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中部発きらり企業紹介 Vol. 57

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池田工業株式会社

池田工業株式会社
  ITを活用したモノ作りと人づくりに取り組み、その成果を他社と共有して自他共栄を目指すIT経営実践認定企業  


 今回は、ITを活用した生産管理による効率経営やモノ作り技能の伝承等の人材育成においてもITを活用するなどの優れたIT経営を実践し、中小企業のIT経営の参考となる企業として「中部IT経営力大賞2009」において“大賞”を受賞された池田工業(株)の池田裕幸社長にお話を伺いました。
[本社]
池田工業(株)[本社工場]
 
[第2工場]
[第2工場]
インタビュー
 はじめに御社の創業の経緯などについてご紹介頂けますか?
 
説明 池田社長
 昭和28年に父である池田憲司が(株)豊田自動織機の協力工場として創業し、昭和43年に株式会社へ改組しました。その後、自動車産業の拡大とともにカーエアコン用コンプレッサー工場の増設など工場の新設・増設を行ってきました。創業当時は繊維機械産業が隆盛だったのでブラケット等の織機関連部品を手がけていましたが、産業構造の移り変わりに合わせてカーエアコン用のハウジング等の自動車部品やフォークリフトの昇降装置用シリンダー等の部品も手がけるようになり、現在に至っています。
 業務内容としては、ほとんどが部品の切削加工で、その売上構成の比率は、自動車部品が約70%、フォークリフト部品が約20%、繊維機械部品が約10%となっています。
 当社は、精密切削加工のプロフェッショナル集団として、生産の更なる効率化、品質の向上を目指して、平成15年に私が社長に就任した以降、ITの積極的な活用に取り組んでおり、個々のモノ作り技術の向上や生産工程の見える化等の生産管理の導入等、IT経営による経営品質の向上に全社一丸となって挑戦しています。 また、その過程においては品質を創造する多様なプロ人材を育成することが重要だと考えており、人材育成には特に力を入れています。
SP
創成塾
創成塾
 
研修プログラム
研修プログラム
インタビュー
 人材育成に力を入れているとのことですが、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?
 
説明 池田社長
 当社は人材育成の一環として様々な研修活動を行っていますが、その一例として、平成21年2月にプロ人材を育成するために「創成塾」という社内塾を立ち上げました。これは社員の資質向上や技能習得にあたり、社内で必要な知識・技能は社内で伝えていくという基本理念に基づき、外部の講師に頼らず、社内のベテラン社員が若手社員の講師役を努めるというスタイルをとっており、勉強のための勉強ではなく、仕事に役立てる、より技術を磨いていくということを目指しています。今後はこの塾での取り組み成果をはじめ、努力したことについては相応に報いることで社員のやる気を更に引き出していきたいと考えています。
 私は会社というものは、「気づきの場」、「学びの場」、「実践の場」という3つの場であり、この中で自ら考え、学び、行動する「自律型社員」を育てることで社員も会社も共に成長し、成長の好循環が起こる場でありたいと考えています。 「モノ作りは 人づくり」、これを会社の最重要課題の一つとして位置づけています。
SP
ITを活用して生産管理を徹底
ITを活用して生産管理を徹底
 
ハンディターミナル
ハンディターミナル
インタビュー
 御社はITを活用した経営戦略にも意欲的に取り組んでいますが、そのきっかけや苦労された点などを教えて頂けますか?
 
説明 田社長
 当社のコアである切削加工技術の精度向上やお客様からのニーズに迅速・適確に対応するためには、技術の伝承をはじめとする人材育成や生産管理の徹底が重要だという考えから、その実現のための一つのツールとしてITを活用できないかということでIT経営を本格的に導入しました。 具体例で言うと、技術の伝承については、職人の中には教えることが苦手な人もいるため、ITを活用した作業手順の映像化に取り組むといったことや、生産管理の徹底については、受注から出荷までの全行程の進捗状況を見える化することで経営情報の全社最適化を図り、効率経営を実践しています。 製造現場では、従来は製造部門の職人は部品の加工というモノ作りのみを行い、生産実績の数量管理は別の部門が行っていましたが、IT経営の導入により生産実績の管理は製造部門の仕事としてPCに入力するようにしました。製造部門がこの入力を行わないとPCの中にある情報が信用できるものでなくなってしまい、かえって数量管理が難しくなり、最悪のケースとしては取引先への納品が間に合わず、それを徹夜して取り戻すという状況になりかねません。ITを正しく活用すると結果として無駄を省くことができ、非常に有効なツールなんだという意識を社員に持ってもらうことに当初は苦労しました。このようなことから、簡単なハンディターミナルで数量入力ができるようにするなど様々な工夫をしました。
SP
インタビュー

