しいことです。最初の投入原料が不安定だと、後工程が適正であったとしても、できあがる製品は良いものができません。常に一定の品質のものを製品化する 、当社にはそれを可能とする技術・ノウハウがあり、ユーザーに高品質で安定した窯業原料を提供できることに自信と誇りを持っています。
 食器についても同様で、セラミックスの用途は多岐にわたりますが、食器において、窯業原料となる土と釉薬はワンセットで用いられ二層構造になりますので、2つの物質が併存するということになります。物質は熱を加えると膨張し、冷めてくると収縮するという性質がありますので、例えば、食器に100℃のお湯を入れると急激な熱膨張が発生するわけですが、この2つの物質の膨張速度が同じでないと器が割れてしまうことになります。このため、土と釉薬の熱膨張のタイミングをきっちり合わせて製造・出荷することが重要です。
 また、人間の口に直接触れることになりますので、使う人が安全に使用できる品質を確保する必要があります。
 当社の経営理念に、「土+炎=Something New!」というものがあります。当社はメーカーであり、新しいものを創り出していくことが使命ともいえますが、土+炎を駆使して、常に「高品質」にこだわるモノ作りをしていくことで、当社の製品を使ったお客様に品質と安全性に裏打ちされたモノが生み出す「ゆとり」と「本物とすごす時間」を生み出すことができればと思っています。
SP

本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせ頂き、ありがとうございました。「高品質」にこだわり、ユーザーに確かな満足を提供するための努力を常に意識されている姿勢は素晴らしいと思います。地域産業資源活用事業の認定など、経済産業省の施策も活用しながら自社製品のブランド確立と海外への販路開拓に取り組む御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
SP
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 マルイ クレイアンドセラミックス株式会社  
中部発きらり企業紹介社長
伊藤 眞一郎 社長
本   社 岐阜県多治見市小泉町1丁目-88-2  
創   業 昭和13年 10月  
設   立 昭和37年4月  
代 表 者 代表取締役社長  伊藤 眞一郎  
事業内容

窯業原料製造・陶磁器製造業

 
資 本 金 2,400万円  
従 業 員 35名  
U R L http://www.marui-grp.co.jp/indexj.html  
T E L 0572-29-3911  
F A X 0572-29-2299  
取材:平成 22年15日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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