 IT経営を実践する過程で、特に品質管理業務において独自の計測器管理システム※「IMS」の開発をされたということですが、これはどのようなものなのでしょうか?
                                ※IMS=Ikeda Measurement System (池田計測器管理システム)

 
説明 池田社長
 製造現場で製品の品質を確保するためには、ノギス、マイクロメーターなどの計測器の精度を維持することが重要ですが、そのためには計測器を管理し、確実にその検査が実施できる仕組みが必要です。この「IMS」は計測器についてデータを一元管理し、検査計画に従って漏れなく検査を実施できるようにするものです。 当社の扱う製品は中・少量生産で多品種の部品であるため、それを計測する計測器の点数も多くなり、検査作業も非常に手間がかかっていましたので、それを効率化できないかということから開発しました。 この「IMS」は、中・少量生産の部品加工を行う当社の苦労から生まれたシステムです。当社と同じように中・少量生産の精密な部品加工を行う企業にニーズがあるものと考えており、今後の展開の第一弾目としてこのシステムを竃L田自動織機の協力会社の中で共有して、協力会社全体としての競争力の向上と経営コストの低減を図り、自他共栄、Win-Winの関係を構築していきたいと考えています。
SP
インタビュー

 モノ作り企業であるにもかかわらず、そのようなシステム開発までしてしまうとはすごいですね。また、更にそれを自社のためだけでなく、他の企業にも活用できるようにして関係企業全体の競争力向上を目指すという姿勢は素晴らしいと思います。 御社の売上構成の大部分は自動車関連部品ですが、今後エコカーといわれる次世代自動車の普及が進んでいくと、その部品加工も大きく変わる可能性がありますが、それについてはどのようにお考えでしょうか?

 
説明 池田社長
 当社は自動車部品としてカーエアコン部品を扱っていますが、これはエンジンの有無による影響をそれほど受けない部品ですので、今後EV化が進んでもなくなる部品ではないと考えています。 ただし、新しい形態の新部品やそれに伴うコストダウンの影響、また取引先から従来と同等の仕事量を発注することが難しいと言われることもあり、新しい取引先の開拓や異業種への展開も想定して、視野を広く持つ必要があるとは感じています。そのためにも技術力や生産効率の向上を更に進め、様々な要望に迅速に応えられるようにして、お客様に選ばれる会社になれるよう努力していきたいと思います。
SP
熟練職人による高精度な加工
熟練職人による高精度な加工
インタビュー
 当局では、企業にそのような広い視野を持って頂くため、企業間のネットワークを広げ、様々な連携を促進させるためのマッチングの場の提供なども行っていますので、御社のそのような考えをサポートしていきたいと思います。最後になりますが、今後の御社の方針をお聞かせ頂けないでしょうか?
 
説明 池田社長
 コアである切削加工の技術を磨くことはもちろんですが、自ら情報発信をすることで、視野を広げていきたいと考えています。先ほどの「IMS」を協力会社で共有したいという話もその一環ですが、今までは自分のところだけというような狭い範囲での企業活動に終始していたものを、情報発信をすることで新たな企業とのお付き合いや取引を生み出し、視野を広げて益々成長していきたいと思っています。また、受注による加工だけでなく、既存の技術・技能を活用して消費者に直接使用していただけるような製品開発にも力を入れていきたいと考えています。B to Bも大事ですが、当社の製品はそれがどのように使われて、どのように役に立っているのかということが見えにくく、実感しづらいものです。お客様の顔が見えやすいB to Cを行い、一般のコンシューマ向けの製品を手がけることで、モノ作りの楽しさ・充実感を実感できる企業を目指していきたいと思います。
SP

本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせ頂き、ありがとうございました。IT経営を実践し、その成果を自社だけにとどめず広く還元しようとされている御社の取り組みは本当に素晴らしいと思います。中部地域の経済発展、産業活動の促進のため、中小企業のIT経営実践のお手本となる御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
SP
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 池田工業株式会社  
池田 裕幸 社長
池田 裕幸 社長
本   社 愛知県刈谷市宝町2丁目3番地7  
設   立 昭和 28年8月  
代 表 者 代表取締役社長  池田 裕幸  
事業内容

カーエアコン部品・フォークリフト部品・繊維機械部品製造 治工具類設計・製作

 
資 本 金 1,200万円  
従 業 員 75名  
U R L http://www.ikeda-ind.co.jp/index.html  
T E L 0566-21-0140  
F A X 0566-26-5140  
取材:平成 22年20日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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